歌舞伎NEXT 阿弖流為

鑑賞後の第一声は「ひえ〜〜……めちゃめちゃかっこよかった……」

シネマ歌舞伎で『歌舞伎NEXT 阿弖流為』を鑑賞してきた。余韻にひたひた浸りながら感想をしたためる。

作・中島かずき、演出・いのうえひでのり という劇団☆新感線のお二方が手がけた歌舞伎NEXT。

オープニングから妖しげな雰囲気が漂いワクワクさせられる。七之助さんめーーーっちゃお美しい。
セリフの言い回しやダンスシーンから劇団☆新感線っぽさを感じる。生田斗真くん主演『偽義経冥界歌』のオープニングを思い出した…!(2月末に2度目の鑑賞を予定)

そこから息をつく間もなく、アクションシーンに突入。え? 今まだ始まって10分くらいよね…? アクションシーンの迫力が凄すぎる。役者の方々の殺陣での身のこなしを見て、思わず「は?」って言っちゃう。ついため息。歌舞伎役者の底力をこれでもか!というほど見せつけられる。
物凄いスピード感での殺陣の合間に、歌舞伎独特の演出「立廻り」が見られる。ゆっくりとした動きで、見得を切る役者の表情がよく見える(シネマ歌舞伎だからこそ!!)。
立廻りでは体勢を美しくキープするのがとても大変なのだろうけど、まったく大変そうに見えないのが役者の方々の凄いところ。スローで動いていたのに、急に激しくなる。その差にびっくりする。

阿弖流為(七代目市川染五郎、現在は十代目松本幸四郎)と坂上田村麻呂(中村勘九郎)、2人の対比が良い。私的には、青い炎と赤い炎、陰と陽、ダークヒーローとヒーロー、のようなイメージ。

後半(終盤?)、阿弖流為の「六方」がかっこよすぎて、その場面の数分間で何度も「かっこいい……」って呟いていた。目が、カラコンを入れた目が、やばい(語彙力)

あらすじや相関図などは何も見ずに挑んだので、「胆沢城」「多賀城」などなど、懐かしいな歴史の授業で勉強したな…となるワードが多く、とても面白かった。

蛮甲(片岡亀蔵)のキャラクターが素敵。最初は「なんやこいつ」と思わせといて、どんどんいい味をお出しになる。
御霊御前、藤原稀継、佐渡馬黒縄、隨鏡も、本当に素晴らしい……!ディズニーでいうヴィランズ、この物語では朝廷の闇。

シネマ歌舞伎ならでは、映像ならではのエフェクト・映像美が満載!
こんな素晴らしい作品を学生料金1,500円で見ていいの……?と思ってしまう。
2019年度の月イチ歌舞伎、完。

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