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ハンドメイド作品の販売価格の決め方について

こんにちは、CAT+v編集部です!
ハンドメイド作品をすでに販売されている方も、これから販売してみようと思っている方も頭を抱えるのが、ハンドメイド作品の販売価格

「なんとなく相場に合わせて売り始めたけれど、売れば売るほど赤字になっている気がする……」という方も多いのではないでしょうか?

安すぎるとタダ働きになってしまうし、高すぎても購入に繋がらない……。
そもそも、自分の作品に対して「価格に見合う価値があるのかな?」と思っている方も、いらっしゃるかもしれませんね。

ハンドメイド活動を長く続けていくためには、適正な販売価格を設定することが大切です。
本記事では、ハンドメイド作品の販売価格の決め方についてご紹介いたします。
ご参考になりましたら幸いです。


安いハンドメイド作品は売れる?


アクセサリーを製作している画像

販売価格があまりにも安すぎると「どうしてこんなに安いの?」と少し不安になりませんか?
流通している低価格のモノには、大量生産や大量仕入れなど、安く販売できる理由があります。

一方、ハンドメイド作品を安値で売ってしまうと、『素人の手作り』という印象が強く残りがち。
「ハンドメイド品だから、既製品より完成度が低い」と自分でブランドの印象を下げてしまっているかもしれません。

もちろん、販売価格が安ければ、それなりに売れるとは思います。
しかし、安い商品を大量に製作し、売れれば売れるほど赤字になってしまうと、作家活動を続けることが難しくなってしまいます。

「材料費を稼ぐために始めた他の仕事が忙しく、ハンドメイド作品をつくる時間も気力もなくなってしまった」なんて方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ハンドメイド作品をつくり続けていくためには、適正な価格設定が必要です。

ハンドメイド作品の原価を把握しよう

販売価格を決めるときに必要な要素は、『原価』と『利益』です。
『原価』とは、その作品をつくる際にかかった費用すべての合計のこと。
まずはこの『原価』が回収できなくては、売れれば売れただけ赤字になってしまいます。

作品ひとつあたりを製作するのに、原価がいくらかかっているのか把握することから始めてみましょう。
大まかな数字でいいので損にならない最低価格を知っておくことが必要です。
最低価格を下回らなければ、赤字を回避できるようになります。

材料費

ひとつの作品を製作する際に使用した材料すべての合計です。
素材そのものや金具などのパーツ、接着剤なども含めます。
「もともと家にあったものだから」と計算に含めない材料があると、今後なくなってしまったときに材料費に大きな影響を与えてしまいますよ。

接着剤などの細かい費用も、積み重なれば大きな出費になってしまうもの。
簡単でかまいませんので、材料費に含めて考えることをおすすめします。

人件費

作品をつくる際にどのくらい時間をかけているのか把握していない方も多いのではないでしょうか。
ぜひ、この機会に測ってみてください。

ハンドメイド作家にとっての人件費は、作品をつくる際にかかった時間、梱包にかかった時間などが含まれます。
時給換算するとわかりやすいので、厚生労働省から発表されている最低賃金を参考にするといいでしょう。
最低賃金を下回らないように設定しておくことで、今後の作家活動のモチベーションを高く保っていくことに繋がります。

梱包費

ハンドメイド作品をインターネットで販売されている方にとって、意外とかさみがちなのが、梱包費。
外箱や緩衝材、OPPシートだけではなく、サンキューカードや台紙なども梱包費に含めて計算しましょう。

原価=材料費+人件費+梱包費

「いままで気にしていなかったけれど、意外と高額になった」という方も多いのではないでしょうか?
この時点で現在の販売価格が原価を下回っている方は、売れれば売れるほど赤字になっているということです。
ここから更に販売手数料や送料なども差し引かれますので、価格の改定を検討してみましょう。

「おうち時間のスキマで製作していたから、人件費なんて考えていなかった」という方も多いようです。
時間をかけて製作したものなので、原価として計算してもなんの問題もありません。

モノづくりにはお金も時間もかかるもの。
「なんとなく罪悪感がある」という方は、もしかしたら自分の作品に対して自信がないのかもしれませんね。

まずは自分の作品に対して、ご自分が一番のファンになりませんか?
「こんなので良かったらどなたか……」というより、
「自信作です!めっちゃ可愛くできました!」と胸を張っているほうが作品も素敵に見えます。

アイデアを製作してカタチにする。
その時点でとても労力がかかっていると思います。
まずはそんな自分を評価してあげましょう。

ハンドメイド作品の利益について考えよう

ハンドメイド作品ひとつあたりの原価が出せたら、利益をどのくらいに設定するのか考えていきましょう。
販売価格は、原価に利益を乗せた金額になります。
しかし、どのくらいの金額を利益として販売価格に上乗せしたらいいのか、正解はありません。
販売する作家自身が自由に設定できます。

原価ギリギリでは今後の活動が難しくなりますし、利益を求めて高すぎる販売価格に設定して購入してもらえないのであれば本末転倒ですよね。
ここでは、販売価格に含む利益について考えていきましょう。

販売価格は【原価の3倍】が相場、目安は2~4倍

一般的な物販ビジネスにおいて、販売価格は【原価の3倍】が相場といわれています。
ハンドメイドマーケットや自分の作品を販売する場所で似たような作品の相場感を参考にしながら、だいたい原価の2~4倍程度を目安に設定するようにしましょう。

手数料に注意

ハンドメイドマーケットやフリマサイトで販売すると、作品が購入された際に販売手数料が差し引かれます。
サービスにより金額に差はありますが、販売価格の10%ほどが販売手数料として差し引かれることが多いでしょう。

イベントや委託で販売されている方は出店料やスペース代などがかかります。
こちらは作品が売れなくても費用が発生するケースが多いので、作品の販売価格を設定する前にチェックしておきましょう。

作品を販売するために発生する手数料もあらかじめ頭に入れておくと、利益がどのくらいになるのか正しく把握できます。

目標から逆算して考える

ハンドメイドを販売して得る売り上げに対して、目標金額は設定していますか?

