CEが教えるNPPV 苦手を克服しよう!
はじめに
このnoteは一般病棟やユニットで働きはじめた看護師さんなど、初学者を対象としています。なるべくガイドライン等に沿った内容を心がけていますが、一部理解しやすいような表現を用いている場合がございますので、ご了承ください。
みなさまの苦手意識が少しでも薄れますように。
また、本記事はNPPV専用機で行う急性期NPPVに関する説明となっています。実機の画面は執筆当時のものであり、機器のバージョンアップなどにより仕様が変わることもある点をご了承お願いいたします。noteの仕様により上付き文字、下付き文字は正しく表記することができません。
概要と適応
NPPVとは?
挿管や気管切開を必要とせず陽圧換気を行う換気療法
マスクやヘルメットを介して陽圧を伝えることにより、呼吸機能を補助・代行する
人工呼吸を必要とする病態で、禁忌に該当しなければ適応と考える
NPPVの相対禁忌と絶対禁忌
NPPVの疾患別推奨度
NPPVの構成
装置本体
フィリップス V60
急性期NPPVといえば、この機種
先代はBiPAP Vision (NPPVのことをバイパップと呼ぶ人たちがいます)
日本光電 NKV-330
国内企業がつくったNPPV機
NPPVに加え、ハイフローセラピーも可能
専用のマスクと組み合わせることで、NPPV中にCO2測定が可能
加温加湿器
挿管人工呼吸管理と違い上気道はバイパスされませんが、大流量のガスが送気されるため加温加湿は重要です。
使われる加温加湿器はNPPV専用のMR810、挿管・マスクモードを有するMR850などが主流です。
回路
挿管用人工呼吸器とちがい、呼気側の回路はありません。
呼気はどこから抜けるか…わかりますか??
マスク
NPPV最大のキモです。
マスクフィッティングを制するものはNPPVを制します。
NPPVのマスク
呼気ポート
呼気側回路のないNPPVでは、患者さんが吐いた息(呼気)は呼気ポートとよばれる部分から出ていきます。
注意しなければいけないのは、マスクによって呼気ポートがあるものとないものがある点です。マスクに呼気ポートがない場合、必ず回路に呼気ポートをつけなければいけません。万が一呼気ポートが無いマスクを使用している際に回路にも呼気ポートがなければ、患者さんはマスクと顔のわずかな隙間(リーク)からしか息を吐けないこととなります。逆に呼気ポートが付いているマスクを使用中に回路に呼気ポートを追加した場合、不必要にリークが増えることとなります。
大気開放弁とは
呼気ポートとよく間違われるのが大気開放弁で、これは呼気ポートとは全く役割が違います。
大気開放弁は「万が一機械が停止した際に、患者が大気を吸うことができるようにする安全機構」です
マスクフィッティング
ポイントは下記のとおりです。
患者さんの顔のまわりに手をかざしながら、リークの多い部位がないか確認しましょう。
NPPVのモード概要
代表的な2つのモード
Ⅰ型呼吸不全は酸素化が保てなくなったもの
Ⅱ型呼吸不全は酸素化の悪化に加えて、二酸化炭素をうまく呼出できなくなった状態です
2大モードの特徴
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