【Geoguessr覚え書き】いい加減トルコの県を当てたい②

トルコの覚え書きその2です。
こんだけ勉強してデイリーのトルコで大ガバやらかしたので精進します。
地中海沿岸と黒海沿岸全部同じに見えません?

記事内の画像はすべて Google Street View より拝借しています。

全国区の特徴

①ゴミ箱

トルコのゴミ箱には高確率で地区名が書いてあります。
「自治体」を示す Belediyesi という単語がキーワードです。

アンタルヤ大都市自治体のムラトパシャ地区だとわかる


②路面舗装

トルコにはタイルで舗装された路面が各地にあります。
特に以下のような形状のものが全国共通でよく使われています。

撮影地:ヤロヴァ


③動物

イスタンブルといえばネコの街として有名ですが、トルコは野良猫だけでなく野良犬に対してもとても寛容な国で、ストリートビューでは野良猫よりもむしろ(よく世話された)野良犬を町じゅうで見かけます。
トルコ発祥の猫の品種として、特徴的な毛色を持つターキッシュヴァンなどが知られています。耳と尻尾が茶色い白猫は中東地域に多いそうです。

イスタンブルのにゃんこ
アルトヴィンのわんこ


④植生

アナトリア半島では比較的乾燥した荒野の風景が典型的です。
基本的には山がちな地形が多く、スペインやギリシャによく似ています。

首都アンカラの郊外ですでにこんな感じ

ヨーロッパ側の景色も大きくは変わりません。
アナトリアと比べるとより平坦なイメージです。

クルクラーレリ県

南部西部にはより典型的な地中海性気候の植生が広がります。
ただし風景だけで細かい地域を絞り込むのはかなり難しいです。

アンタルヤ県内陸部の景色

北部の黒海南岸地域はかなり特徴的で、緑豊かな山地が広がっています。
ただし東西を大きく外すことが多いので要研究です。

オルドゥから少し西に行った山中

東部は全体的に険しい山が多く、山中の植生もかなり特徴的です。
場所によっては、レソトに通じるところのある地形が見られます。

エルズルムから南方に望む険しい山脈
アルトヴィンから少し東に行ったところのカフカスの山中
東部~北東部に広く見られる典型的な風景

南東部の景色は典型的なアナトリアのものとあまり変わりません。
特にヴァン湖周辺には荒涼とした高山の乾燥地帯が広がっています。

南岸から望むヴァン湖


⑤看板

トルコにはいくつか特徴的な看板があります。
例えば電柱にはよく以下のような注意書きが貼ってあります。

「注意!死に至る危険」

地下に天然ガスのパイプラインが埋まっている通りには、建設事業者などに向けた以下のような張り紙があります。
パイプラインは特定のルート上を通っているため場所を絞り込めないこともないですが、いろいろな街を通っているので微妙です。

「この道路には天然ガスパイプラインがあります。許可なく掘削しないこと。」


⑥標識

案内看板のフォントが特徴的です。
トルコ語は比較的わかりやすいですが、フォントでも判断できます。

たいがいは文字や単語で余裕

町の入口を示す標識は青色です。
同じフォントですが大文字だとわかりづらいです。

真っ青なのはヨーロッパ全体でも珍しい

自治体間を結ぶ道路番号はDで始まるものが基本です。
標識の左上の数字がDに続く道路番号、右上の数字がおそらく区間、下の数字は区間内でのキロポストの役割を果たしています。
地図上ではEで始まる道路番号に重なっている区間も多いです。

道路番号だけだとビタ当てはかなり難しい


⑦高速道路

トルコの高速道路にはOで始まる番号がついていますが、数は少ないです。
そのぶん一部を除いて片側3車線ずつの計6車線と広く、首都周辺など一部には片側4車線ずつの区間もあります。

アンカラの環状線であるO-20は全区間が片側4車線


⑧地名

トルコの地名には著名人の名前が多く含まれています。

街区Mahalle大通りBulvarなどにつけられている人名はその街に特に関係のないものであることも多く、逆に自治体名教育機関空港の名前にはその都市に関係する人物や出来事にちなんだものであることが多いです。
ザフェル空港(キュタヒヤ):独立戦争の「勝利」にちなむ?
コジャスィナン(カイセリ):カイセリ出身の建築家スィナンにちなむ
オンドクズマユス(サムスン):サムスン上陸の日付にちなむ
・ドクズエイリュル大学(イズミル):イズミル再占領の日付にちなむ

他の多くの国でもそうであるように、トルコには同名の町村が数多く存在します。特に -köy(~村)や -şehir(~町)のような地名は全国に数多ある可能性が高いので、他の情報を探した方がいいでしょう。


