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LGBTについて語ってみる🏳️‍🌈

「あおいくんって彼女いるの?」
「いるよー(ほんとは彼女じゃなくて彼氏だけど)」

「かわいいの?顔見てみたい!」
「写真は撮らないんだよねー。まあ、かわいいよ(写真は撮ってるけど、見せるのはマズイ。かわいいのはほんとだけどね)」

飲み会に行くと、時として恋バナに発展することも多い。最近、職場の同期らと飲んだ際にもこんな会話になった。

...。

冒頭の書き出しで驚かれたかもしれないし、そんなの知ってたよ、という方もいるかもしれないが、3年くらい前にぼくは、"バイセクシャル"、つまり男の子も女の子も好きになりうる性的指向であることを自覚した。

ストレートの方々には理解されにくいが、カミングアウトにより相手がどのような反応をするかーー気持ち悪いと思われるのか、何も気にしないと言ってくれるのかーーが想像つかないので、ぼくはそれ以来、今日に至るまでカミングアウトを控えてきた。

しかし、ぼくは、少なくとも仲良くしている友達にはぼくのことを知って欲しいと思っている。
一方、ぼくの性的指向を知られることによって何か弱みを握られた感じがして、話すことが出来ない。
こんな葛藤と戦っている。
大学時代に一番仲良くしていた友達に、でさえも。


ぼくには、大学1年の時に授業で仲良くなった友人、そして大学2年生の時に入った部活で仲良くなった友人がいる。3人で遊ぶことも多かった。

かなり仲良くしていたつもりだが、どうしても話せない事があった。ぼくの性的指向だ。
何度も何度も、車中で2人きりになった時、家飲みをした時、どこかのタイミングでぼくがバイセクシャルであることを早く言いたかった。

「実はね...」

ここまで言えたこともあった。が、嫌われたりぼく自身の存在を否定されるのが怖くて言えなかった。

だが、彼らとは人生を通じて仲良くしたいと思っていたから、卒業式前の卒業旅行、北海道のホテルでお酒を飲んだあと、勇気を振り絞りに振り絞ったあと、言ってみた。


「実はぼく、男の子も好きになれるんだよねえ」

ドキドキ。ドキドキ。


「そんなのだいたいわかってたよー」「そんな改めて言うことか笑」

意外すぎるほどあっさりした反応だった。バイセクシャルだからといって、友達の縁が切れることはないんだな、とこの時人生で初めて実感できた。

なんで察されてたのかはよくわからないけど、それでも普通に接してくれることにとても安心できた。


ぼくは、バイセクシャルである自分自身が本当に好きなので、自分のことをどんどん知って欲しいと思っている。
だが、その一歩手前の「自分の性的指向をカミングアウトする」という極めて簡単に見えることが出来ずに苦しんでいるのだ。

「あんたがバイセクシャルだろうと、そんなの他人に言う必要ある?どうでもいいよ」と思う人もいるかもしれないが、言わないと話の辻褄が合わなくなる、もしくは自分にウソをつかねばならなくなることが、意外なほど多いのである。

特に、好きな人の話、異性についての話、見ている作品の話、などなど、「この話を語り合えれば真に仲良くなれそうだ!」という時こそ、自分にウソ、もしくは「それは知らないなあ」と逃げることをしなければならないので、仲良くなろうにも仲良くなれないのである。

だが、ぼくだって「〇〇くんかっこいいよね!」みたいな話を友達としたい。
ストレートの友達と、自分の好きな人のことを素直に話せるのはどれだけ幸せなことか。

...。これは、ぼく自身のコミュニケーション力不足によるもの、との指摘もあろうし、確かにその通りなのだが、しかし、自分がバイセクシャルであることを隠し続けるのはどうにも引っかかるのだ。


と、ここまでが現状である。今のところ、一部の人にしかカミングアウトできていない。だがぼくはぼくのことを知って欲しいと思っている。しかし、人格否定などされるのは怖い。

最近、こんなことを考えることが多くなった。

知り合いが見ているであろう媒体にこの記事を公開するのも怖いし、勇気のいる行動であるが、それよりも、ぼくのことを知って欲しい、という気持ちの方が強い。

これが理由の全て、というわけではないが、ぼくは多くの人に対して自己開示をほとんどしてこなかったから。ないかもしれないが、この記事を通じて誰かと仲良くなれたら嬉しいなあ、とも。

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