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ニンジャスレイヤー(忍殺語)が元ネタだとあまり知られてなさそうなネットミーム(2021/1/22追記)

細かいことは忘れたけど、ある日Twitterでなんかの忍殺ネタを取り入れたツイートがプチバズってたときに、リプ欄を見ると元ネタがニンジャスレイヤーだと知らなそうな人のリプばっかりで、「ハッ、知名度の高い忍殺語やニンジャ概念の一部がもはやネットミーム化しつつあり、言葉だけが一人歩きしている!」と感心したことがあった。

ので、自分の観測範囲かつ自分の主観ではあるが、「もうネットミーム化してそう」「元ネタがニンジャだと知ってる人少なそう」な忍殺語、ニンジャ概念を列挙してみようと思った。

一応断っておくが、これをもって「元ネタにちゃんと敬意を払え!」「表記揺れは許さんぞ正しく引用しろ!」「元ネタも知らずに使うやつはにわか!」みたいなムラハチ的行為をする意図は全く無い。純粋に知的好奇心で単語を集めているだけです。
この記事を読んで「へーそうなんだ!」と楽しんでくれる人がもしいたらそれだけで幸いです。

「〜〜だ。いいね?」「アッハイ」

これはちょっと経緯が複雑で、全く関係ない二つの元ネタがあり、ヘッズ間でその二つをセットでテンプレ構文めいて使うようになり、それがネットミーム化したもの。

まず前半の「いいね?」は原作のセリフではなく翻訳チームの与太話に出てきた「ニンジャは実在しない。いいね?」が元ネタ。元ネタにおけるこれの返答は「ハイ」であり「アッハイ」ではない

「アッハイ」は作中に何度か登場する返答の言葉であるが、忍殺語(ヘッズスラング)として定着させたのは「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」のヤマヒロ=サン。ヤクザ天狗👺に理解不能な問答をされ続け何度も何度も「アッハイ」と相槌を打つことしかできなくなったシーンが当時のヘッズ達に強烈なインパクトを与えた。

(当時の当該シーンの実況ログを見ると、実況内容も次第に「アッハイ」が増えていっているのが分かる↓)

それ以降、与太話でのこちらへの投げかけや、本編のよく分からないシーンなどに対して「アッハイ」と返答する用法がヘッズ間で生まれた。

「アトロシティ〜」から2ヶ月後の2012年3月、「インタビュー・ウィズ・ニンジャ」の実況で「アッハイ」が何度も使われている。
それ以前の与太話の実況には「アッハイ」を使っているツイートを見つけることができなかった(あったらスミマセン)ので、「アトロシティ~」がきっかけでこのヘッズスラングが生まれたとみていいだろう。

https://togetter.com/li/641967

そして、「アッハイ」が上記用法として定着していくにつれ、自然発生的に「いいね?」の返しとしても「アッハイ」が使われるようになったのだと思われる。

このやりとり自体はニンジャスレイヤーを一切知らなくてもテンプレ構文として利用でき、特に「アッハイ」はリアルの会話にも使われて汎用性も高いため、じわじわと一般ネット社会に広まっていった。

シンカンセンスゴイカタイアイス

ニンジャスレイヤー(フジキド)の全ての始まりの地である「マルノウチスゴイタカイビル」が元ネタ。とうとう公式も使うようになりましたね。

(2022/8/23追記)公式な商品名としてショップ販売までされるようになりました。コラムもある。

https://www.jrcp-shop.jp/shopbrand/icecream

たまに「スゴ『ク』カタイアイス」という表記も見るが元ネタ的にはスゴ『イ』。

一般の知名度があるかどうかは分からないが「ウスイタカイホン」(同人誌のこと)という表記も自分の観測範囲ではよく見かけた。

〇〇は訝しんだ

「ボブは訝しんだ」が元ネタ。「訝しむ」という言葉自体はただの日本語なので本当に元ネタかどうか断言できないが、「訝しんだ」という表現が日常的によく使われているとは言い難いし、「訝しんだ」でGoogle検索したら辞書とニンジャスレイヤー関連のページばっかりヒットするので、少なくともネット文化における「訝しんだ」という表現の知名度を上げたのはボブだと思う。

ただ、「ボブは訝しんだ」自体がどこから発生したのか実はよく分からない。意外なことに「ボブは訝しんだ」という言葉は公式のどこからも発されていない。それどころかボブが訝しんでいるシーン自体、検索しても見つけられない。「ボブは不審に思い」「ボブは眉間に皺を寄せ」など、同じような意味合いの描写は多数出てきているが…