⑨カバレッジ

基本的に全土が出題されます。
小規模な町村や都市を結ぶ幹線道路も広く出されるため、県が分かってもアンカラやムーラのような大きな県だと大きく外れることもあります。

東部の一部の県、具体的にはアルダハン・ハッキャリ・シルナクの三県については県都にカバレッジがありません。
いずれも険しい山岳地帯を通る幹線道路のみがカバレッジです。

トレッカーカバレッジは全国的に見れば少ない国です。
イスタンブル級の大都市圏やガリポリ半島に多いです。



県ごとの特徴

トルコの県は81個あるので名前覚えるだけでもかなりしんどいですが、頑張って主要な県は当てられるようになりたいですね。
県名と県都の名前は原則一致するので、県名を覚えるというよりは主要都市を覚えるつもりでいた方がいいかもしれません。

ただし、大都市自治体に指定されている県では行政区画が特殊で、日本で言う区名まで覚える必要があるため大変です。詳細は別の記事にて。

1.イスタンブル 0212 / 0216
首都アンカラと並ぶ大都市でオスマン帝国時代の帝都です。
市外局番がボスフォラス海峡の両岸で異なっています。

ガラタ橋から見たイスタンブル中心市街
この配色の看板はイスタンブルで一番よく見かけます

2.エスキシェヒル 0222
西部アナトリアを代表する大都市のひとつです。
名前は「古い街」という意味ですが観光地というよりは産業都市です。
アナドル大学(アナドルはアナトリアの意)の所在地です。

3.ブルサ 0224
オスマン帝国最初の帝都として知られ、中心にはオスマンガーズィー(オスマン1世のこと)の名を冠した地区があります。ただしオスマン帝国揺籃の地として知られるソユトは隣のビレジク県にあります。

街全体がを大切にしており、市街地の緑化が比較的進んでいるほか、緑色に塗装されたさまざまなものを見ることができます。

トルコでは珍しい緑色の看板
緑を大切にしようという気概を感じる街並み
こういうちょっとした緑の区画があったり
緑色のゴミ箱があったり
にゃんこがいたり

ギリシア語名のニカイアで知られているイズニクや、トルコ独立戦争の休戦協定が結ばれたムダンヤもブルサ県にあります。
また、ムスタファケマルパシャという名前の自治体があります。

マルマラ海にもほど近いイズニク湖

4.ヤロヴァ 0226
イスタンブル県から1995年に分離した海沿いの小さな県です。
市外局番はビレジクより前にあるので要注意(1敗)。

5.ビレジク 0228
エスキシェヒルとブルサに挟まれた県です。
大都市自治体二つに挟まれて忘れられがちな県です。

6.イズミル 0232
アナトリア西岸の中央に位置する大きな県です。
北のベルガマ(ペルガモン)の方からキオス島対岸のチェシュメまでイズミル県の範囲なので市外局番からだと結構外れることがあります。

チェシュメから望むエーゲ海とギリシャ領のキオス島
イズミルでよく見る番地を示すタイル

7.マニサ 0236
貿易港イズミルの後背地として知られています。
地名の由来となったマグネシアは、シリア戦争においてセレウコス朝がローマに敗れた場所として記憶されています。

8.アンタルヤ 0242
アダナやメルスィンと並ぶアナトリア南岸の主要都市のひとつです。
トルコ有数のリゾート地で、海岸にはビーチも多くあります。

露骨に南国リゾートの街並み

9.ウスパルタ 0246
湖と山に囲まれた内陸部の県です。
元大統領のスレイマン・デミレルの出身地であり、ウスパルタには彼の名にちなんだ施設がいくつかあるようです。

エイルディル湖

伝統的なバラ油製造で有名らしく、市のロゴにもバラがデザインされているほか、バラのモチーフが市内随所に見られます。

バラの花がデザインされたゴミ箱

10.ブルドゥル 0248
ウスパルタと同様に湖や山の大自然に囲まれています。
夏は乾燥し冬の降雪も多い厳しい気候の地域らしいです。

11.ムーラ 0252
トルコ南西部の沿岸地域一帯を占める広い県です。
県都ムーラは内陸にありますが、複雑な海岸線を持ちギリシャ領の島々にも近い沿岸地域には、マルマリスを始めとしたリゾート地があります。

ヤシの木が並ぶマルマリスの通り

オスマン帝国の海軍軍人として名高いトゥルグート・レイスはこの辺りの出身で、その名にちなんだ自治体もあります。

12.アイドゥン 0256
かつてのアイドゥン侯国にちなんだ地名です。
トルコの地中海沿岸地域の中でも特に農作物の生産で有名で、スミルナ(イズミル)の名で知られたイチジクの主生産地はアイドゥンだそうです。

