妊娠中の記録①<妊娠前〜妊娠初期>
はじめに
この記事を書いている今は、臨月手前。
昨年の10月に妊娠が分かってから半年以上が経った。
実際に自分が妊娠してみて分かったのは、ありきたりな表現だけれど子どもの数だけ異なる妊娠の体験があるのだということ。白は200種類あるらしいが、白どころではない。
数多あるうちの1例に過ぎないけれど、これから妊娠を経験するどなたかの役に立てたらいいなと思い、妊娠の記録を公開することにした。
(※以下、結構赤裸々です)
妊娠判明まで
10月の半ばに妊娠が分かったのだが、まずはそれまでについて。
5月末まで低用量ピル(ヤーズフレックス)を服用していた。社会人になってから生理痛が迷走神経反射の引き金になることが数ヶ月に1回ペースであり、それに悩まされていたからだ。特に副作用もなく快適なピルライフだったけど、GWにコロナで延期に延期を重ねた新婚旅行を終えてそろそろ子どものことを考えてもいいかな、と思い服用をやめることにした。
とはいえ、服用をやめてすぐに気合いを入れて妊活!という訳ではなく、のんびり自然に身を任せていた。ただ、薬をストップしてすぐのうちに風疹の抗体検査と子宮頚がん検診だけは済ませた。(風疹の予防接種が必要な場合は打ってから2ヶ月妊娠を避ける必要がある)
ピルをストップしてからはめちゃくちゃな生理不順で、一応ルナルナに毎回の生理日を入力していたもののなんの参考にもならなかったし、こりゃ暫く妊娠はないだろうな〜と期待せずに過ごしていた。
そして10月。いつもの生理待ち時期の体調との違いを感じるようになったのは、金木犀が咲き始めた頃だった。
まだ妊娠3週くらいの頃(※以下、生理不順のため最終生理日からではなく初期の胎児サイズから割り出した出産予定日から逆算された週数)、何故か「リラックスできる香り」を急に欲して頻繁に嗅ぐようになった。無印のやすらぎブレンドの香りとか、Aesopのゼラニウムの香りをとにかく嗅いでいた。ちなみにゼラニウムは妊娠中に推奨されないアロマだったはず……。
4週に入る頃、旅行で浜松に行った。長めの生理周期ならまだ生理が来ないような時期ではあったけれど、直感が働き「お酒を飲んではいけない気がする!」と感じて、控えた。なお、さわやかのハンバーグはよく焼きでとお願いしないまま美味しくいただいてしまった。今思えばこれがレア肉ラストチャンスだったと思うので、無事に食べられてよかった。
旅行後、足の付け根が痛いなどのいつも感じないような感覚もあったので、検査薬を試したら陽性の線が出た。夫には数日前から「勘だけど、もしかしてそうかも」と予め話していたのであまりびっくりしなかったと思う。でもとても喜んでくれた。
(ちなみに陽性検査薬を残しておいてサプライズで箱に入れて見せたりする方もいるらしいが、私は1度尿をかけたものと思うととっておきたい気持ちにはなれず、証拠写真だけ撮って早めに捨てた。)
喜んだのも束の間、数日後に婦人科で診てもらったところ「妊娠していません」との診断。先生に淡々と冷たく言われたのでショックだった。陽性線は一体なんだったのか?
その日は受診のために午前休を取っており、メンタルガタ落ちの状態で午後から出社した。事務の職員の方に「もしかしておめでた?」と訊かれ(デリカシーよ……)、半泣きで「いえ、流産みたいです。」と答えた。気まずそうに謝られて、さらに傷ついた。
しかし、その後も自分の運転で酔って吐きそうになったり、気持ち悪かったり、微熱が続いたりと明らかに様子がおかしかった。これで妊娠じゃなければなんなんや……と思い再び検査薬を試すとやはり陽性判定が出る。
冷たい先生にまた会いたくなかったので、以前と違うクリニックを受診。5週に入った日だった。
今度は無事に胎嚢が確認された。その先生曰く、前回は受診タイミングが早かったため、胎嚢が発見できなかったのではないかとのこと。子宮外妊娠でないかという懸念もあったので、やっと少し安心することができた。胎嚢は3mmくらいしかなく「ほら見て、これだよ」とポインタで指されてもよく分からない。「お腹に赤ちゃんがいます」と言うにはあまりに小さくて、でもその小さい存在をただ信じ続けるしかなかった。
つわり
5週の頃から始まり、14週の頃まで約2ヶ月続いた。
一般的に「においつわり」「吐きつわり」など色々なつわりジャンル(?)が存在しているが、私の場合は
前半:においつわり→後半:食べつわり
が、メインだった。
●においつわり
食器や食べ物が残ったシンク、トイレ、お風呂、スーパー、炊きたてのご飯……色々な臭いが急に敵と化した。そして大好きだった金木犀が散り始めた頃、ついにその匂いすら苦手になってしまった。まだ妊娠がわかる前、嬉々として金木犀の香りのボディソープとボディクリームを購入した自分を心底恨んだ。お風呂というかシャワーがとにかく苦痛で、これを読んでくれた友達は私のことどうか嫌いにならないで欲しいんだけど、3日くらい入れないこともザラだった。在宅でよかった。
