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経営者視点から考えるカウンセラーの報酬

先日、「カウンセラーがオンラインカウンセリングを実施した際報酬は3分の2は渡してほしい。報酬が少なすぎるのは搾取ではなかろうか」という雰囲気(ひょうっとするとネガティブバイアスかかっているかもしれません。)のポストを偶然目にしました。これを目にした時、なぜだか私の感情は激しく揺れ動きました。別に自分が言われている訳でもないのだけれど、胸に響くものがありました。今もまだ整理がつかずこうやって記事を書いている訳です。どうしても経営者の立場と雇用される立場によって見え方というものは異なってくるものです。なので考えを是正したいだとか自分の正しさを主張したいとの思いはありません。ただただ報酬を決めるということはそれほど簡単なものではなく、見えないお金が色々と動いているということを伝えたいのです。

経営者視点から見た報酬

全国のカウンセリング料金はこちらをご確認ください。

全国平均は約6,600円です。ちなみにオンラインカウンセリングの平均価格は6,177円です。今回は計算を分かりやすくするためにカウンセリング料金を1回6,000円と仮定してお話をしていきたいと思います。

ポストに書かれた通り3分の2をカウンセラーへの報酬にすると、カウンセラーの報酬は4,000円になります。運営の取り分は2,000円となります。
運営側は従業員3人で家賃20万円のオフィスで仕事をしているとします。従業員の給与はそれぞれ20万円とします。オンラインカウンセリングを周知するための広報費を少なく見積もって月20万だとします。最後にサーバー代、電気代などの諸経費が合計10万円だとします。合計すると最低でも1ヵ月で110万円の経費が発生します。さらにシステム構築、HP作成、人材育成費などもろもろ合わせて500万円の負債からのスタートとしましょう。

月110万の利益を出すためにはカウンセリング1回の利益が2,000円の場合、月550回もの件数が最低でも必要になります。負債の返済や新規事業も考えるとこれではとても足りません。実際には仮定よりも費用はかかることでしょう。オンラインカウンセリングは導入時にかなりの経費を費やしますので軌道にのるまでは赤字が続いてもおかしくありません。

少なくとも私の周りには搾取をして贅沢の限りをつくしている経営者はいません。どなたも熱く利用者やスタッフのことを考えながら仕事をされています。

委託スタッフから見た報酬

私は経営者でありながら別の機関では外部委託スタッフとすて働いています。報酬は50%だと仮定します。事前準備や記録作成も考えると、やや少なく感じることもあります。スクールカウンセラーの報酬と比較しては、自身の報酬も上げてほしいと思うこともあります。大学院まで出て研鑽も沢山重ねてきたとの想いも影響しているかもしれません。そんな時、あのポストを見たならばきっと賛同することでしょう。

ジレンマ

高い専門性があるのであればカウンセリング料金の単価を上げれば良いのです。しかしどこかで料金を上げることに抵抗を感じる部分もあります。クライエントさんの負担を減らすためにも料金は下げたいがそうなるとカウンセラーへの報酬は少なくなる。このバランスがとっても難しいのです。

認知行動療法カウンセリングセンターの出した今現在の答え

カウンセリング料金を抑えつつスタッフへの報酬を増やすための方法として認知行動療法カウンセリングセンターでは多店舗経営するという方法を考えました。店舗数を増やし利用いただける機会が増えると単価を抑えることができます。いつの日かジレンマを乗り越えた誰にとっても良い場所にしていきたいと考えています。


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