沿岸部にはイチジクとオリーヴのほかにモモの農園も広がる

1960年の軍事クーデターで失脚・処刑された首相アドナン・メンデレスがアイドゥン出身のため、彼の名にちなんだ地名や施設が多くあります。

13.デニズリ 0258
デニズ(海)の名を冠しておきながら内陸の県です。
同じ地名がイズミルの海沿いにもあります。
残念ながらカバレッジはないですが、パムッカレの所在地です。

遠くに見えないこともない
海どころか市街地の南にはとんでもない山々がある

パムッカレ以外にも温泉が多く、観光客も多いです。
独特の声を持つが有名で、市街にはモニュメントがあります。

デニズリ大都市自治体のロゴにも鶏がデザインされている

14.コジャエリ県 0262
マルマラ海東岸に位置する県で、県都はイズミトにあります。
イスタンブルにほど近いゲブゼの町もこの県に含まれ、イスタンブルとアナトリア各地を結ぶ交通の要衝となっていますが、市外局番がイスタンブルやブルサとは離れているので覚える際は注意が必要です。

イズミト湾の内奥部

15.サカルヤ県 0264
サカルヤ川の下流域にある県で、県都はアダパザルの名で知られています。
トルコ独立戦争でトルコ側の最終防衛線となったことで知られるサカルヤ川ですが、このサカルヤ川の戦いで主戦場となったのは上流域、アンカラに向かって川が大きく湾曲しているあたりだったそうです。

16.バルケスィール 0266
マルマラ海南岸から地中海東岸北部にかけて広がる大きな県です。
県都バルケスィールは内陸にありますが、マルマラ海に突き出したカプダー半島の付け根にあるバンドゥルマや、地中海沿岸のアイヴァルクなど著名な都市がいくつかあります。

カプダー半島から見たマルマラ海

17.アフヨンカラヒサル 0272
オスマン帝国時代はカラヒサル・サヒップの名で知られていた街です。
県名・県都ともに省略してアフヨンと呼ばれることが多いです。

市街地の中心にある岩山には要塞跡が残る

18.キュタヒヤ 0274
エスキシェヒルにも近い陶器製造で有名な内陸部の街です。
オスマン帝国がエジプトに惨敗したことで知られる第1次エジプト・トルコ戦争の講和条約が締結されたのがキュタヒヤでした。

19.ウシャク 0276
絨毯産業で世界的に有名な街です。
伝統的に製造業の街で、市内には大きな工業団地があります。

20.テキルダー 0282
イスタンブルの西に隣接するヨーロッパ側の県です。
県都はテキルダーですが、最大都市はチョルルです。
ラク(トルコの蒸留酒)の生産で有名なほか、ナショナリストの詩人ナームク・ケマルの生家があることでも知られています。

21.エディルネ 0284
アドリアノープルの名でも知られる、オスマン帝国第二の帝都です。
単純にコンスタンティノープル占領前の帝都だっただけでなく、イスタンブル遷都後もヨーロッパ側の拠点として重要視されていた歴史ある街です。
現在は都市の規模としては大きくない国境の田舎町になっています。

宮殿は度重なる戦禍によって現在は廃墟となっている

ちなみに、トルコにおいて最もコメを生産している県がエディルネです。
チャナッカレやバルケスィールもコメの生産地として知られています。

トルコではあまり見ることのない水田の風景

22.チャナッカレ 0286
チャナッカレ海峡(ダーダネルス海峡)のある県です。
ボアズィチ(ボスフォラス海峡)の両岸がイスタンブル県であるようにチャナッカレ海峡の両岸がチャナッカレ県に属しますが、北岸地域がほぼゲリボル半島に限られるのに対し、南岸地域はアナトリア側に大きく広がっているため注意を要します。
県都はアナトリア側の海峡に面したチャナッカレですが、半島側にもゲリボルやのように比較的大きな町がいくつかあります。

対岸がはっきりと見えるチャナッカレ海峡最狭部

ゲリボル(ガリポリ)半島は第一次世界大戦の激戦地として有名で、連合軍の上陸地点となった半島南端のセデュルバヒル、西岸のアンザック入江スヴラ湾や、アナファルタカンルスルト(血の尾根)のような戦場跡には両軍の兵士が眠る多くの墓地やモニュメントが建てられています。

第57歩兵連隊墓地
史上有名な一本松の戦場跡にはANZAC兵士のための墓地がある

フランス軍が上陸を行った半島対岸のクムカレのほど近くにはトロイア遺跡がありますが、カバレッジがないため標識で見るだけです。

近づくことすら許されない

23.クルクラーレリ 0288
クルク・キリッセの名でも知られるヨーロッパ側の街です。
バルカン戦争ではブルガリアとオスマン帝国の間の戦場となりました。
人口は県都以南の南部に集中しています。アナトリア同様北部や黒海沿岸地域は緑豊かな地域で、カバレッジは幹線道路に限られています。

