独断と偏見で選ぶ中日ドラフト候補

 noteというアプリは実に自由である。世間では長袖をタンスの奥底へしまい、半袖に着替えて冷房のフィルターを掃除する季節に空気を読まずストーブリーグの話ができるのは、新聞社のように四季や社会情勢に捕われることのない趣味の特権と言えるだろう。今回はドラフト候補について。中日はドラフト1位で誰を獲得するか、個人的に「これはいい」と思った選手を数人挙げていく。

「根尾世代の投手」を獲得すべし

 早速だが、時を4年前に戻そう。2018年ドラフトでは、根尾昂と石橋康太という現在開花が期待されている2人の高卒内野手、捕手を獲得しているが、高卒の投手は垣越憲伸の1人だけで、外野に至っては根尾が挑戦しているが本職の選手は居ない。さらに、ここ数年は伊藤大海や佐藤輝明のように、大卒新人からチームの柱となる選手が続出しており、その流れに中日も乗りたいところであるので大卒選手の上位指名は編成的にも流行的にも必須となるだろう。

ドラフト1位候補は3人

 僕が選んだドラフト1位候補は全て大学、社会人出身の投手である。今季、勤続疲労からか安定感に欠く投手が続出しており、投手王国が音を立てて崩れてしまう可能性もある。そこで、即戦力の投手を入札したいという算段である。

 1人目は日体大の矢沢宏太。二刀流ということで話題だが、この選手はやはり投手だろう。球威のある直球には魅力があり、横滑りのスライダーは阪神の岩貞裕太のような大きな弧を描くカーブとの中間球である。この投手、先発投手ももちろんできるが僕は中継ぎの投手として使うと輝くタイプであると思っている。福敬登は不本意な投球が続き、近藤廉が故障している今、やはり補強ポイントは1年目から計算できる左腕投手だろう。

 2人目は地元・中京大の漢人友也だ。故障やコロナ禍により、3年までは僅か1勝とドラフト候補としては厳しいものがあったが、今リーグ戦から素晴らしい投球を見せている。近年のトレンドである、「球の速い技巧派」である。数字以上に速く見える最速150キロの直球とフォーク、カーブのコンビネーションはお見事そのものである。秋の成長次第だが、この投手なら一本釣りでの獲得が可能なのではないか。故障への懸念はあるものの、中日は大野雄大、福谷浩司、梅津晃大ら所謂「故障持ち」を多く獲得してきたこともあり、この選手を上位の順位でとる可能性は高いと思っている。

 3人目は大阪ガスの河野佳。広陵高校時代から速球に定評があり、社会人に進み制球が格段に良くなった印象である。個人的に、この3人の中で1番指名して欲しい選手はこの河野だ。理由はこの投手のスタイルにある。

 河野の投球は与四死球も奪三振も極めて少ない俗に言う「打たせて捕る」タイプの投手である。そのため、本塁打の出にくいナゴヤドームで実力をいかんなく発揮できるのではないかと思っている。

2位以降で指名して欲しい選手

 こちらは、「残っていたら」が大前提だが、2位以降で取る事が出来そうな選手をピックアップしていく。

 まず、離島のエースとして甲子園でも大変に注目を浴びた大島高の大野稼頭央だ。細腕から放たれる直球は綺麗なスピンで初速と終速の差が全く感じられない素晴らしい質であり、腕の振りを変えずに100キロ台のスローカーブで打者を翻弄させる今中慎二が現代に蘇ったような投手である。チームの左腕不足もあり、この投手を指名すると話題にもなるので一石二鳥だろう。

 2人目は愛工大名電高の有馬伽久。ここ数年、地元選手の指名が続いており、尚且つ濱田達郎以来10年間指名のない愛工大名電高からとって欲しいという個人的な願望も相俟ってという理由である。この選手は投手としても外野手としても素晴らしい素材であり、非常に野球センスの高さを感じられる。個人的には投手として指名して欲しいと思っている。ヤクルトの田口麗斗のような、総合力の高さでノラリクラリと抑える技巧派になる予感がするのだ。

 3人目は中部大の茶谷琉斗である。愛知大学野球リーグには前述の漢人とこの茶屋の他に、中京大の澤井廉、名城の野口泰司という2人のスター選手がいるが、中日は昨年外野手を3人指名し、捕手にも味谷大誠と石橋康太という2人の若手がいる為にこの2人の指名は見送るであろうと予想している。

 話を戻すと、茶谷の魅力はなんと言っても右打者の内角にずばりと投げ込む直球だろう。非常に重心が低く、スライダーやカーブを持ち球とする昔ながらのサウスポーと言った感じだろうか。タイプ的には阪神で救援の柱をになっている岩崎優と言った感じか。この選手をとる事が出来なくても、愛知大学野球リーグは今季、同じく中部大の日渡柊太、名城大の眞田拓、東学大の横田龍也とプロ注目白押しの投手大豊作年であるので、補強ポイントが被り尚且つ地元の中日は複数人を指名して欲しいというところである。

最後に

 今回は大学生を多数紹介したが、高校生は甲子園大会が終わってから考えようと思っている。みなさんもお分かりのとおり、中日の補強ポイントは即戦力の投手だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?