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赦し

“大丈夫”
“全てうまく行くようになっている”
って
安心できるようになったのは

自分で自分を赦してあげられるようになったから
自分のことを大切に思えるようになったから


過小評価して
価値のない人間だと蔑んで
自分を卑下してたのは
他の誰でもない
私自身

否定された昔の記憶を引きずって
その記憶も確かなものなんて保証はないのに
歪んだ記憶かもしれないのに
そんな記憶を
全てだと思い込んで

私はダメな人間なんだと
バツ❌を付けた
消せないくらい大きなバツを
たくさん私に書き殴って
私は私に蓋をした

真っ黒になった私は
明るい光に目が眩み
暗闇こそが私の居場所なんだと思い込んだ
輝く場所は
目が痛いから
私の居場所じゃないんだと
そう思ったんだ

けれど眩しくて細める瞳に
ほんの少しだけ映る
キラキラと笑顔に輝く存在が
うらやましく思えて

うとましくおもった

そして
うとましくおもう心の狭い自分に
またバツをつけた


そんな、バツだらけの自分でも
たとえ、丸だけ付ける人でも
たとえ、曖昧に三角を付ける人でも
どんな人でもいいと
そういう選択肢があるんだと
誰かの声が聞こえて
私のなにより重い蓋が
ほんの少しだけ軽くなった気がしたんだ

その日から、私は私に

どんな自分でもいい

そう言ってあげることにした

その小さな一歩で
いつしか私は
付けられなかった丸を
自分につけてあげられるようになっていった

自分で自分を赦したその先に
広がっていたのは
安心で幸せに満ちた
笑顔溢れる日々

重くて開かないと思い込んでいた
私の蓋は
いつの間にか消えて
私の周りは光に照らされていた

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