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コンクリート主任技士試験の要点'21

11月28日にコンクリート技士及び主任技士の試験が開催されました。
当該試験は昨年不合格であったため、もう落ちることは許されないと自身に気合いと活を入れ、かなり勉強して臨みました。
その成果もあり、択一はそこそこ解くことができ、小論文もある程度書くことができました。
なので、現在の知識レベルをこのまま風化させることは非常にもったいないと思い、このようにアウトプットすることにしました。
内容としては、主任技士試験に必要な要点(ほぼ確実に出題されている問題に関する内容のピックアップ)のまとめと、2021年度の試験問題の振り返りです。
※1要点は、自身の得意な分野については一部省略をしています。個人的に必要な要点なのでご了承ください。
※2要点は、追記される可能性があります。

それでは、どうぞよろしくお願いします。

1. 材料

下図はセメントクリンカー組成化合物
これに併せて、反応の順番は下記の通り。(超ざっくりだがこれ以上を覚える必要はない)
①C3A+せっこう→エトリンガイト
②C3S+水(水和反応)→水酸化カルシウム+C-S-H
③C3A+エトリンガイト→モノサルフェート水和物

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混和材は大体覚えているので省略。
混和剤は細かいので以下の表を覚える。
試験で出題は、減水率の数値と経時変化量だけ。

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コンクリートに使用される水は、
①上水道水 :規定無し
②上水道水以外の水 :規定有り(下表)
③回収水(上澄水、スラッジ水) :規定有り(下表の内、下から3項)
 併せて、スラッジ固形分率を3.0%超えてはいけない。
 同時に覚えることとして、1.0%未満だと固形分を水の質量に加えて良い。

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2. フレッシュ・硬化後の性質

コンシステンシーについて
①単位水量を1.2%増すとスランプが1cm程度大きくなる直線的関係がある。
②空気量を1.0%増やすとスランプが2.5cm増える。
③空気量を1.0%増やせば単位水量3.0%減らせる(スランプは一定)
④粗骨材の最大寸法を大きくすると同じコンシステンシーを得るための単位水量と単位セメント量を減らせる。

実績率が良い=骨材が丸みを帯びている=骨材が角張っていない
粗粒率が大きい=骨材寸法の大きいものが集まっている
大体の目安として、細骨材の粗粒率は2~3、粗骨材は6~8くらいが計算問題で出やすい数値。

流動性を向上させたい場合の措置(材料分離しやすくなる)
①単位水量を増やす
②粗骨材の最大寸法を大きくする
③細骨材率を小さくする=粗骨材率を大きくする
④細骨材の粗粒率を大きくする
⑤空気量を増やす
⑥実績率の良い材料を用いる
⑦粗粒率を大きくする

材料分離抵抗性を向上させたい場合の措置(流動性が低くなる)
①細骨材率を大きくする=粗骨材率を小さくする
②粉末度の高いセメントを用いる
③混和剤を用いて単位水量を減らす

コンクリートの強度関係として
引張強度は圧縮強度の1/10~1/13
曲げ強度は圧縮強度の1/5~1/8

3. 耐久性

得意分野なので省略。

4. 配合設計

粗骨材の最大寸法については、土木学会とJASS5の数値、条件がほぼ確実に出題される。
下表はJASS5

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下表は土木学会

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5. 品質

JIS A 5308に沿った問題が提出されるため計量時の誤差、スランプ、スランプフロー、空気量の許容差は覚えておく。

単位は%、混和材のうち高炉スラグ微粉末については±1%
許容誤差は少数第一位を四捨五入して整数の値を評価する。

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スランプ許容値について、高性能AE減水剤を用いた27N以上のコンクリートについては、21±2cm(19~23cm)とする。

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スランプフローについては下表のとおり。

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空気量については下表のとおり。
軽量コンクリートのみ5.0%であることに注意。

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レミコンの種類と粗骨材の最大寸法、スランプ、スランプフロー、呼び強度の上限下限値については、余裕があれば覚えておく。一度表を作成したら大体覚える。
択一の中でよく見かけるのは、
①普通コン、粗骨材寸法40mmの時の呼び強度上限値
②軽量コンの粗骨材寸法と強度上限値
③舗装コンのスランプ
④高強度コンのスランプフロー

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6. 施工

鉄筋の継手について記す。
①重ね継手
継手長はコンクリートの強度、鉄筋の材質(降伏強度)で決まる。
土木学会の場合は算出式があり、JASS5は一覧表がある。
継手配置は千鳥とし、せん断力が大きい部分は避ける。
適用制限として、土木学会ではD32程度まで、JASS5ではD35以上はNG。
②ガス圧接継手
D19~D51の鉄筋で使用可能。
圧接できる材質はSR235、SR295、SD295、SD345、SD390、SD490。
適用制限として、鉄筋径は7mm以内、強度的に直近の材質とする。

寒中コンクリートについて記す。
初期凍害を受けた場合、強度、耐久性、水密性の品質が悪いままになる。
セメントは普通、早強が有利。
骨材の温度を65℃以上に熱すると取り扱いが困難でかつセメントが急結する恐れがある。
水は40℃以下の温水であれば問題ない。
コンクリートの温度は、荷卸し時点で10~20℃(JASS5)。打ち込み時点で5~20℃(土木学会)。
養生温度を5℃以上に保つのを終了するときの目安(頻出)

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暑中コンクリートについては省略

7. 特殊コンクリート

各種コンクリートについて品質、使用制限上の留意点を記す。
①マスコンクリート
温度上昇の抑制対策として、ロット割の変更、プレクーリング、パイプクーリングを適用する。
ひび割れ誘発目地の断面欠損率は50%程度を目安とする。

②流動化コンクリート
流動化剤はAE減水剤よりスランプ低下をしやすい。
添加による凝結遅延、硬化不良、空気の過剰連行は少ない。
細骨材の0.3mmあるいは0.15mm以下の微粒分が不足すると流動化後に分離しやすくなり、ブリーディングが以上に多くなる場合がある。

③高流動コンクリート
スランプフローの目標値は55cm以上65cm以下。
凝結時間が長いため、型枠支保工計算時は液圧とする。
ブリーディングが少ないため、こて仕上げの際は水を噴霧する。
強制練りミキサーを用いることとし、容量は80~90%程度にとどめる。 90秒以上攪拌する。
最大自由落下高さは5m以下。
最大水平流動距離は8m以下、小断面で一方向に打込む場合は15m以下(土木学会)とする。
自由流動距離は20m以下(JASS5)。

8. 環境

受験要綱によれば、基本知識が分かっていればいいので、配布資料の内容がざっくり分かっていればよい。

9. 構造

M図が書ければ問題なし。

いろいろ考えた結果、ここより下は有料コンテンツです。
書いている内容については、以下の通りです。
択一については、適当/不適当な内容に対してここが正しい/間違いと言うことを書いています。また、どこが勉強不足だったか等を書いています。
※1問題文、択一文は書いていません。
※2配合問題とM図-ひび割れ関係の問題は省略しています。
小論文については、(1)、(2)の再現論文を記しています。
それではよろしくお願いします。

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