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忘れかけたら思い出せばいい。

 もうすぐ震災から12年が経つ。12/10(土)私は仙台出身の友人と共に、映画「すずめの戸締まり」を見た。この映画は地震を題材にした映画であり、緊急地震速報も流れるため、事前に注意のアナウンスがされていた。映画を見て思ったのは、「面白いからもう一回見たい」という単純な感想だった。映画が終わった時友人は号泣していた。地震を久しぶりに思い出したことがきっかけで、12/15(木)に防災体験施設「そなエリア東京」に行った。とても綺麗な施設だったが、小学生や中学生で溢れかえっており、個人で来ていたのは自分だけだった。郊外学習がメインの施設であるが、東日本大震災を知らない子どもが増えていくなかで、臨場感あふれる施設に半強制的に行くということは大きな意味があると思う。
 私の人生の分岐点は東日本大震災だった。生活インフラの重要性を知ったのも、よく遊びに行っていた場所が一瞬で無くなってしまうことがあることも震災前は知らなかった。毎年、宮城県の海にドライブに行く。真っ黒で荒れている海水浴が禁止された黒い海の近くには、枯れかけた松や慰霊碑、やけに新しい道路があって生々しさがある。津波で甚大な被害を受けた場所も復興し、観光施設も出来てにぎわっているが、やはり震災前のようにはいかない。
 すずめの戸締まりが公開されてから、地震をファンタジーやエンタメとして消費しても良いのかと実際にTwitterで批判の声があった。たしかに、地震が来たときに「閉じ師なんとかして!(地震が起きないように災いの扉を閉じ込める役割)」というtweetは不快感がある。ただ震災から12年が経とうとし、人々の記憶から徐々に薄れてきた今、すずめの戸締まりを公開したことは良かったことだと思う。大きな災害を経験したこもがない人たちは、どんどん増えていく。実際に被災した私には伝える義務があると思う。たくさんの人に防災意識を見直してほしい。そんな中で、すずめの戸締まりは忘れかけていた地震を思い出すきっかけになった。思い出すことで、つらい人たちもいると思うけど私は伝えていきたい。忘れかけたら思い出せばいい。


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