横浜でセントルイス・ブルース

2011年12月1日



今シーズン最初の忘年会は、街の灯りがとてもきれいなヨコハマ。
夜の横浜は5年振りくらい。
それも中華街オンリーだったから、わずかに感じる海の匂いに深呼吸すれば、肺もよろこんでいる気配がある。
無事に今日のメンバーたちと合流し、幹事役に促されて船に乗った。
見るもの何もかもが珍しく、黄昏時の夜景はブルーライトでもホテルの小部屋でもなかったけれど、とても新鮮。
でも寒風にはちょっと参った。

上陸すると、横浜もずいぶん変わっていたから驚いた。
港が整備され、昔の記憶なんてどこにもない。
変わらないのは、暗い場所を選んで密着するカップルばかりが目立つことくらいで、お洒落に変貌したハマは、中年の我々には場違いの土地のよう。
18、20、21歳の時、大晦日に汽笛を聞きに来たことが懐かしい。

港ヨコハマらしからぬ、ごく普通の居酒屋で盛り上がり、二次会は幹事馴染みのBarへ連れて行かれた。
洋酒は苦手だけど、この雰囲気が良かった。
たぶんベッシー・スミスとルイ・アームストロングの共演だと思うのだが、店内にはセントルイス・ブルースが、紫煙とともに流れている。
私のお気に入りは、シルベスター・ウィーバーの素朴なギターで、こちらの方が馴染み深い。

原曲はW・C・ハンディで、発表されてから、もう100年近くが経つ。
ということは、100年に一曲の名曲、という位置付けになる。
私の葬式でウィーバーのこのギターが聴けたら、気持ちよく成仏できそうな気がする。
素朴なボトルネックが楽しい。

飲めないながら、注文したバーボンは琥珀色。
酒にではなく、この雰囲気とセントルイス・ブルースに酔った。
チビチビなめる程度だけど、大人の世界ってカッコいいな。

店を出て、みんなで煉瓦倉庫付近を歩いた。
港、夜景、煉瓦倉庫が三位一体になって、
これが横浜の魅力。
霧笛が聞きたくなった。

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