陽だまり

陽だまり、日だまり。
どっちで書くのかわからないけど、
私は後者が好き。ストレートでかわいい。

日だまりの中でこれを書いている。
窓際のソファいっぱいに日が当たって光っているその中で。
顔に太陽が照りつけているのがわかる。
まつげの存在を感じる。
暖かい。
まだ冷えているつま先にだけ、小さな毛布をかける。
良い気持ち。

なのに、洗濯機洗浄剤を入れて朝から浸け置き中の洗濯機のことを思い出す。
午前中は心配事があって、でも洗濯機だけは洗ってしまいたくて。

午前中は多量出血中でもあり、しかも痛みでそれ以外のことに注意を向けられなかった。ひたすら耐える。
ロキソニンを飲むために、夫にお昼のお弁当を買ってきてもらい、効いて来たのは14時頃だった。

痛みが無くなると少し元気が出て、ベランダの道具の整理をした。まだ仮置場だけど段ボールに有機肥料や自分で作った発酵肥料を入れてみた。ふと見るとラディッシュが午後の陽に萎れかけている。本当は10時ころやるのが理想的だけど慌てて水をやって、やっとソファの日だまりに座ったのに。

よっこらソファからおりて、洗濯機をもう一度回す。3ヶ月前に洗ったきりだったので、どんどん汚れが浮いてくる。
洗濯ネットで集められない分は、濯ぎを一時停止しながら、金魚すくいのようにネットで集める。を繰り返す。
つけ置きはぬるま湯でするけど、濯ぎは水でやるので手が冷たくなる。それでも1月にやった時よりは断然楽だ。
洗濯機洗浄剤の説明書きには、汚れが落ちない特は洗濯コースを2,3回繰り返せ。とあるけれど、どんだけ水を使うんだ! 私は暇だけはあるのでそんな無駄はしない。
そうやって地道にゴミを取り終えたら、脱水までして終了。

良かった。
まだ日だまりはそこに居てくれた。
今度は毛布を膝までかけて、この続きを書いている。

洗濯機洗浄剤はよっぽど強力なのだろう。手がカピカピに乾燥してしまった。

手で洗うのは大変(あかぎれ)→洗濯機を開発→洗濯機が汚れると洗濯物も汚れる→洗濯機洗浄剤を開発→強力な洗浄成分で手がパリパリに乾燥+下水処理場が必要→手にはハンドクリーム、下水処理場の建設と維持…

桶と洗濯板を使っていた頃ほどの手荒れではないにしろ、今でも手は荒れる。
妻のために洗濯機を買うのが甲斐性のある「男」だった。妻と一緒に洗濯板で洗濯をするのは格好良くなかったのだ。洗濯機は「女性」を解放するとまで言われた。洗濯はあくまで女性の仕事だったから。

こうして、女性も男性も
要は、しっかり騙された。

全自動洗濯機があっても電子レンジがあっても、ロボット掃除機があっても、今だに女性は忙しい。
子育て・料理・洗濯・掃除は今でも女性の仕事でしかも、+で外に出て働くことになった。

東芝やパナソニックの最新家電を持っていても、女性は解放されていない。

これがキャピタルのすごいところ。

娯楽、選挙権、国民皆保険、洗濯機、電子レンジ、大急ぎの海外旅行…

労働者がちゃぶ台をひっくり返していた時は、勝ち取れたものが。
労働者が自分の給与明細も読めなっくなった今、少しづつ取り上げられようとしている。

自業自得か。相手が強すぎたのか。

日だまりが消えてしまった。
夫がご飯を炊く準備を始めた。







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