コロナにかかって思ったこと

今回の投稿で、私は多くの人を敵に回すかもしれない。
でも、自分が今年の6月にコロナに感染してどんな目に遭ったかを思うと、言わなければならないような気がするので、言う。
自分がコロナに感染した時の備忘録を兼ねて。

今年の6月当時からX(Twitter)をフォローしていた人は知っているかもしれないが、全日本予選翌日にコロナに感染した。
当時からX(Twitter)でも自分がどんな目に遭わされたかを記録していたので、詳しく振り返る前に当時の投稿の一部を紹介しよう。

このように、阿鼻叫喚としか言いようのない投稿をしまくっているが、実際のところはどうだったのかを見てみよう。


コロナ感染1日目(全日本予選翌日)

体がだるい。できれば動きたくない。
それでも洗濯はやらないと生活に支障が出るので何とかやり遂げる。
「何かだるいな?」と思い、熱を測ってみると38度以上あってびっくり。
あと喉が痛い。
痛いにしては扁桃腺が腫れた時の「ご飯が食べられない」ほどの痛みではないが、平時のものとは思えないくらい痛い。

当時は「扁桃腺ならもっと喉が痛いだろうな。まさかコロナ……?」とは思ったものの、本当にコロナに感染したとは思っていなかったからか、おのんきにも「神奈川大学が予選落ちしたショックで熱まで出してしまったのか?」とか考えてた。(常識的に考えるとそんなわけないのだが)
当時思ったことを改めて振り返ると、当時の自分、色んな意味でおのんきにも程がある。

コロナ感染2日目(コロナ陽性判定が出る)

この日起こったことは地獄としか言いようがなかった。

当時を振り返るために、当時書いたものを改めて見ても壮絶な文章が並ぶ。
当時書いたものと、自分の記憶を基に、どんな目に遭わされたかを書いていく。

まず喉が痛い。
何かイガイガするような痛みを更にパワーアップさせたような感じの痛みというか、喉をナイフで突き刺されるような痛みというか、とにかく筆舌に尽くし難い痛み。
振り返っても、ここまでの喉の痛みを経験したのは生まれて初めてとしか言いようがなかった。
熱もやばい。いくら汗をかいても下がらない。
でも、1人暮らしだから誰も病院に連れて行ってくれる家族はいない。
なので、頑張って歩いて病院に行った。

そして、病院で抗原検査を受けた結果、陽性だった。
その時、えきでんらぶは心の底から思った。

①誰だ……「コロナはただの風邪」とか言った奴は……!
②これはコロナになった選手は辛かっただろうな……
③これは去年の箱根予選や関東女子駅伝が無観客開催にもなるわ。
誰が好き好んで選手をこんな酷い目に遭わせたがるか

と。
その後の喉が痛いあまりにどんな奇行をしたのかを思い出すと、尚更ね!

帰宅後。あまりの喉の痛さに、氷を舐めてその場を凌いだ。
扁桃腺が腫れた時でも、ここまでの奇行をしなければならないほどの痛みでのたうち回ったことはない。
当時の「氷を舐めて痛みを凌いだ」という文面を見るだけでも、新型コロナウイルスに感染した時の症状が異常だったことがよくわかる。

ちなみに、幸いにもこんな時でも食欲は落ちなかった。
普段体調を崩した時よりは食べていた。

なお、ワクチンを4回接種していたからか、壮絶な症状が出たのはこの日までで、その後1,2週間くらいは比較的元気に過ごせていた。
しかし、ある意味で本当の地獄はここからだった……!

1,2週間後

新型コロナウイルスに感染してから1週間が経っても、喉の違和感は相変わらず。
でも、どうにかなるだろう……。
こう楽観視していた自分がバカだった。

今度は、咳が止まらなくなった。
咳の症状は日に日に酷くなっていって、「流石に病院に行け!」と言われたので病院へ。
この症状のことを病院で診てもらった時にレントゲン写真を撮ったら、肺の下が真っ白になっていたのだ!
お医者さん曰く、「子供の頃に喘息があったから、咳のスイッチが入ってこうなったのかも」とのことだったけど、このレントゲン写真を見たえきでんらぶは衝撃を受けた。

そのレントゲン写真を見た時、
「ワクチンを打っていてよかった。ワクチンを打ってなかったら、今頃本当に死んでたかもしれない」と思うと同時に、
「後遺症の症状を診てもらったら肺の下が真っ白になってるとか、何のホラーだよ!」
「もう自分はコロナに感染する前の考え方には戻れないんだな」と思った。

何だかんだで薬をもらい、薬で咳の症状を何とか抑えたら、今度は胸痛の症状が出た。
咳の症状を抑えようとしたら胸痛の症状が出てくるなんて、イタチごっこじゃねえか!と思いつつも、胸痛の症状についても診てもらい、薬を出してもらった。

そして、胸痛だけを治そうとしたら、今度は咳と胸痛の症状のハイブリッド。
また病院に駆け込んで、循環器の方も診てもらった。幸い、肺と違って心臓の方はやられてなかったようなので、一安心。
そして、どちらの症状を治すための薬をもらう。

何だかんだで、完治まで1ヵ月くらいかかったのだが、長引く後遺症の症状に、「いつになったら治るんねん……」とメンタルをやられた。

「コロナの症状そのものよりも、コロナ後遺症でくたばりそう」
「ある意味、コロナにかかった時よりしんどいのでは?」と思った。

コロナにかかって思ったこと

コロナ・コロナ後遺症を診てもらった時の金額、その時にかかった薬代と、コロナ感染による被害総額は決して安いものではないけど、それでも「高い勉強代を払わされた」と被害者意識全開な風に思わない程度にはいい勉強代になった、と思う。
(二度と同じような目に遭いたくないが)
なぜなら、コロナにかかったことで、いい教訓を得られたからね……。

