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Splatoon3のヤグラコーチング記録

ヤグラの勝ち方が分からんと言ってたフォロワーにコーチングをしたので、その記録を残しておきます。

筆者のウデマエ:ヤグラ最高X2680、他は2100~2400ぐらい。


クライアントの情報

みんぬさん(https://twitter.com/nnnnnnnnnnnnu__)

  • ウデマエ:X2100前後とのこと

  • ブキ:今回はもみじシューター

  • ルール:今回はヤグラのみ

クライアントの悩みと要望

8月12日にちょっとした身内のヤグラの大会があり、固定メンバーで出場予定。だがヤグラの勝ち方が全然分からない。チームの足を引っ張りたくないので、もっとヤグラが上手くなりたい。

コーチングの方針を決めるための判断材料と見立て

相談を受けたのは8月3日の夜。大会まで1週間ちょっとしかない。
→エイム練習など長期的な練習を要する内容は今コーチングすべきでない。
→方法論を知るだけで改善されうるマクロな立ち回りのレクチャーに特化すべき。
→ヤグラの大会なのでヤグラだけに特化すべき。というかXP2100だったらヤグラ以外は俺も大差無いので教えられることなんて多分無い…
→じっくりやっているうちに本人が自然に気づきを得る…みたいな時間はあまり無いので、多少知識の詰め込みっぽくなってしまうかもしれないことを自分の心に留めておく。

大会は全ステージランダムらしい。
→ステージごとの攻略も時間的に厳しい。ステージ理解に関しては、どのステージにも言える抽象度の高い内容の方がよさそう。

他のメンバーはもっとXPが高いらしい(25とかそれぐらいと言ってた。詳しくは聞かなくていいと思ったので聞いてない)
→自分が一番弱いと引け目を感じている?なおさら勝たせてあげたい。あとコーチングは優しく寄り添う。

コーチング対象はみんぬさんだが、目的は大会・対抗戦環境にて固定チームで勝つこと。みんぬさん一人をコーチングするのは、目的達成を突き詰めた場合には実は少しズレている。
→みんぬさんの要望と人間関係の問題可能性などをよりクリアにしておく必要がある。慎重にヒアリング。

初日、早速対抗戦があるから可能なら観戦枠で見てほしいと言われたが、コーチングはみんぬさんの個人的な申し出でチーム単位のことではないとそのときの俺は認識してたので「ぽっと出の知らん奴がいきなり観戦枠来るのは色々問題では?」と伝えた。
案の定、「メンバーに相談したら観戦はNGだった」と返答が来た。
→悲観的に予想すれば俺の存在はチームメンバーに歓迎されていない。
→チームとしての戦略には一切口出しせず、みんぬさん個人の技術や戦術眼を鍛える方向性が妥当だろうと判断した。

ガチエンジョイ議論じゃないけど、俺目線では各々のスプラに対するスタンスとか大会への意気込みの強さとか何一つ分からない状態で、
なんかほら、もし和気あいあいと仲良しメンバーで「大会勝ちたいね~みんなでがんばろね~」みたいなノリのところにいきなりガチガチの胡散臭いコンサルめいた人来たら絶対嫌やん。「俺がコーチングして勝たせてあげますよ」って。えっ怖……ってなるやん。まだ関係性がなんもできてないもん。
それでチーム内に亀裂とか入ったら最悪だし、とにかく最初はそういうのを最大限警戒してた。

とりあえず直近の対抗戦の負け試合をメモリーで見せてもらった。チームは結成間もないらしく、まだチーム内戦略とか役割とかも固まってないとのこと。対面強いメンバーもいるが、乗り意識が各自でバラけているため前線が上がってもヤグラが進まなかったり横から盗まれたりするシーンが目立った。もっと勝てるはず。
→チーム戦略が固まっていないのであれば、みんぬさんのコーチングの方向性に縛りはないなと思った。たすかる。
→編成、各々の持ちブキの傾向などからしても、みんぬさんはゾンビギアで塗りサポとヤグラ乗りに徹するのが適役なのではないかと思った。

コーチングの進め方

みんぬさんに配信・録画環境が無いため基本はメモリーで試合を共有し、DM等で講評する(メモリーはみんぬさんが日々見てほしい試合を送ってくれた)
時間が合えばオープンヤグラで直接レクチャー。
やりとりは主にDM。オープンなど口で話した方がいい場面ではDiscordで通話。

