見出し画像

CCH総合診療専門医プログラムが始まります

CCH協会では複数の医療機関と連携して「CCH総診」という共通ブランドのもとで総合診療専門医の育成・輩出をしていきます。この「CCH総診」の取り組みは、国内で最も多くの総合診療専門医を育成している愛知県の藤田医科大学総合診療科による「藤田総診プログラム」と連携したもので、東京/関東圏から全国に広がる総合診療専門医育成拠点を作ることが目的です。

今年度(2023年度)から第一号のプログラムを東京都世田谷区の桜新町アーバンクリニックと連携して2名の専攻医の研修を開始しています。そして、2024年度からはCHの一つである台東区の同善病院でも「CCH総診プログラム」を開始予定です。ここではCCH協会が取り組む「CCH総診プログラム」についてご紹介します。




1.総合診療専門医とは、その必要性

少子高齢化による慢性疾患や多疾病罹患、認知症、フレイル等が増加しているのは周知の通りです。それらの患者さんの生活を支えていくためには、包括的かつ継続的に診療を行う総合診療医が必要とされています。また、総合診療医の存在は、日本の高度医療を支える領域別の専門医がその専門性を発揮していくためにも必要です。
参考:幅広い疾患と生涯の健康をみられる総合診療医の不足

日本には医師を育成するための専門医制度という仕組みがあります。2年間の初期臨床研修を終えたあとに、19の専門領域のいずれかで3年間の専門医研修を受けることが求められるものです。日本ではこの専門医制度で毎年約9,000人の専門医が誕生していますが、総合診療専門医は3%程度、250~300名程度にとどまっています。これは日本の制度・政策などの背景によるものですが、総合診療が発展している英国ではGP(General Practitioner)と呼ばれる総合診療医が医師の40%以上を占めていて地域医療を支えているのに比べるとこの人数では非常に少なく、日本でももっと多くの総合診療医を育成しいく必要があると言われています。
参考:総合診療に関する国際比較

2.なぜコミュニティホスピタルで総合診療専門医を育成するのか

コミュニティホスピタルは地域で必要な超急性期以外のすべての医療・ケアを提供する医療機関です。かかりつけ医機能を持っていて、在宅医療まで行うコミュニティホスピタルには、総合診療を実践する場が豊富にあります。大病院にはない地域に密着したフィールドがあるコミュニティホスピタルだからこそ、最先端の総合診療研修を受けることができます。

さらに、私たちが注力しているそれぞれの地域で培われてきた地域活動やお祭り、町会などのコミュニティに総合診療専門医を目指す専攻医が関わることで、病院内では見ることができない患者さんの生活や、その地域の持つ課題を身近に感じることができます。「生活を支えるための医療」の必要性を実感できる総合診療医を育成できるのもコミュニティホスピタルだからこそできることなのです。


3.CCH総診の特徴① 藤田総診との連携

CCH協会が進めるコミュニティホスピタル構想は、日本中にコミュニティホスピタルの理念を持った中小病院を作っていくことですが、その中で必要となる地域医療人材の育成は当協会の理念であり、その一つが総合診療専門医の育成と輩出です。

現在の国内には多くの総合診療専門医プログラムが存在していますが、その中で最も多くの専攻医を集めているのが愛知県の藤田医科大学総合診療科(藤田総診)です。病院内にとどまらず地域の多くの医療機関と連携して魅力的な研修プログラムを提供し、2023年度は30名以上の専攻医が集まっています。
今回立ち上げた「CCH総診」はこの藤田総診と連携したプログラムで、これまで藤田総診で育まれた充実した教育体系のもとで、コミュニティホスピタルという地域に密着した実践的な研修フィールドによって、東京/関東圏で多くの総合診療専門医を育成してくことを目指しています。


4.CCH総診の特徴② 複数の医療機関が連携

もう一つの特徴は、複数の医療機関が「CCH総診」という共通のブランドの元で連携して総合診療専門医プログラムを展開する形態を目指していることです。先に述べた通り、総合診療医の育成の場として適しているのは地域に密着した研修フィールドです。しかし、地域にある200床未満の中小病院が単体で人材を育成していくためには、指導医や研修ノウハウが不足して管理コストも高くなる上に、少数の専攻医では専攻医同士の学びの共有が減ってしまいます。
複数のコミュニティホスピタルが連携して研修プログラムを運営する形態をとることで、これらの課題を解決して大病院にも負けない研修が提供できると考え、CCH協会はこの複数のプログラムをつなぎ、管理・運営するプラットフォームの役割を担っていきます。


5.2023年4月からスタート

まず一つ目のプログラムとして、東京都世田谷区でかかりつけ医療機関として外来・在宅医療・訪問看護・介護事業などの医療・ケアサービスを複合的に提供している桜新町アーバンクリニックを基幹施設とした「桜新町アーバンCCH総診プログラム」が2023年4月から始まり、現在2名の専攻医が研修をスタートしています。
続いて二つ目のプログラムとして、2024年4月からコミュニティホスピタルである東京都台東区の同善病院・同善会クリニックで「同善会CCH総診プログラム」を開始する予定です。
この2つのプログラムでは、世田谷区と台東区という東京の中でも別の地域でクリニック、病院という異なるフィールドで研修を受けることができ、専攻医としても東京の地域医療を実感できる充実した研修を受けることができると考えています。


最新情報はfacebookをフォロー
Webはこちら▶ https://cch-a.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?