まだ駆け出しのハンドメイド作家さまは、「ひとつでもいいから買ってもらえると嬉しい」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

ハンドメイド作家として今後も活動していくのであれば、目標金額を設定することをおすすめします。
目標が定まっていれば、作戦が立てやすくなりますよ。

たとえば「月に3万円」を目標としたときの例をご紹介します。

この目標を達成するためには
1つ3万円の商品を1個売る
1つ1万円の商品を3個売る
1つ5千円の商品を6個売る
1つ3千円の商品を10個売る
1つ千円の商品を30個売る
1つ500円の商品を60個売る
1つ300円の商品を100個売る
など、どのような商品を何個売ったらいいのか、という作戦が立てやすくなります。

「つくったモノが売れたら嬉しいだけだから販売している」という活動方針であれば話は別ですが、「ハンドメイド作家として収入を得たい」と思っている方は、ぜひ目標を設定してみてください。

【松竹梅の法則】について

出品する作品そのものの販売価格を3段階に分ける考え方をご紹介します。
お弁当などでよく目にする【松竹梅の法則】です。

看板商品をとして中価格帯に設定し、
それよりもお買い求めやすい低価格の
少し高価格帯のになる商品を用意してみましょう。

松竹梅の3段階の価格帯で商品が並んでいることで、
真ん中にあたる竹の価格帯の商品が売れやすくなります。
また、2点以上でおまとめ割引などを実施すると、竹よりもお求めやすい梅も合わせてセットで購入してもらいやすくなりますよ。

そうした割引を行っても損しないように、
梅:利益率50%程度(原価率50%)
竹:利益率60~70%程度(原価率30~40%)
松:利益率80%程度(原価率20%)
の割合での価格設定がおすすめです。

「安くて利益が少ない梅ばかり売れてしまうのではないか」という疑問もあるかもしれませんが、あくまでも梅は集客、宣伝用の低価格商品。
実際にメインで売り込みたいのは看板商品である竹なので、販売する商品の割合に注意していればいいでしょう。

理想的な割合としては、
松:竹:梅=1:6:3。

松のアイテムに関しては「いつか売れたらいいな」くらいの、強気な価格設定でいいと思います。
もちろん、それ相応の商品価値も必要になりますが……。
売ることを考えずに好きなだけこだわりを詰め込んだ作品ができたら、ひっそり出品しておきましょう。

そうすることで、相対的にメインである竹の価格帯のアイテムが売れやすくなります。
中央値が大好きな日本人の性質をうまく利用している法則です。

ハンドメイド作品の価格設定に悩んだら

実際に販売価格を設定してみて「本当にこの価格でいいのかな?」と不安になることもありますよね。
そんなときは、第三者に意見を求めてみましょう。

知人に聞いてみる

ハンドメイド作品を購入したことがある、ハンドメイド作品に理解がある知人がいれば「これ、いくらに見える?」と聞いてみるといいかもしれません。
ここで重要なのは、ハンドメイド作品に理解があるということです。

一般的に流通している既製品と価格で比較しても仕方がありません。

SNSで聞いてみる

もしも身の回りにハンドメイド作品に理解のある方がいないのであれば、SNSを利用して聞いてみましょう。

TwitterやInstagramのストーリーズにはアンケート機能があるので、いくつか金額を設定してアンケートを取ってみるといいかもしれません。

ただし、あくまでも参考程度に。

実際に価格設定する決定権は、製作者である、あなたが持っています。
原価を下回らないように注意して、適正な価格を設定しましょう。

安売りしすぎたハンドメイド作品の価格改定はしてもいいの?

原価を確認してみて、「実は赤字かも」と思った方、安心してください。

どこかへ委託販売されている場合は委託先に確認が必要ですが、個人で販売されている方は価格改定を検討しましょう。

販売実績やリピーターさんがついているか、どうかにもよって変わりますが
価格改定を実施する約1ヶ月前に誠実にお知らせをすることで、スムーズに価格の改定に踏み切ることができます。

今まで「安くてかわいいから、クーポンやポイント消化のために購入していた」という顧客層から
「本当に作品が好き、ファンです」という顧客層だけ残り、
結果的に売り上げが変わらなかったりすることもあります。

こうしたブランディングを狙って、戦略的に価格改定を実施されている作家さまもいらっしゃいます。
戦略とは、販売実績やお客様レビューを集めるために低価格で商品を販売し、ある程度実績が溜まってきたら段階的に値上げをしていく、というものです。

もちろん、その価格に見合った価値の作品が提供できるのが大前提です。
日々のモノづくりを通して、スキルを磨いていきましょう。

まとめ

ハンドメイド作品の価格設定についてご紹介しました。

ハンドメイド作品の販売価格には、人件費を計算に含めていない方が多くいらっしゃいます。
そうすると、相対的に相場全体が低価格になってしまいがち。

まずは自分の作品の一番のファンになり、胸を張って販売していきましょう。
赤字にならないように原価を正しく知り、原価の2~4倍で価格を設定。
原価に対して販売価格が安すぎたら、価格の改定を検討しましょう。

ご参考になりましたら幸いです。

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