県北東部を走るD565

24.アンカラ 0312
トルコの首都でイスタンブルと並ぶ大都市のひとつです。
県としても面積が広いため、地区の場所まで覚えるのもいいでしょう。

アンカラの都心に位置するアタテュルク廟
都心を外れるとアナトリア内陸部の典型的な風景

市外局番や地区名などから都心であればいい確率で当てることができます。
高原に位置する市街地も特徴的なので覚えられるといいかもしれません。

この形の看板でも特定できます

25.クルッカレ 0318
首都アンカラにほど近く、小さな県ながら鋼鉄・機械産業や化学産業の中心地として重要な役割を果たしています。
市の近くをクズルウルマク川が流れています。

26.アダナ 0322
豊かなキリキアの平原の中央に位置し、農産物などの集散地としてトルコ南部の主要都市のひとつに数えられています。
県都アダナは内陸に位置し、メルスィンが主要な外港となっています。
市内にはNATOのインジルリク空軍基地があります。

トルコでは珍しくどこまでも豊かな平原が広がる
県内カラタシュの港はそこまで大きくない

中心が内陸にある県ですが、平地にあって気候も温暖なため、メルスィンやアンタルヤなど沿岸部と錯覚するような場所もけっこうあります。

どちらかといえば北寄りのチュクロヴァの街中にも普通にヤシの木がある
しかし産業センター特有の高いビルも多い

一方でカイセリとの県境付近には険しいタロス山脈が連なり、主要な幹線道路は主に東西に延びています。夏の暑さがかなり厳しい地域ですが、山中においてもトルコの中では比較的豊かな植生が見られます。

アダナ県北部の山中

27.メルスィン 0324
アンタルヤと並ぶトルコ南岸の主要な港湾都市です。
中心地区は地中海沿岸に典型的な南国風の街並みで、アンタルヤとの区別に悩むことになりますが、メルスィンはリゾートというよりは貿易港であり、工業もかなり発展した産業都市としての趣が強いようです。

アンタルヤと何が違うか
港はいかにも貿易港という風格

一方で、県西部のキプロス島に向かい合う辺りにはタロス山脈が位置し、かなり海沿いギリギリまで山肌が迫っている場所もあります。
シリフケとアランヤの間のカバレッジは沿岸に限られ、景色もかなりメルスィンやアンタルヤの中心とは異なったものが見られます。

割と日本の海沿いに近いかも
植生はさすがに沿岸域だけあってかなり豊か

28.ハタイ県 0326
トルコ最南端の県で、シリアに食い込むように位置しています。
歴史的にも重要な地域で、県都は古都アンタキヤ(アンティオキア)、最大都市は港町のイスケンデルン(アレクサンドレッタ)です。
ハタイがトルコに編入された経緯は複雑ですが、現在ではトルコ南部屈指の大都市に成長し、製鉄業などでかなり栄えています。

アダナと異なってイスケンデルンのすぐ後背には山地が広がる
イスケンデルン市街とイスケンデルン湾

その文化的特異性と特に温暖な気候にもかかわらず、現在の街並みはトルコの他地域と大きく変わるものではありません。

サマンダー地区ヴァクフル村に残るアルメニア人の教会
現在は小さな博物館になっている

29.オスマニイェ 0328
1996年に新設された比較的新しい県です。
キリキアとアラブ地域を結ぶ交通の要衝で、小さい県ながら県都オスマニイェにはこの辺りに典型的な街並みの大市街地があります。

30.コンヤ 0332
アンカラ県の南に隣接するトルコ最大の面積を持つ県です。
県都コンヤはアナトリア内陸部を代表する都市で、かつてはルーム・セルジューク朝の首都として、オスマン帝国時代はメヴレヴィー教団の本拠地として繁栄してきました。

郊外には比較的起伏の少ないコンヤ平原が広がる

スーフィー教団がアタテュルクによって閉鎖されたためか、現在ではセルジューク朝の首都というイメージが強いようで、セルジューク(トルコ語ではSelçuk)の名を冠する地名や施設が多いです。

セリム2世のモスクと現在は博物館となっているメヴレヴィー教団の道場
セルチュクル区のセルチュコール・モスク

31.カラマン 0338
コンヤ県の南東、タロス山脈の北に位置する県です。
南西部が山脈の中西部にかかっていますが、県都カラマンのあたりはコンヤと同じように比較的平坦な地形となっています。
第一次世界大戦のカフカス戦線とトルコ独立戦争のアルメニア戦で活躍した軍人キャーズム・カラベキル(彼自身はイスタンブルの出身)の父方のルーツの地だったため、その名を冠した小さな町があります。

カバレッジがないのはムスタファ・ケマルの政敵だったから?