①ワクチンの効果をバカにしてはいけない。

これに尽きる。

あの肺の下が真っ白になっていたレントゲン写真を診た時、ワクチンの4回接種、5回接種している人に比べたら不十分だったとはいえ、ワクチンを打っていたからこそ、あの症状で済まされたものだったし、「ワクチンを打っていなければ、お陀仏になっていたかもしれない」という現実を、えきでんらぶみたいなバカでもわかるように突き付けられた。

自分がコロナに感染してしまったことで、「ワクチンって、バカにならないくらい効果あるんだなぁ」と思い知ったよ。
(だからこそ、出雲駅伝前日に5回目のワクチンを強行接種してきたわけだが)

(それでも、コロナにかかった時は『二度と同じような目に遭いたくない』と思うくらいの地獄を見たがな!)

今度、同じようなパンデミックが起きた時は、感染症対策に力を入れつつ、ワクチンが開発された暁には、さっさとワクチンを接種して抗体を作ろう、と思った。

②コロナ禍元年の時に、どうして大会が次々と中止になったのか。
そして、去年の箱根予選・関東女子駅伝の有観客開催を嫌がった人たちの気持ちがよ~くわかった!

この3年間で、大人たちはSNSで
「リスクを冒してでも子供たちのために大会を開催しろ!」
「コロナをできない理由にするな!どうやって開催できるかを考えろ!」
といとも簡単に口にしてきたが、
このコロナ禍で大会をやるうえで、選手や大会運営をする人たちが冒さなければならないリスクとしては、あまりにも重すぎるものだったということを心の底から思い知った。

たとえ軽症で済んだとしても、こんな目に遭う羽目になるんだったら、そら観客入れて開催するのを嫌がる人がいるのも頷けるし、ましてワクチンの開発もなく、感染対策をしながら大会をやるためのノウハウもなく、本当の意味でコロナが「得体の知れない恐ろしいナニカ」でしかなかった2020年に、色々な大会が次々となくなっていったのも納得としか言いようがなかった。

確かに、大会がなくなって、競技人生の最後に、自分のすべてを出し切る権利すら奪われてしまった人たちはかわいそうだ。
私だって、当時の中学3年生・高校3年生は、コロナ禍の中で一番被害を受けた世代だと思うし、気の毒でかける言葉が見つからないと思っている。
彼ら彼女らは、どこに怒りの矛先を向ければいいのか分からない怒り、コロナを恨んでも恨み切れない思いを抱いているだろう、ということくらいは、私みたいなバカでも察せられる。

でも、「かわいそう」と言うだけなら、「リスクを冒してでも子供たちのために大会を開催しろ!」と言うだけなら、子供でもできるわけで。
今でこそ感染対策のためのノウハウが確立されたけど、当時はワクチンの開発もなく、感染対策をしながら大会をやるためのノウハウもなく、本当の意味でコロナが「得体の知れない恐ろしいナニカ」でしかなかった以上、こうするしかなかった……わけで。
自分がコロナに感染してしまったからこそ、「誰が好き好んで選手にこんな酷い目に遭わせようとしたがるのか」とも思うわけで……。

そう思うと、当時インターハイや甲子園といった大会を中止する判断を下した大会運営の関係者、去年の関東女子駅伝・箱根予選を無観客開催にした関東学連(+有観客開催にゴーサインを出さなかった人達の存在)の判断を責めることなんてできないし、
こんな状況下で何とか地元の自治体の理解と協力を得て、何とか大会を開催することができた、何とか選手たちが自分のすべてを出し切る権利を奪われずに済んだ日本長距離界は、どんなに恵まれていた方だったのか、と思わざるを得ないし、
あの時、大会をやるために尽力してくれた学生たちや、大人たちに足を向けて眠れるわけがないと思うのだ。
(何ともまとまらない長文でごめん)

コロナにかかって、未来について考えたこと

今後、同じようなパンデミックが起きた時、コロナ禍で積み重ねたノウハウが教訓として生き、何とか大会を開催することができるなら、それに越したことはないと思う。
でも、自分がコロナに感染して、地獄を見るような体験をしてしまった以上、再び大会が開催できなくなってしまう……ということがあっても、大会運営の関係者を責める気には到底なれない。

翻って、長距離界の方はどうかというと、このコロナ禍の中で、たとえ駅伝やマラソンといったロードレースを無観客開催にしても、沿道に集ってくる奴は集ってくるという現実があった。
今後、同じようなパンデミックが起きた時、コロナ禍当時のことを知る地元の人達が、大会をやるのを嫌がり、その結果大会中止という判断を下さざるを得なくなってしまうのではないか、そして、大会運営の関係者が(たとえ関東学連のように学生主体で運営しているところでも)、激しいバッシングに晒される……ということになりはしないか、と懸念しているのだ。
自治体の人達の理解と協力なしで、ロードレースはできないようなルールになっているのに……。

少なくとも私は、もしそうなったとしても、自分は大会運営の関係者も、自治体の人達も、責める気にはなれない。
自分がコロナに感染してどんな目に遭ったか、その時にどう思ったのかを振り返ると、そんなことをする気持ちが起きなくなるのだ。
コロナに感染してどんな目に遭ったのか、その時にどう思ったのか、その時の気持ちを忘れず、コロナ感染で得た教訓を肝に銘じるためにこそ、このnoteを書いたのだから……。
この時の気持ちを忘れないで生きていきたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?