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Netflix「椿の花咲く頃」:心温まる人々の絆と脇を固めるベテランの熱演

こんにちは、カイラです。

日本に限らず世界では、「愛の不時着」「イテウォンクラス」がまだまだホットな話題ですね。見終わって久しい私は、リストに入れて見てなかった韓ドラや海外のシリーズものをあらゆるストリーミング系をつまみ食いしながら制覇していっています。今日は、シンプルに表題作品のレビュー!

主演はラブコメの女王でもあるコンヒョジン(공효진)と、ここ数年で人気の出てきたカンハヌル(강하늘)。前者はRain(비/ピ)との大ヒット作「サンドゥ、学校へ行こう!(상두야 학교가자!)」(2003)年でハマり、後者は「麗<レイ>花萌ゆる8人の皇子たち(달의 연인 - 보보경심 려)」(2016年)の王子役で初めて知りました。

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それにしても御年40歳と思えないコンヒョジンの透明感と少女感…「愛の不時着」のソンイェジン(손예진)も透明感では負けてませんが、本当に韓国の女優のセルフケアと輝きはすごい。感嘆もの。

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肝心の「椿~」のお話ですが、未婚の美しい母・トンベク(韓国語で椿)が、オンサンという地方都市に引っ越してきて、息子と共にスナックのような飲食店を運営する中で、恋に子育てに自分の家族との縁に…と四苦八苦しながら負けずに生きていく、どちらかといえば人々の人生にエールを送るような作品です。ロマンス一色かと思うと、意外とサスペンス的な要素も最後まであったので、プレビューの印象から来る恋愛一色、よりはもう少し総合的テーマな作品です。

今回の作品で、オススメするポイントは以下です。(一部ネタバレ含みます)

1.今の時代に失われつつある(?)地域のつながり、ご近所さんとの家族のような関係性

これは「愛の不時着」でも感じた点ですが、まさに今のような「人との触れ合い」が物理的に制限されているからなのか、はたまたこれまでのある種の「社会的距離」からの反動に本能的に人々が原点回帰しているのか。現在東京に住んでる私からすると考えられないくらい、と~っても濃い人間関係です。人によってはウザイくらいの濃さですし、メイクやファッションもちゃんと濃いです。主人公のトンベクが道を通って挨拶する度に「美人はほんと~」的な嫌味を毎回言われます、この濃いオバサマ達に。。

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いつもは「ふんっ!」というくらいにちょっと意地悪だったり、年功序列の強い韓国らしく先輩目線での指示や命令に近しい態度が多いのに、困った時には本当の家族のように、まるで正義のヒーローや番長のように守ってくれる。

地域名のオンサンとヒーロー映画のアベンジャーズにかけて「オンベンジャーズ」という言葉も出ました。なんと、韓国の銀行・KB国民銀行のCMにも使われたとか!

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普段の生活では、ドラマのような緊急事態は起きないでしょうが、それでもこういった「昔はそうだったよね~」「地方行くと今でもこういうのあるよね~」とつい懐かしんでしまうくらいの人と人との絆、家族のような繋がりが、単純だとわかってはいてもつい心惹かれてしまいます。個人的には、韓国の田舎(プサン方面)に行った時に迎えてくれた親戚の熱いウェルカム感を思い出してほっこりしました^^

2.脇を固めるス―パーベテラン達の光る演技

正直、途中から主演二人より助演の皆さんに心奪われました…すいません(汗)。実は、あの「パラサイト」で最も目を惹いた女優の一人でもあるイジョンウン(이정은)が出ているのですが、途中からこの人が主演なのでは?というくらい演技がもう光る光る。こういう方を見ると、やはり俳優という仕事は男女問わず「存在感」「演技力」なのだと、痛感させられます。

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「パラサイト」でのイジョンウンさん。

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その他、同じく超ベテランのコドゥシム(고두심)や、かわいいピルグ役で天才子役とも言われている(김강훈)の演技も、毎回泣かせてくれます。

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ちなみに…同じく「パラサイト」「愛の不時着」でも注目となったチャンヘジン(장혜진)も実は出ているので、見つけてみてくださいね!それにしてもこの二つの対比、同じ人と思えない程の変わりよう!

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3.主人公以外の人たちのストーリーが手厚い&アツい

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同じく「イテウォンクラス」のヒット理由と共通しているかもしれませんが、主人公二人以外の積み重ねてきたストーリーも、それだけでほぼ一話となるくらいに濃密です。個人的には、ギュテ&ジャヨン夫婦、ヒャンミ、そして何より母のストーリーに心打たれました。

もちろん、これまでの韓ドラでも周囲の人々のストーリーを描いてはきたもものの、主人公以外はいわゆるキーマンとなる数人だけ、あくまで主人公たちのストーリーを補完したり謎を解くためのパズル的な要素が強かったように感じます。

「椿~」でも、彼らの過去のストーリーや思いが大いに「パズルのピース」となり謎を解くのに貢献している部分もあるのですが、それ以上にシンプルに彼・彼女らの人生にもスポットライトを当てることによりフォーカスしているような気がします。(そうすることで、様々なステージで頑張ってる人にエールを送ってるのではないかと)

冒頭に書いたように、「イテウォンクラス」でもこういった描写がより登場人物たちの関係性理解を深めたり、よりドラマに没頭する魅力となったように、見終わってからすっかり「どの人物も好き!憎めない!」と思えるのは、こういった丁寧な描写が効いてますね。

そう思うと、2で述べたようにそうそうたる大女優や文字通り個性あふれる俳優たちで固めたのは、この「椿~」が伝えたいメッセージを完成させるのに、とても重要な要素だったと改めて感じます。

4.総評

とはいえロマンスが中心に置かれている点は否めないので、男性やもっとドラマチックさや反転、スリルを求める人には少し物足りない&長い(20話あり)と感じるかもしれません。「普通」の人々の人生、日常の生活やそこにある幸せに目を向けたい、心晴れるような美しい気持ちになりたい、という人におすすめです!(若い人よりは、子育てとかのテーマもあり30代以上とかの方が好きかも?)

ちなみにその年のKBS演技大賞では、コンヒョジンが男女問わず全体の最優秀演技賞となる大賞、カンハヌルは男性部門全体の最優秀演技賞、ギュテ&ジャヨン役の二人もそれぞれ助演部門の最優秀を受賞。またベストカップル賞にもドンベク&ヨンシク、ギュテ&ジャヨンの両ペアがなんと同じドラマからダブル受賞しています。(ジョンリョル&ピルグの父子ペアも受賞逃したものの、ベストカップルとしてノミネート^^)

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オススメ度 ★★★★☆ 3.8

涙度 ★★★★☆ (よく泣きました…愛の不時着とは違う種類の涙)

ロコ要素 ★★★★☆ (ド直球なのにもどかしいです。好みはあるかも)

サスペンス要素 ★★★★☆ (思ったよりあった、スリラーまではいかない)

コミカル要素 ★★★★★ (コメディと思うくらい総じてコミカルでした)

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Thank you and addios!




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