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いーはとーぼに憧れて

インスタで流れてきた“&プレミアム”の新刊『喫茶店、100のこと。』をやっと購入した。モトーラかわいい。


あまりに有名すぎるお店だけど、昔行った下北の「いーはとーぼ」が載っていて嬉しかった。

あの頃は西新宿で暮らしていて、夫はフリーランスで日々忙しくしていたので、相変わらず土日はひとり時間を満喫していた頃だったと思う。

その日はひとりで下北をぶらぶらしていて、ジャズ喫茶に行ってみよ〜!みたいなノリで古いビルの2Fにあるそのお店に入った。

私:「ひとりなんですけど〜」

マスター:「見ればわかります」

私:「・・・・・」

そうですよね。大変失礼いたしました。いつものファミレスのノリでお店に入ってしまった自分を少し恥じた。ちょうど1席だけ空いていて、AとかBとかのケーキセットか何かを頼んだと思う。

若いおしゃれなカップルとか、タバコをふかす常連っぽいおじさんだとか、お店の空気に馴染んだお客さんの中で、何となく浮いてしまっている気はしたけど、席の近くのフリーマガジンみたいなのを読んだりして、雰囲気を楽しんだ。

おばあちゃんになったら喫茶店をやりたい。

20代の頃からそう漠然と思ってきた。

無知な田舎者で、不器用で、東京でひとりで生きていくのは大変だったけど、何とか仕事を転々としながら食い繋ぎ、結婚し、今は会社員として落ち着いている。娘も生まれた。傍目にはどうやら幸せそうに見えるらしい。実際夫と娘との日々は楽しい。

でも正直自分の核となる部分は何も満たされていない。

20代半ば、イラストレーターを目指していたけど描き続けることができなくて、生活が苦しいことに耐えられなくて諦めたこと、編集プロダクションで編集者として大成できず、WEB業界に飛び込んだこと。

そこは想像とは全く違う世界で、お給料は上がったけど全くクリエイティブではなく、毎日の8割が苦手なことで占められていること。

自分の人生が、“仕事”という意味では望んでいる状態とは全く逆の方向に行っていて、ただそれは思った以上に稼げる状態だから、生活は安定し、結果精神も安定している。でも本当は違うやり方で成功したい。今でもそう思っている。

おばあちゃんになったら喫茶店をやりたい。

その夢を実現するための準備をする時にいるのじゃないの、今。おそらく今の仕事は、あと10年はやめられないだろう。だとすれば、少しずつ、それ以外の時間を使って、次のステップのための準備をしよう。

『喫茶店、100のこと。』をパラパラと読み進めながら、そう思った。

今日はこれから、うちに迎えることになるかもしれない猫に会いに行きます。


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