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IPOのP/L一覧 22.12

property technologies 5527

・低PER
・増収率10-20
・利益率は横ばい

🔍 焦点 🔍
低PERの背景
→中古マンション業界はここ10年ほど価格上昇の恩恵を受けており、同業他社のPERも低い。粗利率が低いため市況次第ではEPS急減や在庫リスクが大きいため。同社も低くて妥当

大栄環境 9336

・増収率は中計も含めて5%ほど
・前期、今期は粗利率が悪化
・プライム上場であり、1月末にTOPIX組入に伴うパッシブ資金の買い需要
(300万株ほどと推量)

🔍 焦点 🔍
産業廃棄物処理のバリュエーション
→ミダックは高い増収増益率を維持しており、来期予想PERで40倍。
ダイセキは増収率としては大栄と差が無いが前期・今期に利益率を向上させていて、来期予想PERは23倍。以前からも20倍以上のPERで安定的に評価されている。
一方、TREHDは10-12倍で、前身のタケエイのころも同様だった。
ミダック、ダイセキ、TREを比較すると、利益率、および対象物範囲の広さとの相関が見られる。
大栄環境のPERは15倍前後になると考えられるが、上記からはダイセキと差の無い事業規模・対象物範囲・利益率(営業利益率、ROE)を持つためかなりディスカウントされているのではないか
粗利率悪化の背景
→この点が説得的に開示されていれば、よりダイセキとの乖離修正に期待を持てる。が、目論見書の段階では明示的ではない印象。ゆえにまずは1月末のTOPIX組み入れまでをタイムリミットとして「下値の堅さ」と「高いとまでは言い切れないが」修正可能性に期待してエントリーするイメージ

スカイマーク 9204

・見た目は低PERだが、税関係を除き営業益ベースではJAL、ANAなどに対しておよそフラット

スマートドライブ 5137

・前期増収率51%、今期予想42%
・粗利率は不変で67%
・販管費は3期前比で今期+20%と増収(4倍超)に対して増え方が小さい

🔍 焦点 🔍
高い増収率の背景
→車両管理システム競合は主にメーカー系で非横断的であるのに対し、独立系の強み。水準がまだまだ低いだけに、新規契約におけるイニシャル売上が効いて高い増収率となっている。増収額は4,4,5億と推移しているため、このままだと率は低下していく
販管費の内訳、見通し
→主に人件費。当面は横ばいに近いか(12.7億)

フーディソン 7114

・前期までコロナ影響が顕著で、実質的な増収率は詳細を見る必要あり
・粗利率は不変で今期計画37.5%
・販管費率は改善傾向で今期計画35.2%

🔍 焦点 🔍
コロナ影響期を除く実質的な増収率
→売上の3/4を占めるBtoBにおいて、今期1,2Qのアクティブユーザー数をコロナ前と比べると、年平均15%の伸びに該当する。同じく、顧客あたり四半期売上は年平均5%。「年率概ね20%成長」とイメージ
販管費の内訳、見通し
→人件費で半分ほど。広告宣伝費は僅少。固定的な要素が占める割合は多そうで、販管費率は増収に伴って更に改善する印象(来期21億ほどか)
今期・来期売上のイメージ
→今期中間で23.6億。過去2年の中間進捗は平均42%で、秋冬の鍋需要や忘新年会等の需要で下期偏重とのこと。当て嵌めると今期56億。計画に対して上振れを見込む。20%成長とすると67億
来期EPS・PERのイメージ
→上記の場合、66。初値予想2,500円とすると、PER38倍
カタリスト
→販管費率の低下により利益率が急拡大していく段階である点、及び3Q以降の上振れ可能性がカタリスト

Rebase 5138

・今期予想は増収「額」が鈍化
・原価はほぼ計上がなく、販管費率は今期悪化見込み

🔍 焦点 🔍
鈍化の背景
→コロナ下での「宅飲み需要」(東京五輪時を含む)反動?

オープンワーク 5139

・前期はコロナ下で転職需要が弱く増収率5%、今期予想28%
・原価は計上していない。コストの大半は人件費で、今期は抑制的
・親子上場
・PERは今期の成長率を維持することが前提の高さ

AnyMind Group 5027

・前期はコロナ追い風で73%増収、今期予想は28%
・原価はほぼ広告枠仕入費用で、粗利率は33%ほど
・販管費は粗利とほぼ同程度にのぼり、半分は人件費
・アセマネOneが公開価格で7億円程の「関心表明」(拘束力は無い)している旨を目論見書に記載。邦文目論見書では初(英文ではフリー、ビジョナルが記載)

サンクゼール 2937

・前期は30%増収、今期予想は20%
・前期、今期中間と、『既存店客単価の伸び』が増収を牽引
(同社が掲げる『ファンづくり』の奏功)
・売上構成
①久世福商店の直営とFC(75%)
②コストコへの納入(15%)
③ネット(6%)
で、FCとコストコ向けが伸びている
・粗利率は前期・前々期とも41%
・今期は営利率低下の予想で、中間時点で利益率低下
(値上げは9月に行っている)

GENOVA 9341

・前期増収率27%、今期計画34%
・粗利率は前期に3%pt改善して72.8%
・販管費率は前期50.9%
・今期は営利率(前期22%)が更に向上、中間で24%、計画で25%
(中間の内訳は粗利率が少し向上、前期悪化していた販管費率が改善)
・VCの残は1.5倍で400,000株、個人1名も同数あり
・吸収金額の大きさ、海外配分の打ち返し可能性、1.5倍も多くは無いがある、という点から機関投資家に評価される必要がある

🔍 焦点 🔍
増収は続くのか?
→医療機関の紹介記事制作代が主な収益源で、追加的にアクセスの多い所に掲載する際にも課金。アップセルできる構造とはなっているが、イニシャルが中心。ゆえに、成長以前に売上そのものが安定的ではなく、高いPERが許容されるモデルではない
利益率は更に向上するのか?
→前期で販管費に属する人件費は売上対比で20%。モデル上、セールスコストは成長というより売上創出の前提になる。増収による利益率向上効果には限界がある


アルファパーチェス 7115

・間接材のBtoB販売。消耗品が中心。当然に粗利率は低く、粗利≒実質的な売上となる。今期計画のそれは42.5億。
・同業他社から仕入れる形での販売もワンストップで提供。
・顧客はほぼ大企業。
・販管費率は今期計画で7.6%
・「営業益÷粗利」を実質的な営利率とすると、21.7%→22.1%→今期計画22.3%と推移

🔍 焦点 🔍
成長実績は?
→2014年が売上200億弱、今期計画が430億、この8年のCAGRは10%。沿革を見ると2017年~2019年に海外進出の失敗を見ており、また2020年はコロナ下で減収。該当する4年間を除くと、10%よりも高い成長を実現してきたと評価出来る
EPS見込、妥当なPERは?
→リニアに推定して1年後EPSは80円ほどとなる。
在庫リスク・赤字販売リスクは無く、商材の価格変動も少ない。消耗品中心であるため景況感にも左右されにくい。専門商社のような低PERは当てはまらない。
ニッチなためポテンシャルは高くないが、安定性が高い中でCAGRは実質10%を超えているため市場平均よりも高いPERが妥当ではないか

小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。