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Trailmakers 初心者ビルドガイド 飛行機編① 飛行機ってどうやって飛んでるの?

0.前置き

こんにちは。ついに飛行機を作ります。空を手中に収めましょう。
飛行機は今までのマシンとは違い、遥かに難しく、そして繊細なものです。
今回は飛行機の基本的な要素の説明となります。実際の作成は次回となります。飛行機のことを知らなければ、飛行機を作ることもできません。
お付き合いください。

1.現実の飛行機を見てみよう

ということで飛行機の画像を用意しました。
皆さんご存知、零式艦上戦闘機、通称「ゼロ戦」です。
このゼロ戦の形を観察して、飛行機の基本要素を解説します。

ウィキメディアから素材を拝借 by Kaboldy, CC BY-SA 3.0

1.1重心を推測する

飛行機を飛ばす上で最も重要な知識はなんでしょう。それは、プロペラでも羽でもありません。重心です
車を作る際にもさんざん重心について話しましたが、飛行機ではすべての起点が重心から始まります。まず重心を知らなければ飛行機は作れないと言っても過言ではありません。

重心の基礎知識は車編でお話ししました。
重心とは、形の中心ではなく、重さの中心で、マシンの全ての動きは重心を中心に起こります。

ではまず先程のゼロ戦の画像から重心を推測してみましょう。
重心は車編でもお話した通り、重いものがある方に寄っていきます。
ではゼロ戦のなかで最も重いものは何でしょう?
答えはエンジンです。逆に言えばエンジン以外を極限まで軽く作ってあります。
ということでゼロ戦の重心位置はこの辺りになります。

ここらへんでしょう

思った以上に前の方に寄っていると思いますが、尾翼の方は長さ、大きさに比してなにも詰まっておらず、とても軽量です。対してエンジンはとても重く、重心が大きく寄っています。
とりあえず、重心位置はわかりました。

1.2主翼について

主翼を図で示すとコレです。飛行機の中で最も大きい羽の事です。

こう見ると何よりも大きい

主翼は断面を見ると片寄った水玉のような形をしています。ちょうどモジュラーウィングを横から見た時のような形です。
主翼の機能とは「揚力を発生させる」ことです。この偏った水玉状の断面は、正面から風を受けるとその風力に比例して上向きに力を発します。これが「揚力」です。
そしてこの揚力を発生させる主翼は重心の近くにあります。つまり、主翼は機体全体を持ち上げる働きをしています。飛行機が速度がないと落ちてしまう理由がコレです。進んでいなければ飛んでいることができないのです。

1.3 水平尾翼について

水平尾翼は機体の後端に主翼と同じ向きにつけられた翼です。
これの役割は、水平方向に機体をまっすぐにすることと、ピッチ方向に機体を回すことです。
なぜ尾翼が機体をまっすぐにできるのか説明しましょう。

後ろのある小さい羽

なんらかの原因で機体が進行方向から斜めになった時を考えます。

斜めになります

この時、尾翼には進行方向から空気抵抗を受けます。そして機体の回転中心は常に重心です。ということは機体は時計回りに回転することになり、水平になろうとします。回転が行きすぎても、同じことが逆回転で起こり機体が水平を保ちます。

逆回転でも起こります

この動きは風見鶏と同じ動きであることから「風見効果」といいます。

尾翼のもう一つの役割であるピッチ方向の回転もこれを利用します。尾翼が機体をまっすぐにする効果があるのなら、尾翼を曲げれば機体が曲がるということになります。進行方向に対する羽の角度を変えることでピッチ方向に機体を回転させられます。

ピッチの操作

そして、全て動きの中心は重心を軸にしています。風見効果もピッチも尾翼が重心から遠いほど、モーメントが大きくなり強力に効きます。そのため、実際の飛行機の多くは、尾翼は重心から遠く離れた位置に設置されています。

1.4垂直尾翼について

垂直尾翼の役割は水平尾翼と向きが違うだけと捉えて問題ありません。
ヨー方向の安定と操作を行っています。

1.5エルロンについて

エルロンはどこにあるかというと、主翼の後縁にあります。この部分が上下にパタパタ動きます。

主翼の後縁

エルロンの役割は機体をロールさせることです。エルロンを左右で互い違いに方向に倒すことにより、左右に揚力の違いを生み出します。それによって機体がロール方向に回転します。

エルロンによるロール

1.6重心と推力中心について

今度はプロペラへと視点を移します。
ご存知プロペラはその回転で空気を送り、その反作用で飛行機を前に進めます。
その推力中心はもちろんそのプロペラの真ん中でしょう。推力中心と重心の位置関係を見てみましょう。

同じくらいの高さ

大体同じくらいの高さにあることがわかります。
ここで重要なのは推力中心は重心と同じ高さ、同じ左右位置にすることです。
例えばプロペラが重心より高い位置にあるとします。すると、上にあるだけ重心と推力中心の間にモーメントが発生することなり、機体が下降方向に回転してしまいます。

サヴォイア・マルケッティ S.55  独特すぎるその形 

推力中心と重心はなるべく一致させましょう。

2.まとめ

これで最低限の飛行機の構成について説明しました。まとめると

  • 主翼は重心を支えるようにする

  • 尾翼は軽く、遠いほど良い

  • ピッチは水平尾翼、ヨーは垂直尾翼、ロールはエルロンで行う

  • 推力中心と重心は高さを合わせる

このようになります。
次回はこの構成を踏まえて簡単な飛行機を実際に作りましょう。

3.おわりに

お疲れ様でした。飛行機は今回説明したことだけでは語り尽くせないほどたくさんの要素が絡み合った乗り物です。作るのは難しいですが、空を自由に飛ぶのは素晴らしい体験です。頑張りましょう。

次回はこの話を踏まえて、実際に飛行機を作ってみましょう。

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