(2022/8/23追記修正)徹底的に調べて下さった方が現れました。でも結局よく分からなかったみたいです。

ちなみに、ニンジャスレイヤー本編には「〇〇は訝しんだ」という表現がしょっちゅう出てくる。

奥ゆかしい

ニンジャスレイヤーにおいては相当ざっくりした意味合いで濫用される形容詞。これも普通の日本語なのでニンジャが元ネタと言うには違和感もあるが、まず使わないでしょこんな言葉。「控えめ」「お上品」みたいなニュアンスを持ったふわふわした言葉としてバズワードめいて頻繁に使われるようになったのはニンジャの影響のような気がする。

古事記にも書かれている

ヘッズである俺にとっては結構衝撃だったが、元ネタがニンジャだと認知していない層がかなり増えてきていると感じたのがこれ。

言葉の解像度

多分だけど、「小説の情景描写におけるディティールの細かさ、文字数の多さ」「どこまで緻密に描写するか」といった話をするときの「解像度」概念がここ数年で世に広まるきっかけとなったのは翻訳チームじゃないかと思っている。普通に考えて、解像度はパソコンのモニターとかの話であって文章表現に対して使う言葉ではない。

でもググってみたら2009年には言及してる人がいて、「ぐぐってみると割と考え付いてる人がいた」とも書いてあるのでオリジナルではないですね。

2019年4月に「知らなかったけど最近やたら見かける」って言及してる人もいた。自分の主観的な感覚もこれに近くて、翻訳チームが小説の書き方講座とかで解像度概念を使うようになってから数年かけてじわじわ世に浸透していった感じがしている。

パワーワード(2020/2/7追記)

これ、ネットミームどころか一般社会にすら広まりつつある言葉で、今年の新語2017では3位にランクインしてる。

ルーツを辿ればD&Dの呪文とかだが、それをニンジャスレイヤーが再発見?再発明?したような形(原作者は元々TRPGを嗜んでる人)

そこからヘッズが、強烈なインパクトでニューロンを損傷するような言葉のことをパワワードと言い始めたのがジワジワとネットミーム化していったように見える。

この辺はニコニコ大百科の解説がより詳しいです。

ゲイのサディスト(2020/2/17追記)

元ネタはこれ。

2019年2月17日現在、「ゲイのサディスト」でGoogle検索すると一番上に「諫山創(進撃の巨人の作者)」のニコニコ大百科の記事が出てくる。他、「ゲイのサディスト」で画像検索すると検索結果上位数十件が進撃の巨人の画像で埋まる。

他作品の話なので詳細は省くが、作者がライナーについて色々言及して以降、誰かが作者のことを「ゲイのサディスト」と呼び、この用法が広まったらしい?(他作品の話なので私もあまり詳しくはわからない)

俺は詳しいんだ(2020/6/15追記)

これもSNS上の何気ない日常会話の中でさらりと使われているのを見かけました。元ネタはこの辺。

似たような表現に「俺は知能指数が高いから分かる」とかもあります。

いずれにせよ、「自称しているだけ」「いかにも頭が悪そうに見える」のがこのワードのポイントで、ギャグや皮肉として使いやすい。元ネタを知らない人がこの用法を見ても、何か元ネタがあるフレーズにも見えにくいので気づかれてなさそうです。

カワイイヤッター!(2021/1/22追記)

元ネタはオイランドロイドのアイドルユニット「ネコネコカワイイ」に対するコール(?)

ほぼネコネコカワイイを指して使われる言葉だが、他のオイランドロイドや人間に使われているシーンも僅かにある。

ご覧の通り初出は2011年4月と、連載期間の相当初期だし随分昔の話なのだが、そこから何年も経ってからVOICEROIDの琴葉茜に対して「アカネチャンカワイイヤッター」という用法で使われるようになった。

発生の経緯がよく分かっていないようで、詳しい解説は大百科にあったのでそちらに譲ります。

ほかにも、筆者は直接見たことないけど忍殺とは特に無関係な界隈で、やはり可愛さの表明として使われていることがあるらしい…?


とりあえずここまで。なんかあれば加筆します。

あとおかしい点があればコメントとかで補足してもらえると嬉しいです。俺も嘘やでたらめを世に広めたくはない。


カフェラテかミルクティー買います いや、カフェラテの方がカラテが高まりそうなのでカフェラテにします