そして和食、野菜、きのこなど健康的なものがどんどん食べられなくなった。毎日食べられるものは何か、必死に考えて探した。考える中で食べ物の想像をするとまた気持ち悪くなるので、自分で自分の首をしめる形になっていった。でも何か食べないと赤ちゃんに栄養がいかないのではないか?というプレッシャーで、とにかく日々何か食べることに一生懸命だった。スーパーに行くと、鮮魚コーナーなど臭いがキツい売り場以外も、おいてあるものの匂いを脳内で勝手に再現してしまって、勝手ににおいつわりを発症してしまった。
ただ何故か、大鍋料理を作るYouTubeは見たくてよく見ていた。辻ちゃんネルには大変お世話になった。多分料理ができない反動とかだったのだと思うけど、料理を見たいのか見たくないのかどっちなんだい!と自分でも思う。
食べつわりの時期も含めて、つわり期間中よく食べていたものはこんな感じ。
ヨーグルト:フルーツがごろごろ入っているもの
ゼリー:クラッシュタイプの蒟蒻ゼリーは常にたくさんストック
チーズ系(プロセスチーズ):キャンディチーズなど セブンのブリトーにも助けられた
フルーツ:みかんの季節で本当によかった
柔らかくて小分けになっているパン:バターロールやチョコチップパンなど
ビスコ:食べつわり期の救世主 何十箱と食べたかもしれない
セブンのもみじおろしが入ったパスタ:貴重な栄養源
鮭おにぎり:コンビニの冷えたやつが美味しい
日によって食べたいものが変わったり、上記のものも急に食べられなくなったりした。スパイシーなものや酸っぱいものは比較的大丈夫で、とにかく和食に含まれる出汁や味噌、醤油がしんどかった。
よく聞くマックのポテトは美味しく食べられたけど、食べたくてしょうがない!という感じではなかった。そういえば、においつわり中はマックの紙袋のにおいはしんどかった。
●食べつわり
においつわりが少しマシになってきた頃、シームレスに「空腹をほったらかすと吐く」というフェーズに突入した。最初はその移行に気付かず空腹を収めるのに何度か失敗してはトイレに駆け込んだ。食べつわりはとにかく食欲が増すものだと勝手に思っていたのだけど、私の場合はムクムクと食欲アップした訳ではなく、ただただ30分おきに何か食べないと吐くだけで、吐かないためにとにかく何かを食べ続けた。
酷い時期は、朝ベッドで上体を起こしただけでトイレに直行していた。あまりに理不尽で逆に面白かった。対策として、起床の20分前に枕元に置いたビスコを寝転がった状態で食べた。すると20分後くらいにビスコが胃に届くようで、なんとか寝室からリビングまで降りられる。リビングまで無事降りられたら冷蔵庫にあるものを胃に入れ、仕事開始。ただこれに失敗して、朝一で吐き5分後に平然と勤務開始、みたいなこともあった。妊娠じゃない体調不良だとしたら間違いなく休みを検討するよな〜と思いつつ、もっと辛い思いをしながら出社している妊婦さんも世の中にはいらっしゃると思うと、この程度で休んではいけないと自分に言い聞かせていた。
においつわり・食べつわりに加えてこのような症状もあった。
喉つわり
乗り物酔い(スプラトゥーンも酔うので断念)
皮膚の痒み
微熱、火照り、頭痛
1日に何十回と空えずきする日々は地味につらかった。
喉つわりは、喉に何かが当たるとえずいてしまうというもので、冬なのにタートルネックやマフラーが無理になったり、ドライヤーの風が毎回気持ち悪かったりと何かと不便だった。
6週頃から乗り物酔いが始まり、通勤がきつくなった。幸い在宅用のノートパソコンを持っていたのと、出社をしなくてもできる業務を日頃からしていたため、すぐに在宅に切り替えさせてもらえた。結局産休までずっと在宅勤務させていただけたのだけど、これが物凄くありがたかったし、出社必須だったら何日休んでいただろう……。部署の方には感謝してもしきれない。
ただ、在宅勤務だと逆に休む基準も分からなくなる。勤務できたとはいえ、つわり期間中のほとんど 机+椅子という環境が気持ち悪かったので、膝上やベッドでノートパソコンを開いて何とか作業をしていた。フォトショップのブラシツールをトラックパッドでいじっていた日は、ああ何やってるんだろうと思った。
また、検診も電車と徒歩で30分くらいかかるので毎回顔面蒼白で通っていた。そういえば母子手帳の交付もつわりピークの時期で、30分近く説明を聞くうちに気持ち悪くなって、あまり内容が頭に入らなかった。そんな感じで、「念願の母子手帳、嬉しい♡」みたいな気持ちには全くなれなかった。あれ郵送じゃだめ?
食べられるものを食べていたものの、結局つわり期で3kgほど痩せて、BMIは16台前半を記録。筋肉が落ちに落ちて、酷い時は立つだけで足が痺れた。
それでも妊娠悪阻で入院される方のことを思うとまだ軽い方だったんだろうなと思う。医療が発達してつわりのない世界が来ることを切に願うよ……。
長くなってきたので一旦終わり。
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