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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略(定期購読版)

ウクライナ戦争の行方やロシアの軍事力について、毎週月曜日に配信します。単独の記事のみ購読したい方はこちらをどうぞ(https://note.com/cccp1917/m/m59a…
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2024年1月の記事一覧

第252号(2024年1月29日) 衛星画像分析 ロシアの核実験場で怪しい動き

【インサイト】衛星画像分析 ロシアの核実験場で怪しい動きノーヴァヤ・ゼムリャー島概観  今回はウクライナの戦況を離れて、そのずっと北にあるノーヴァヤ・ゼムリャー島という聞き慣れない島を取り上げたいと思います。  ノーヴァヤ・ゼムリャーは北極海に浮かぶ島で、その西側がバレンツ海、東側がカラ海に別れています。元々はネネツ族という少数民族が住んでいたのですが、1950年代には彼らを追放して島全体が核実験場にされてしまいました。カザフスタンのセミパラチンスク核実験場に次ぐソ連で2

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第251号(2024年1月22日)ウクライナ軍事援助に求められる「システム的思考」

【今週のニュース】受難のロシア空軍 ほか北朝鮮がロシアに弾道ミサイルの供給を開始  昨年夏以降、北朝鮮は砲弾やロケット弾数百万発分を供与していると見られてきた。さらに年明け以降、ウクライナに対して発射された弾道ミサイルの中には北朝鮮製のKN-23が含まれるようになり、どうやら弾道ミサイルの供与も始まったことが確実なようである。ロシアはこれまで、イランに対しても弾道ミサイルの供与を求めたものの拒絶されたと報じられており、北朝鮮の対ロシア軍事援助が際立ったものであることが改め

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ウクライナ戦争の(3年目ではなく)4年目を考える あるいは「我々はどういう世界に住みたいのか」

【インサイト】ウクライナ戦争の(3年目ではなく)4年目を考える あるいは「我々はどういう世界に住みたいのか」守勢に回るウクライナ軍  いよいよ2024年が始まりましたが、相変わらず状況は非常に厳しいものがあります。ウクライナ軍は全戦線で守勢に回ることを余儀なくされ、その間にロシアはじわじわと圧迫を強めているからです。  特にルハンシクとハルキウ両州のあたりではロシア軍がこれまで以上に激しい攻勢に出ようとしているのではないかとの観測が出ており、この場合、クピャンシクが焦点と