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『グラブル』を続けてきた理由を考える

 私はビデオゲームが好きで,幼い頃からずっとプレイしてきました。忙しくなってくるにつれて,プレイするゲームの数やプレイ時間がだんだんと減ってきましたが,暇を見つけては楽しんでいます。最近よくプレイしているゲームは『グランブルーファンタジー』(以下,略称の『グラブル』で表記)です。ここ数年を振り返ってみても,『グラブル』のプレイ時間が減らずに続いていることに気づかされます。今回は,個人的に感じている『グラブル』の魅力について書いてみたいと思います(『グラブル』を知らない方にもわかるように書いたため,ゲーム内固有の用語はできる限り使わないようにしました)。


『グラブル』とは

 最初に『グラブル』を知らない方向けに概要を説明します。知っている方は,この部分を読み飛ばしていただいても大丈夫です。

 『グラブル』はファンタジー世界を舞台としたRPG(ロールプレイングゲーム)で,プレイヤーは主人公として仲間となる数多くのキャラクターと出会い,仲間とともに敵と戦ったり,武器やアイテムを集めたりしながら,世界を冒険します。冒険の単位である様々な「クエスト」をクリアし,仲間のキャラクターや武器などを強化しながら,主人公たちを成長させていくことがプレイヤーの主な目的になります。他の複数のプレイヤーと協力して強敵に挑戦する「マルチバトル」というモードもあります。

 開発・運営元はCygamesで,2014年3月10日にサービスが開始されました。サービス開始から現在(2020年7月時点)に至るまでヒットを続けているソーシャルゲームです。スマートフォンまたはPCでプレイすることができます。

https://granbluefantasy.jp/
(『グラブル』の公式Webサイトへのリンク)


始めたきっかけ

 『グラブル』を始めたきっかけは,「ストーリーや曲がとても良いので,ぜひプレイしてみて欲しい」と,他のユーザーからプレイを勧められたことでした。私はひとつのゲームをやり込んで極めていくのが好きなタイプで,熟達して実力を伸ばしていくようなアクションゲームや対戦格闘ゲームがとくに好きです。練習する(あるいは,RPGのように時間をかける)ことによって自分が強くなるゲームに長い間親しんできたこともあり,近年のソーシャルゲームに代表されるような,お金をかけることで強くなれるしくみ(アイテム課金; microtransaction)があるゲームはそれほど好きではありませんでした。今もほとんどお金をかけません(「微課金」と呼ばれるタイプだと思います)。そのようなわけで,『グラブル』を始めたばかりの頃はそれほど積極的ではありませんでした。1日に占めるプレイ時間の割合はかなり少なかったと記憶しています。


その魅力はどのような点にあるのか

 ゲームソフトが主にパッケージで販売されていた時代とは異なり,インターネット技術の普及後,ソーシャルゲームが流行してからはサービスとしてのゲームが増加して,ヒット後に長期間にわたってサービスを提供している『グラブル』のようなゲームがいくつか存在しているというのが,ゲーム市場の現状です。サービスが長く続いていることが,私が『グラブル』を長期間にわたってプレイし続けている理由のひとつだと考えています(サービスが終了すれば,プレイしたくてもできなくなりますから,これは当然のことではあります)。私はひとつのゲームを飽きずに比較的長くプレイするタイプですので,ゲームが更新され続ければ,プレイし続ける可能性が高まるというわけです。

 さて,比較的自由な時間があった子どもの頃に比べると,今はだいぶ忙しくなりました。生活全体に占めるゲームプレイ時間の割合は間違いなく減ったと思います。以前はビデオゲームといえば,テレビの前に座って電源を入れて「さあ始めるぞ」というスタイルが一般的でした。今はプレイしたくてどうしようもないという気持ちにでもならない限り,ゲームのためにテレビの前に座ることはほとんどなくなりました。以前のスタイルしかなければ,ゲームプレイ時間の割合はもっと減ったことでしょう。近年は携帯型ゲーム機やスマートフォンがあるので,電車の移動中や待ち時間にゲームをプレイすることができるようになりました。『グラブル』はスマートフォンでプレイできるので,ちょうどライフスタイルに合っていたということになります。PCの作業の合間にすぐにプレイし始められることも,プレイ時間の増加を促すことになったと思います。つまり,自分のライフスタイルにゲーム媒体が適合していたことが,『グラブル』をプレイし続けてきた理由のひとつだといえます。

