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【番外編】メンクイ

日本人は米を食う民族である。

と、みんな思っているだろうし、自分もそう思っていた。
日本人は米にこだわる。だからこそ、わざわざコシヒカリのような美味しいお米を開発してみたりする。中華料理屋に行っても、チャーハンにこだわるのは日本人くらいだろう。
自分にしても、一日に一度は米の飯を食べないと食事をした気にならないほどだ。
日本人は米を食う民族なのである。
……と思っていたのだけど、フィリピンに暮らし始めて思ったのは、日本人は、実は大変な麺食い民族だったとういことだ。
フィリピンの生活で何がつらいと言って、美味しい麺が全く存在しないことだ。あるのはビーフンとパンチットという麺だけで、パンチットはそれなりに美味しいけれど、焼きそばタイプで、スープ麺にはならない。スープ麺としてはLamiというものがあるけど、麺は本当にちょっとだけで、しかも麺自体がコシのないくたびれた感じで美味しくない。美味しいスープ面というものがとにかくここには存在しないのだ。
考えてみると、日本人は日常的に本当によく麺を食べている。
一週間に何回ラーメン屋に行くだろうか?結構行っているはずだ。小腹が減ったら立ち食いそばを食べていないだろうか?昼食にうどんを選んでいないだろうか?家でスパゲッティを食べていないだろうか?夏はそばやソーメンでさらっとやっていないだろうか?
全く麺を食べないで、一週間過ごせるだろうか?
いや、麺抜きで何日過ごせるだろうか?
考えてみると、実は日本人の食生活に麺はなくてはならないもので、麺抜きの食生活などとても考えられないものではないだろうか?
そうなのだ、日本人は、実は麺を食う民族だったのである。
日本人の主食は「米!」と言っておきながら、麺抜きの生活など実は考えられないものなのだ。
そんなわけで、麺が食べたくなったら仕方がないので袋に入ったインスタントラーメンを買って食べている。ちなみに袋インスタントラーメンなんて日本だと安い食べ物だけど、こちらでは決して安いものではない。カレンテリア(町の食堂)のほぼ一食分の値段である。

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