カラマンはベイリクの中でも特に強力で、長きにわたってオスマン帝国と戦いを繰り広げたカラマン侯国の中心地でした。
詳細な経緯は筆者も知りませんが、ギリシャ文字で書かれるトルコ語のことを歴史的にカラマン語と呼び、オスマン帝国ではトルコ語を話すギリシャ正教徒のことをカラマンルと呼んでいました。
街には多くのギリシャ人やアルメニア人も住んでいたようですが、ビザンツ帝国滅亡からほどなくしてカラマン侯国も併合され、トルコ革命を経た現在ではこうした多文化的な風景は失われてしまっているようです。

カラマン市内に残る数少ない教会のひとつ

32.ガズィアンテプ 0342
かつては単にアンテプと呼ばれていたシリア国境付近の県です。
県都は古くから交易で栄えた街で、郊外では農業も盛んです。
この地域はクルド人問題の最前線にある地のひとつで、都市としての規模も大きいことからトルコの地方政治において重要視されています。
トルコ・シリア大地震によって大きな被害が出た地域でもあります。

モザイク博物館前にある隊商列のオブジェ

高原地帯に位置し、街の周辺にはなだらかな傾斜が見られます。
キリキアの豊かな平原と南東アナトリアの乾燥地帯の境界にあり、東に行くにつれ徐々に乾燥した地形に変わっていきます。

ガズィアンテプからオスマニイェ方面に向かう幹線道路
ガズィアンテプからシャンルウルファ方面に向かう道路

33.カフラマンマラシュ 0344
ガズィアンテプの北に位置する県です。
ベイリクのドゥルカディル侯国の中心地として知られており、粘り気の強いトルコアイス(ドンドゥルマ)が名物だそうです。
県都カフラマンマラシュと第二都市のエルビスタンはいずれもトルコ・シリア大地震の震源に近く、多くの被害が発生しました。

34.スィヴァス 0346
カフラマンマラシュのさらに北に位置する大きな県です。
県全体が中部アナトリアの高地に位置し、アナトリア中北部に典型的な荒涼とした高原地帯が広がります。
交通の要所ではありますが、県都の規模はそこまで大きくはありません。

特に県南部は典型的なアナトリアの高原といった地形

35.キリス 0348
ガズィアンテプ県から分離して新設された小さな県です。
ガズィアンテプとアレッポの中間に位置し、厳しい気候ながら県の広い範囲で農業がおこなわれています。

Halepはトルコ語でアレッポのこと

36.カイセリ 0352
中部アナトリアの主要都市のひとつです。
都市名はカエサルに由来し、工業都市としてコンヤに匹敵する規模の大都市ですが、周囲は険しい山に囲まれており、郊外には中央アナトリア特有の荒涼とした高原の風景が広がっています。
冬の降雪量も多いため、積雪のあるカバレッジが多いです。

1月には山間部ではここまで雪が積もる
カイセリ市街地の南にそびえるエルジイェス山
カイセリの中心付近は高い建物も多く特徴的

タロス山脈の険しい山地が南部から東部にかけてを貫き、そこから北に向かって延々と高原地帯が続く、地形的には非常に特徴的な県です。
タロス山脈の北端にかかる県南の突出部にはカバレッジがありません。

カイセリの郊外によくある荒野
スィヴァス方面に向かう県東部には冠雪した稜線が連なる
カフラマンマラシュとの県境付近は完全にタロス山脈の山中

37.ヨズガト 0354
中央アナトリアの高原に位置する県です。
市の郊外には松が群生する国立公園があります。

38.トカト 0356
スィヴァス県の北、ヨズガト県の北東に位置する県です。
このあたりは市外局番を間違えがちなうえに県の面積が大きいためダメージが大きいです。スィヴァスがガズィアンテプと同じエリアであること、チョルムがサムスンと同じエリアであることに加え、カイセリ・ヨズガト・トカト・アマスヤの順番は確実に覚えておいた方がいいでしょう。
県都トカトのほかに西部のズィレがよく出題されます。

39.アマスヤ 0358
トカトとサムスンに挟まれた比較的小さな県です。
黒海沿岸の山脈の中に位置し、県都は険しい峡谷の中にあります。そのためチョルムやトカトと比べると地形や街の雰囲気はだいぶ変わります。
ストラボンの出身地として知られるほか、ポントス王国の発祥の地とも言われ、現在はリンゴ(トルコ語でelma)の生産で有名なようです。

アマスヤ市街の中央に位置する大岩には要塞跡やポントス王家の墓がある
川沿いの峡谷に町が作られていることがわかる

40.サムスン 0362
黒海沿岸地方の主要都市の一つで、ムスタファ・ケマルが上陸して独立戦争を開始した地としてトルコ人にとってはとても重要な街です。
工業都市でありながらビーチも多く、街も近代的に整備されていて黒海沿岸地域では屈指のにぎやかな雰囲気が特徴的です。

