Socket ネットワーク(1)WAN
こんにちは。
株式会社フーバーブレイン SE の香取です。
ときどき聞かれるので、解説を掲載しておきます。
第1回は Cato Socket(以下、Socket)の WAN ポートに接続する回線を冗長化するお話です。
回線冗長化
拠点を Cato Cloud の SD-WAN に参加させるには、インターネット回線が必要です。主・副の2つの回線を用意して、Active-Passive とします。Active-Active の場合もネットワーク構成は同じです。
「あー、回線冗長化ですか」って、こんな形にしたく・・・
なりますよね! でも Socket の場合、正解は
回線の冗長化は同一筐体、別ポートで行う
1台の Cato Socket で、WAN1, 2 のポートに主・副それぞれの回線を接続します。
WAN1 に接続した主回線(Active)が通信できないときに、WAN2 の副回線(Passive)が使われます。
実際には Passive の回線も常に PoP との間にトンネルを張っています。「Active 側のトンネルが通信できないときに Passive 側が Active になる」というのが、Active-Passive 構成時の動作です。
回線と WAN ポートの数が合いません
回線が2本(主・副)
Cato Socket は 2台(Primary / Secondary)= WAN ポート 4つ
「分配」が必要ですね。幾つか方法があります。
ルーターで分配する
Cato Cloud で使用するプロトコルは DTLS(443/udp)
Socket →(connection)→ PoP
PoP からは Socket を訪ねてこないため、静的なグローバルIPアドレスは不要です。また、NAT / NAPT の環境下で、Socket の WAN にプライベート IP アドレスを設定しても問題なく PoP に接続できます。
下図ではホームゲートウェイなどのルーターの LAN 側に Socket の WAN を接続しています。とても良く用いられる形です。
余談ですが、ご利用中の ISP が IPv4 over IPv6 に対応している場合、この構成なら IPoE を利用してパフォーマンスを向上できる可能性があります。
マルチセッション
スイッチで分配するだけ。とてもシンプル!
Socket 2台で回線 2本だと ISP 契約が 4つも必要というのが難点です。
データセンターなどの回線
簡単! スイッチで分配するだけです。
まとめ
WAN の冗長化は同一 Socket 筐体、別ポートで行う。
Socket 筐体の冗長化とは分けて考えること。Socket の WAN ポートにはプライベート IP アドレスを設定しても良い。
NAT / NAPT 環境下でも問題ない。
下の画像は Active-Passive 構成にした例です。
ESXi 上の vSocket なのですが、物理 Socket でも、ほぼ同じ表示です。
次回は LAN 側です。
筐体(HA)やポート(LAG)について、述べたいと思っています。
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