個人的にここが好き！グラズノフ♪アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲

グラズノフ作曲アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲

アレクサンドル・コンスタンティノヴィチ・グラズノフとは、ロシアの作曲家で時代区分はロマン派です。
このサクソフォン協奏曲はアルトサクソフォンのために書かれた曲です。サクソフォン奏者の中では重要なレパートリーの中の1つとなっていて、サクソフォンの歴史が浅い中、比較的最初期の曲として重要な曲です。
この曲は切れ目なく（attaca）演奏されるのですが、3楽章構成となっていて、

[1]～[10] 1楽章 Allegro moderato
[11]～[21]Cadenza前まで 2楽章 Andnte
Cadenza~ 3楽章 Allegro

噂では、ヴィオラ版があるとか。楽譜もあるらしい。録音は探してみましたがありませんでした。あったら教えて頂けると有り難いです。というか、国音にヴィオラの名手がいらっしゃるので録音しましょう！笑

○個人的見どころ
この曲はド頭は4/4拍子、Esdurで書かれています。アルトサクソフォンがEs管だからです。
弦からしたらEsdurは難しい？調です。ヴァイオリンは普段使わない？ハーフポジション（簡単に言うと、弦が押さえられる際）で音程が取りにくいのです。しかし、上手くはまると綺麗で色気のある音色が出ます。
ど頭から4小節はtutii（皆で）5小節目からは息の長いフレーズによる前奏が開始されます。
そして[1]からサクソフォンのソロが開始されます。一旦オケが静まるところが良いですね。ここで聴きどころはチェロによる心地良い動き。コントラバスではだめです。人の声の音域に近いのが良いのではと思います。
個人的な高揚・波というか、好きなところ第1弾は[3]のサクソフォン動きが出てきたところでしょうか。あとチェロが対旋律やってますね。
[10]のテーマが戻ってきたところのあと、ヴァイオリン・ヴィオラが四分音符のアクセントで交互に対話するところも面白いですね。客席から注目したいポイントです。
[11]の3/4拍子も好きです。コントラバスが暇なのもありますが。そして[12]Auftaktでコントラバスが出てきます。最高においしいところですね。

しばらくするとサクソフォンのソロが終わります。そのソロを受け取るのがベースライン。Es→D→Cisと進行し、Hdurになります。そしてすぐにemoll。ここから先は頻繁に調性が変わります。様々な色彩の移り変わりを楽しめるかと。
豊かな弓奏の後に、Pizzicato（指ではじく）が出てきます。その後すぐに弓奏に戻ります。そこから第一のクライマックスが訪れるのですが、グラズノフさんは弦を効果的に使っているなと感じさせます。

[24]しばらくするとサクソフォンのカデンツァが出てきて、サクソフォン→ヴァイオリン→ベースラインと旋律が移り変わります。
個人的には弓順が中々辛い…それは置いておいて、12/8拍子が主体の場面になります。その後、tuttiで2小節間絡んで、また低音が美味しいところを持っていく感じになります。

そこから先はすべてが良いので隈なく楽しんでください。

全体的にベースラインが活躍する曲だなと思います。ヴァイオリンもそんなにきらびやかな高い音使っているわけでもないですし、アルトサクソフォンの音域に合わせた格好となっています。

日本を代表するサクソフォン奏者の須川展也さんによる演奏です。
ぜひyoutubeで聴いてみてください！
できれば、生演奏も。

参考
https://www.youtube.com/watch?v=8zu7mDoSCvA&list=PL80f-HNePBZLUjSo2lTaIcrycz45kdSV8&index=3
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%8E%E3%83%95
http://ks.imslp.net/files/imglnks/usimg/5/5d/IMSLP40085-PMLP56133-Saxophone_Concerto_in_Eb_Op_109.pdf
スコアはカルマス版です。

余談
好きと弾けるは別だなと感じる曲です（苦笑）最初はだいぶ苦労しました。今もですが（笑）
今回参考にしたカルマス版ですが、信用してはいけない出版社の1つだそうで…私はマイナーで粗悪な版に比べたら良心的だと思うのですが、カルマス版×ドボルザークの新世界の話をどこかでしたいと思います。