海沿いの緩やかな斜面に都市が作られている

地理的にはトルコ最大級の河川であるクズルウルマク川の河口があり、マルマラ地方に次ぐ稲作地帯として有名です。
黒海沿岸特有の緑豊かな山の中をぐねぐねと流れていきますが、実は河口付近にはカバレッジがほとんどありません。

クズルウルマク川

41.チョルム 0364
ヨズガトの真北にある県ですが、市外局番はサムスンと同じグループです。
大きくカーブしながらクズルウルマク川が流れていてるため、ひょっとしたら田園風景にも出くわすかもしれません。
北部では典型的な黒海地方の緑豊かな風景が、南部には中央アナトリア高原の荒涼とした風景が見られます。県都付近では折衷的な景色もあり、両地域の特徴を兼ね備えた特異的な風景が見られるでしょう。

高原にできた黒海の森のイメージ
黒海の緑が生えているアナトリア高原のイメージ

県南部のボアズカレ(ボアズキョイ)にはヒッタイトの首都として知られるハットゥシャの遺跡があります。

トロイア同様カバレッジがないので遠くから丘を見るだけ

42.カスタモヌ 0366
同じく黒海沿岸の県ですが、黒海沿岸を東西に走る山脈が海のすぐ近くにまで迫っているため、例外的に県都が内陸部にあります。
海沿いにはイネボルという港町があるほかは大きな町はありません。

メルスィンの県西部と対を成すような海沿いの風景

43.スィノプ 0368
黒海に突き出た半島の中に市街地が位置する少し変わった街です。
歴史のある港町でありながら周囲を山脈に遮られていて、現代ではすっかり田舎町の趣になっています。市外局番を間違えやすいので注意。

奇妙な形の半島を挟んで位置する街の規模はごく小さい
ポントス山脈の山中

歴史的にはポントス王国やベイリクのジャンダル(イスフェンディヤル)侯国が拠点を置き、港湾都市としてそれなりに重要な役割を持っていました。
クリミア戦争が国際化するきっかけとなった海戦が起こった場所であり、エルバカン元首相の出身地でもあるようです。

遠くに見えているのが市街地のある半島

44.カラビュク 0370
黒海地方、バルトゥンの南に位置する内陸県です。
県都カラビュクはかなり新しい街で、その隣にあるサフランボルのほうがむしろ歴史のある街であり、なんなら世界遺産です。
県自体も1995年に新設されたもので、市外局番はイレギュラー的に0が割り当てられています。市外局番の最後の桁が0であるのはカラビュクとデュズジェの二県のみです。

サフランボル旧市街地

45.ゾングルダク 0372
サムスンやトラブゾンと並ぶ黒海沿岸の主要な港の一つで、中でも石炭の主要産地として名が知られています。
市街地は海沿いの急斜面に作られていて、黒海沿岸の都市の中でも随一の傾斜があります。その一方で、海岸線には砂浜も多くあります。

黒海沿岸でこれだけ砂浜が連なっている地域は珍しい
地図を見ても急斜面に街が立っていることがわかる

46.ボル 0374
デュズジェ県の新設によって今は内陸県となった、黒海地域の県です。
黒海沿岸に典型的な緑豊かな山地が広がり、イスタンブルとアンカラを結ぶ交通の要所にあることから観光客も多いようです。
市外局番は02から始まるコジャエリやエスキシェヒルの仲間ではなく、03から始まるゾングルダクの仲間なので注意が必要です。

47.チャンクル 0376
アンカラの北、チョルムの西に隣接する比較的規模の小さな県です。
地形や植生はチョルムによく似ていて、地域によってはチョルム以上に黒海沿岸に近い植生を見ることができます。
市外局番がやはり覚えづらく、名前も似ているのでチョルムの次に来たくなりますが、別グループなので気を付けましょう。
ゾングルダクのグループは分かりづらいので、カラビュクからデュズジェまでの順番を全て覚えてしまった方がいいでしょう。

48.バルトゥン 0378
カラビュクの北に位置する黒海沿いの県です。
1991年に新設された新しい県で、市街地は小さいながらもヨーロッパ的で洗練された印象を持っていて、なかなかに綺麗です。
黒海地域の中でも気候が穏やかで、街周辺の植生も豊かです。

スペインと見まがうほどのきれいな街並み

49.デュズジェ 0380
イズミト大地震の際にボルから分離されたトルコで最も新しい県です。
市外局番037グループからの分離でありながら、バルトゥンとカラビュクの新設で0370までが使い切られてしまっていたため、本来のグループとは地理的にかけ離れた038番台が割り当てられたイレギュラーな経緯があります。
そのため、0380のデュズジェは絶対に覚える必要があります。

