平田良介退団

 低迷してからの中日を支えてきた平田が来季は違うユニフォームでプレーするようだ。引退勧告を固辞し退団となったが、今回は平田の思い出とこの退団劇から見える中日の今後についてを書いていく。

打のユーティリティ

 俗に言う「どこでも守れる」選手を守りのユーティリティと位置づけるなら、平田は打のユーティリティ・プレイヤーに値するだろう。1番打者でチャンスメークをすることもあれば、4番に座ってポイントゲッターとなることもあった。2試合連続のサヨナラ本塁打という離れ業をやってのけた選手だけあって、非常にチャンスに強く、通年で10本程しか本塁打を打たなかったものの記憶に残る一発が多い華のある選手だった。

 ただ、故障に泣いた直近の3年間は平田本来の打撃ではなかったことは誰の目から見ても確かであった。環境の変化でバットの木材が変わってしまったことがよく不調の原因と言われていたが、本調子の平田であれば振らないような明らかなボール球を振ったり、思い切りのいい本来の打撃とは対照的な当てただけの力ない凡打も目立つようになり、今季は右翼に岡林勇希が台頭したことでスタメンでの出番がほとんどなかった。ただ、30代中盤と選手寿命が延びている今では老け込むような年齢ではなく、むしろ働き盛りなのではないか。来季、他球団でカムバック賞を目指して欲しい。

理想の移籍先は?

 これは各球団の編成が決めることだが、個人的に指名打者のあるパ・リーグへと移籍して欲しいと思っている。理由は守備。もちろん、ゴールデングラブ賞を獲得しているだけあって右翼守備はセ・リーグでも三本の指に入るだろうが、前述の度重なる故障のほとんどがダイビングキャッチをして膝や足首を、本塁送球で肩を痛めたことが原因だからである。なので、故障をせずに通年で打撃に集中した平田の成績が見たいのだ。貧打に喘ぐロッテや、日ハムなら出場機会があるのではないか。十分に、令和の山崎武司となる可能性を秘めているのでどこかに獲得して欲しいという気持ちだ。

最後に

 第1次戦力外の発表は明日以降。今季も寂しく、悲しい季節が来た。

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