コーチング内容

その日ごとに小目標を一つずつ掲げるようにしました。いっぺんにあれもこれも言ってもいっぺんにはできないし、スモールステップで一つずつ取り組む方がいいでしょう。

①ヤグラに乗りましょう

とにかくそこに尽きるのでまずそこから。もっと積極的にゴリゴリ乗りまくった方がいいということを伝えました。
特にチームとしては、前線が上がっているのにヤグラ周りに人がいなくて進んでないとか、
押し込まれたヤグラが中央に戻りそうぐらいの位置でみんぬさん含む3人が前 / ヤグラ乗り1人みたいな状況で横からヤグラ奇襲されて強奪されてあっさりカウンター、みたいな負け筋が目立っていたので、
みんぬさんはもうちょっと下がってヤグラに乗るかヤグラ防衛するかに集中した方がいいんじゃないかと伝えました。

②ヤグラに乗りまくりましょう

オープンヤグラをしたときに、ステジャンゾンビでひたすらヤグラに乗りまくる戦法をやってもらいました。
乗りまくることで以下の点に気付いてほしかった(気づいてくれた)

  • 意外と乗れるタイミングがたくさんあること

  • 乗れば意外とカウントがモリモリ進むこと

  • ヤグラ関与意識の低い人は結構いて、もしヤグラと関係無い場所に敵がいる場合は無視して乗ればいいということ

  • 死は怖くないということ…

結果、めちゃくちゃ勝てたし、結局1時間もやってないんですが金トロフィーも取れてたから、乗り意識だけでこれだけ勝てるという体験として良かったんじゃないかと思います。

③ヤグラの位置を常に把握しましょう

最初の対抗戦メモリーを見たときに感じたことで、ヤグラが今どこにいるかをあまり把握できていませんでした。ヤグラの現在地によって抑えたい場所も変わりますし、ヤグラ上の味方がやられて途中で止まってないかなどの把握も重要です。
ただ、ヤグラより遥かに前に出ているときにヤグラの位置をカウント等だけで脳内把握するのは難しく、少なくとも大会までの少ない日付で訓練することではないと思いました。
立ち位置を、ヤグラを目視できる後方やヤグラ付近にするか、自身がヤグラに乗っていれば当然ヤグラの位置は把握できます。その方がヤグラを見逃さないよねと伝えました。

少し回りくどいですがこういう言い方をすることで、結果的に「ヤグラがどこにあるか分かってない(むやみに前に凸っている)」という状況になることを防げるのではないか、という狙いでした。

実際、この目標を持って取り組んだ対抗戦ではかなり立ち回りが改善されていて、負け試合であっても本当にあと少しの対面力の差とかで勝敗が決まっていて、少なくともヤグラ関与意識の低さが原因で負けるようなことは無くなっていました!いきなり急成長!

④相手の立ち回りの癖を掴みましょう(そして悪手に付き合わない)

これは結果的には要らなかったかもしれない…。

ルール理解度や勝ち方の想定プランは人によってバラバラなので、ヤグラ無視してキルにばっかり走る人がいたり、宗教上の理由でもあるのかと思うぐらい何がなんでもヤグラに乗らない人がいたり、一方で俺みたいにヤグラの上でポールダンスすることに命かけてるような人も稀にいます。
そういう癖は試合中にわりとすぐ分かります(ギア構成もヒントになりますよね)
特にヤグラにおいて悪手寄りな癖のある敵がいればつけ込むチャンスで、敵には悪いけど無視してヤグラに乗ってるだけで悠々と勝ててしまうこともあります。

チームとして乗り役に徹するなら、乗りながら俯瞰的に試合状況を見て通話で指示出しまでできるようになればベストだなと思い、提案したのですが…

固定チームで通話ありの対抗戦・大会環境では、悪手寄りな立ち回りなんて野良に比べてほぼ無いんですよね…考えてみれば当たり前だった…大会のレベルがある程度高ければ、そんな低次元の戦いは起こらないでしょう。
ということでこれはちょっとコーチング内容には適してなかったなと反省しています。

(XPを2500ぐらいまで上げるために勝率を安定して上げていくのが目的なら、大事なことだと思っています)

⑤信じてヤグラに乗りましょう

対抗戦にてゴリゴリ前衛多めの編成に試合も心も破壊されたと連絡を受け、メモリーを観ました。
とはいえ見た限りではどれも惜しい試合ばかりだったのですが、気掛かりなのは試合のある瞬間からみんぬさんが急に乗らなくなったり味方も積極的に前に出なくなったりしたシーンが複数見受けられたことでした。

恐らく試合中に通話で誰かが「このままやみくもに攻めても仕方ないから一旦落ち着こう」的な方針を立てたのかなと想像しましたが、そういう切り替えをした途端にボコられて一気にKO負けまで行ってしまった試合もあったため、結果論ですが多分良くなかったんだと思います。
引き気味では相手のペースにまんまと乗せられるので、上振れるまで攻め続けるべきだったのでしょう。