50.アクサライ 0382
トゥズ湖の東岸に位置する内陸県です。
広域のカッパドキアに属する自然豊かな県で、トゥズ湖はフラミンゴの繁殖地として知られ、ニーデとの県境付近には美しいハサン山がそびえます。

トゥズ湖沿いに広がる平地
富士山によく似たハサン山が市街地からも見える

51.ネヴシェヒル 0384
広域のカッパドキアに属する県のひとつです。
チューリップ時代を築いたアフメト3世の右腕として権力を集めたネヴシェヒルリ・イブラーヒーム・パシャの出身地として知られるほか、カッパドキアの中心としてとくに有名なギョレメ国立公園(日本で一般にカッパドキアとして知られている奇岩群)が市街地のすぐ東に位置しています。

トルコの世界遺産では珍しく広範なカバレッジがある

52.クルシェヒル 0386
中央アナトリアの標高の高い平原に位置する県です。
広義のカッパドキア地方に含まれることもありますが、一般的にイメージされる火山活動によって形成された台地の地形はそこまで多くありません。

53.ニーデ 0388
アンカラとアダナを結ぶ高速道路上に位置する県です。
北側にはカッパドキアの台地が、南側にはトロス山脈が、東部には険しいアラダー山脈がそびえる山間部に位置しています。

市街地のそばにまで山肌が迫っている
アダナに向かう高速道路はトロス山脈の山中を貫く
県東部のアラダー山脈の西麓にもカバレッジがある

54.ディヤルバクル 0412
トルコ東部を代表する歴史的な都市で、かつては多数のアルメニア人が暮らしていたほか、現在でも多くのクルド人が暮らしています。
ティグリス川上流域に位置し、通商路の結節点として栄えてきました。メソポタミアの延長にあるトルコ東部の中では比較的豊かな地域でもあります。
一部が世界遺産にも登録されている美しい旧市街地があります。

55.シャンルウルファ 0414
トルコ東南部、ガズィアンテプの東に位置する大きな県です。
ガズィアンテプとの県境にはユーフラテス川が流れており、トルコ政府による灌漑事業の結果、耕作に適した肥沃な盆地が広がっています。
エデッサの名でも知られており、県南部のハッラーン(カルラエの名で知られる)と共に古代からの長い歴史を持っています。

ユーフラテス川沿いには数多くのダムがある

56.アドゥヤマン 0416
トルコ東南部の乾燥した山地に位置する県です。
シャンルウルファとの県境にはユーフラテス川の水をせき止めて作られた巨大な人口湖があり、発電や灌漑に使われているようですが、湖の周辺にはカバレッジがないので気にしない方がいいです。

57.マラトヤ 0422
ユーフラテス川の上流に位置する県で、市街地の近くにはダムがあります。
乾燥した山岳地帯ですが、ユーフラテス川の水のおかげで耕作に適し、アンズの生産でとくに有名だそうです。
トルコ第2代大統領イノニュの出身地としても知られ、イノニュ大学が所在します。トゥルグート・オザルの出身地でもあるようです。

この辺りダムは多いが実はカバレッジはほとんどない

58.エラズー 0424
ユーフラテス川のさらに上流にある山間部の県です。
県の周囲にはユーフラテス川に作られたダム湖に加えて自然湖も点在し、相対的に水の見えるカバレッジも多めです。

59.ビンギョル 0426
東アナトリアの高原に位置する県です。
主要河川は県南部を流れるムラト川で、山間部をそのほかの小さな川がたくさん流れています。周囲を険しい山岳地帯に囲まれています。

60.トゥンジェリ 0428
エラズーの北に位置する山間部の県です。
かつてはデルスィムの名で知られていた場所で、県北部にはエルズィンジャンとの間にそびえるムンズル山脈など険しい山々がそびえます。
カバレッジが県都トゥンジェリの一部とD885にしかありません。

61.ヴァン 0432
トルコ最大の湖であるヴァン湖東岸にある大きな県です。
乾燥した高山地帯にあり、湖岸の景色は特に特徴的です。
かつてはアルメニア人の居住地で、第一次世界大戦の際には大規模なアルメニア人による蜂起が発生しました。

ヴァン湖沿岸
季節次第ではフェロー諸島みたいになる

県北部にはサファヴィー朝とオスマン帝国が戦った場所として知られるチャルドゥラーンがありますが、実際の戦場はイラン側だったようです。

道路自体が傾斜しているのかカメラが傾いているようにも見える

62.ビトリス 0434
ヴァン湖西岸一帯を占める県です。
県都ビトリスは山中にあり、湖岸にはタトヴァンという町があります。

北岸から見たヴァン湖

63.ムシュ 0436
ビトリスの北に位置する県です。
ヴァンやビトリスと同じくかつてはアルメニア人が、現在はクルド人が多く住んでいます。このヴァン湖沿岸一帯は、オスマン帝国末期のアルメニア人問題の最前線の地のひとつでした。

