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遠隔医療が与える問題点

・コロナ禍をきっかけに遠隔医療の必要性が語られています。
・世界では遠隔医療によって、詳しくチェックできないために医療が疎かになっているケースが見られます。
・遠隔医療のメリットもありますが、それと同じくらいデメリットがあるのが実情です。

ニューヨーク市で話を聞いた内科医たちは、遠隔医療の診断の限界をいち早く指摘していた。わたしのニューヨークのかかりつけ医であるマーティン・ベイトラーは言う。「画面越しに腹部の触診をすることはできませんからね」。彼は必要な場合には自宅からヴァーチャル診療を行なうが、遠隔医療にあまり信頼を置いていない。その意見はこうだ。「遠隔医療は下手をするとワンパターンの、『風邪ならとりあえず抗生物質を処方しておけ』といった姿勢を招く恐れがあります。診察がすべて遠隔になったら、そういう診断ばかりが下されることになるでしょう」

日本では最近になってやっと整備が進み始めた遠隔医療ですが、世界中ではそれがむしろ当たり前になっています。しかし、遠隔医療をやるには限界がいずれ生じてくるとニューヨークで働く医師たちは考えていたようです。

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そもそもの話、遠隔医療といってもできることは限られています。触診などは一切できず、見た目の状態だけで判断しなければなりません。当然見た目では限度があるので、いわゆる安全策の医療しかできず、決まりきった診断スタイルでしかチェックできないことになります。縁覚医療に限界がある分、それにすべてを託すのはあまり健全ではないというのが医師たちの考えです。

もちろん、薬の確保など遠隔医療の大切さがもちろんあります。ただ、検査が遅れてしまう、医師と患者の信頼関係が構築されにくいといったデメリットも出てくることでしょう。最近は往診をソフトウェア上で再現できるようにするサービスもスタートしています。アメリカでは医師の予約をとるのに1か月もかかるのだとか。これに加え、アメリカでは保険がないと相当な医療費がとられ、しかもその医療費にいくらかかるのかわかりません。これを解決するのが遠隔医療なので、一応のメリットもありました。

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