ゾンビ乗り役の乗り意識の低下は良くないので、信じて乗れ、乗って踊れ、祈れと精神論でハッパをかけました。

あと、勝ち試合をべらぼうに褒めちぎりました。実際何もかも完璧だった。大丈夫、勝てるから、げんきだして。

⑥ヤグラの置き場所を意識しましょう

次の対抗戦で信じて乗りまくったらめっちゃ勝てたらしいです。よかった!
それとは別にアドバイスしていた、味方との歩調合わせ(味方ヴァーローのマルミサに合わせるとか)なども功を奏したみたいです。

あと俺のXマッチのメモリーを共有したりもして、ヤグラの位置と乗り状況が戦況を左右することにも自然と気づけたようです。
単にカウントを稼ぐためにヤグラに乗るのではなく、乗ることによって敵味方全員の立ち回りが何かしら変化すること、ヤグラが進めば自然と前線も上がること、ヤグラの位置によっては(中央にある場合と比較して)敵の立ち回りが大きく制限されることなどを、理屈と実感の両面で分かってきたようでした。

チームとしても、基本的にみんぬさんがヤグラを常に前の方に置いておけば味方が前線を上げやすくなって勝てるというパターンを掴んだようです。

⑦ヤグラに乗って前線を上げましょう

みんぬさん欠席の代理メンバーで行なった対抗戦にて鬼強クーゲルにボコられたという報告を受けました。
ステージや編成相性、実力差などからどうにもならない部分もあったのかもしれませんが、みんぬさんが不在だからかヤグラが普段より積極的に進んでおらず、前線のキルムーブとヤグラの押し込み&ヘイト稼ぎがかみ合っていない場面がありました。

上位勢のヤグラの大会などを見ても、悠長に人数有利を作ってから後衛がヤグラに乗って…みたいなシーンは少なく、もっと目まぐるしくヤグラが動いています。前衛が前線を上げることと誰かがヤグラを進めることが渾然一体となっていて、分かちがたいような印象です。
後衛無し編成で後衛あり編成に勝っている試合も、前線のキルとヘイト稼ぎの勢いにヤグラ進行の速さが合わさって、相手にまともな試合をさせないままいつの間にか押し切ってる、みたいな展開が見受けられます。

鬼強クーゲルに勝てないという相談の直接の解答になっているかは分かりませんが…やはりスピーディーにヤグラに乗りながら前線も上げていく、つまりいつもの勝ちパターンを押し付けていくしかないんじゃないかと伝えました。

番外:ヤグラ付近の攻防の精度を上げましょう

これは小目標ではなく継続的な取り組みとしておまけ的に伝えたものです。
単純にポールダンスの精度を上げるとか、明らかに瞬殺されそうな状況ではヤグラに突っ込まないとか、スパジャン復帰するかどうかの判断とか、
そういうミクロな動きの判断はひたすらゾンビ特攻してればだんだん分かってくると思うので数やって学んでいきましょう、というだけの話。

思わぬ副次効果

練習期間の間ゾンビギアで戦いまくった結果、対面回数が急激に増えたことで、それまで苦手としていた対面力も結構上がったという実感があるそうです。
ゾンビギアで練習するとそういう副次効果もあるみたいです。とても良いことだ…

伝えられなかったこと

打開をどうするかの話はほぼできませんでした。これは単なる日数不足です。

結果どうだったか

予選リーグ突破、上位トーナメント1回戦敗退という報告をもらいました。
トナメでは惜しくも初戦敗退となりましたが、予選リーグ突破でとても喜んでいました。

ヤグラの練習以外にチーム運営や意見出しも積極的に頑張っていたみたいで、とても成長できたと仰っていました。よかった。

今後

チームとしての活動は終わったので、今度は個人目標としてXPを上げていきたいとのこと。
絶対上がると思う。野良は対抗戦環境と違って個々人のルール関与の上手い下手がかなり如実に出るので、今なら絶対もっと勝てる。少なくとも2100で終わるようなタマじゃないぜ!

おわり!

とにかく喜んでもらえたことに尽きる。今後のヤグラライフもより楽しくなってたらいいな。

ガチガチのプロみたいなコーチングは到底自分には無理なので最初からコーチングという行為自体を避けてたけど、必要としている人がいるのに全くやらないのも勿体ないなと思った。

今後も要望があればヤグラのコーチングはできると思うので、もしあったらツイッターのリプでもDMでもなんでもいいので一声下さい!!!!!!!

カフェラテかミルクティー買います いや、カフェラテの方がカラテが高まりそうなのでカフェラテにします