 長期間プレイし続けること自体がさらに継続を促進するということもいえると思います。ひとつのゲームを長く続ければ,それに対する愛着(執着; attachment)が生じます。したがって,『グラブル』をプレイし続けることで愛着が生じたことも理由として挙げられます。仮に,たった今新しく始めたゲームがあるとして,1日後にそのゲームと『グラブル』のどちらかをやめなければならないという状況を想像してみれば,その理由を裏づけることができます。この場合,『グラブル』をやめることを選択することはかなり難しいと思います。

 これまで述べてきた3つの理由は『グラブル』固有のものではないと思います。他のゲームにも当てはまり得る理由だからです。『グラブル』というゲームコンテンツそのものの魅力は何でしょうか。壮大なストーリー感情を揺さぶるゲームミュージック好きになってしまう魅力的なキャラクターなどは,私があえて挙げるまでもないかもしれません(すでに他のユーザーがその素晴らしさをもっと上手く表現してくれていることと思います)。涙が出るほど感動させられたことはたくさんあります。アイテム課金のしくみが好きではない私が,このコンテンツにならばお金をかけてもよいと思わせてくれたほどだといえば,いくらかは気持ちが伝わるでしょうか(実は,私の「微課金」の対象はすべて『グラブル』です)。

 すでに述べたように,お金をかけることで強くなれるゲームのしくみは個人的には好きではありません。『グラブル』がこのしくみだけで成立しているのであれば,それほど魅力は感じなかったと思います。『グラブル』では,もちろんお金をかければ強くなれますが,それがすべてではありません。ある程度の時間をかけて努力しなければ強くはなれません。端的にいえば,強くなるための要素は,努力とお金の両方です(近年ヒットしているソーシャルゲームの多くは,このようにデザインされているものが多いと思います)。『グラブル』を長く続けてきた理由として,強くなるための手段として課金以外にプレイコスト(プレイヤーがかける時間や労力など)があることが挙げられると考えています。

 これらのほかにも,高難度のマルチバトルをクリアしたときに達成感が得られることや,同じチームの仲間と共通の目標を目指して協力し合えること身近に同じユーザーがいることなど,『グラブル』の魅力につながったと考えられる要因はたくさんありそうです。以上のように,長期間にわたってプレイし続けてきた理由は多くあり,改めてそれらをすべて記述しようとすると意外にも難しいことに気づかされます。


まとめ

 個人的に感じている『グラブル』の魅力(面白さの要因)をまとめると,以下のようになります。すぐに思いついたのがこれくらいだったので,もっとあるかもしれません。

1. サービスが長く続いていること
2. 自分のライフスタイルにゲーム媒体が適合したこと
3. プレイし続けることで愛着が生じたこと
4. 壮大なストーリーがあること
5. 感情を揺さぶるゲームミュージックがあること
6. 好きになってしまう魅力的なキャラクターがいること
7. 強くなるための手段としてプレイコスト(時間や労力)があること
8. 高難度のマルチバトルをクリアしたときに達成感が得られること
9. 同じチームの仲間と共通の目標を目指して協力し合えること
10. 身近に同じユーザーがいること


 ここまで,『グラブル』の魅力について述べてきました。私は「ゲームの何が面白いのか」といったことや「私たちはゲームの何に動機づけられているのか」といったことを考えるのが習慣になっていて,その問いをよくプレイしている『グラブル』に当てはめて,試しに思いつくことを書いてみたという次第です。文章化してみると,他のゲームの面白さとの共通点や相違点が明確になると思いました。今後『グラブル』について書く機会があれば,『グラブル』固有の用語も使いつつ,具体的なトピックを取り上げるかもしれません(そうなると,たんなる日記のようなものになってしまうかもしれませんが)。

 最後に『グラブル』の開発に関わっているすべての方に,心からの敬意と謝意を表したいと思います。

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