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GDP(国内総生産)は2種類存在する?名目経済成長率と実質経済成長率について

GDP(国内総生産)という言葉を1度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
日本は世界最低の経済成長率と呼ばれ、先進国と比べてもGDP増加率は低く、賃金も低いと言われています。
そもそもGDPとは何か?また実質経済成長率と名目経済成長率の違いは?

聞いたことはあるけれどわからないという方に向けてわかりやすく解説している記事となっています。

GDP(国内総生産)とは?

GDPとは「Gross Domestic Product」の略語であり、日本では「国内総生産」と呼ばれています。

意味としては一定期間内に国内に生み出された付加価値の合計を示すものです。
例えば、パン屋さんは小麦粉を仕入れそれをもとにパンを製造しているが、この最終的に出来上がった生産物(パンの値段)を全て金額で合計し中間投入額(原材料・光熱費等)を除いたものがGDPとなります。

ニュースやネットで「GDPが回復しない」というのはGDPの伸び率は「経済成長率」と言われ「経済成長率が回復しない」と捉えることができます。

基本的にはGDPが拡大すれば経済成長率はプラスとなり、縮小すればマイナスとなります。

ここでわからない方もいると思うので「経済成長率」について解説していきます。


経済成長率とは

経済成長率とは「国などの経済規模が一定期間に変化した度合い」で、名目GDPを用いた名目経済成長率と物価変動の影響を除いた実質経済成長率があります。

また単に経済成長率と表記されている場合は「実質経済成長率」を表す場合が多いです。

そして経済成長率は計算することができ、例えば2022年に経済成長率を表す場合は以下のような計算式になります。

経済成長率=(今年のGDP–昨年のGDP)➗昨年のGDP✖️100

そしてこの記事の本題である「名目経済成長率」と「実質経済成長率」について解説していきます。


名目経済成長率と実質経済成長率とは?

ここまでGDPについて解説し、GDP=経済成長率と思って頂ければ大丈夫です。

名目経済成長率は「名目GDP」、実質経済成長率は「実質GDP」と表記されていることが多いです。

GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の2つがあります。

名目GDPとは、GDPをその時の市場価格で評価したものである。
先ほど、パン屋は小麦粉を仕入れてパンを作るといった例を出しましたが、単純にパンの価格などを全て合計したものと思って頂ければいいと思います。
物価の変動を反映した数値はこの「名目GDP」が該当します。
一方、実質GDPとは名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものです。
簡単な事例としてパン屋の売上で考えてみます。

【例】
1年目に1個500円のパンを1万個販売したとします。
この場合1年目の売上は500万円となります。

そして2年目にはパンの価格が上昇し、550円で販売したとします。
値上げをしたにも関わらず、売れ行きがよく1年間で1万5000個売り上げたとします。
この場合、2年目の売上は825万円となります。

先程記述したパン屋の売上を例にGDPを考えてみます。

まず1年目を基準にすると、1年目の「名目GDP」「実質GDP」はどちらも500万円となります。
そして2年目の名目GDPは825万円となるが、実質GDPは物価変動分を取り除いて計算するため、
500円✖️1万5000個となります。
(500円は物価上昇分50円を除いた額です)

つまり実質GDPは750万となります。
「実質GDP」と「名目GDP」はこのように出されます。


名目GDPと実質GDPを詳しく解説

この2つのGDPについてもう少し深く解説していきます。

名目GDPは物価変動の影響を受けることから、物価変動の影響を取り除いた状況を確認したい場合には実質GDPを用いることになります。

例えば、経済成長率を確認したいときに消費がどのくらい増えているかを確認するため、実質GDPで評価することになります。
つまり名目は「金額ベースでの評価」、実質は「数量ベースでの評価」となります。

先ほどのパン屋の事例でわかるように売り上げ数量が増えれば「実質GDP」も増加することになります。


GDPデフレーター

GDPデフレーターとは、経済が実際にどのくらい成長したのかを判断するために、「名目GDP」を「実質GDP」に評価しなおすモノになります。

数式で表すと、、

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