平地も多い県だがムシュ市街のすぐ南には山々が連なる

セルジューク朝がビザンツ帝国を破って、アナトリア半島にトルコ文化が流入する契機となったマラズギルトの戦いで知られるマラズギルトはムシュ県東部にあり、カバレッジはありませんが記念碑もあります。

近くの道路から記念碑が見える

64.ハッキャリ 0438
トルコの右下に位置する県で、市外局番が048ではなく北隣のヴァンと同じグループにあたる043なので、覚える際に注意を要します。
周囲の県とは険しいクルディスタンの山岳によって隔絶されており、カバレッジが幹線道路沿いにしかないため出題頻度も低いです。

トルコでもトップクラスの急峻な山岳地帯

65.エルズルム 0442
トルコ東部の中心県のひとつで、カフカス地方への入り口にあたります。
第一次世界大戦ではカフカス戦線の中枢となり、キョプリュキョイやオルトゥなど緒戦の戦場のいくつかはエルズルム県にあります。
市街地のすぐ南方にはパランドケン山があり、東方から北方にかけても山脈が連なる自然の要害となっていますが、第一次世界大戦ではロシア軍にあっさり占領されてしまったようです。

市街地から南東方向の風景

エルズルム市街から東方に向かってはしばらく比較的なだらかな丘陵地帯が続きますが、北方に向かってはカフカスの険しい山脈が連なります。

キョプリュキョイ(橋の村)付近のアラス川

66.エルズィンジャン 0446
エルズルムの西に位置する県です。
第一次世界大戦でロシアとオスマン帝国の休戦が結ばれた地点です。
エルズルム以上に山岳に囲まれており、市街地からすぐ南にはアクババ山を中心とした険しい山々が見え、ランドマークとして使えます。
この山々が特徴的なため、実はケープタウンと同様に景色からのビタ寄せがしやすい県です。うまくいけば相手を出し抜けるかも?

市街地のすぐ南に冠雪した山々が見える
市街地から多少離れても南方の景色が特徴的
北東方向にも山脈が広がる

ちなみにこの山々はデニズリと配置が非常によく似ています。
同様に市街地のすぐ南に山岳があるので気を付けましょう(1敗)。

なんならエルズィンジャンより急峻なデニズリの山々

67.オルドゥ 0452
サムスンの東に位置する黒海沿岸の県です。
典型的な黒海沿岸の植生で、ヘーゼルナッツの栽培で有名だそうです。

68.ギレスン 0454
オルドゥとトラブゾンの間に位置する県です。
県都ギレスンから南方向には片側一車線で急カーブが連なる、北アナトリア山脈の特に東半分によく見られる険しい山道が続いています。

69.ギュムシュハーネ 0456
やはり黒海地方の県ですが、ギレスンまでとは異なりトラブゾンの南に潜り込むような形の内陸県です。0452から数える際は、トラブゾンを0462にすることを意識すれば自然と覚えられるでしょう。
県都は山のど真ん中にあり、急斜面がすぐそばまで来ています。

高台から見たギュムシュハーネ市街

70.バイブルト 0458
同じくトラブゾンの南に位置する内陸県です。
県都はギュムシュハーネと比べてなだらかな丘陵の上に位置し、城壁跡が大々的に残っている特徴的な場所があります。

見晴らしの良い場所からならランドマークとして使える
城壁は市街中心の丘の上に残されている

見通しの良い高原にある県都とは対照的に、東西南北に伸びる道路はいずれも険しい北東アナトリアの山中を抜けるもので、トンネルや対面通行も整備されていないため道路状況がかなり悪いです。
特にトラブゾン・リゼ方面に向かうD915はトルコのカバレッジではもっとも険しい道のひとつで、県境には文字通りの七曲りがあります。

とんでもない峡谷を強引に突破するD915(1敗)
Duelsでは爆アドになるかも

71.トラブゾン 0462
トルコ黒海沿岸ではサムスンと並ぶ大都市です。
ギリシャ語ではトレビゾンドと呼ばれ、ビザンツ帝国の亡命政権のひとつトレビゾンド帝国の所在地として知られています。
海岸線沿いの斜面に街が広がる典型的な黒海沿岸の都市で、東北部の経済を支える大規模な港があります。少し内陸部に入ると北アナトリア山脈東部によく見られる山あいの道路が続いています。

とはいえ幹線道路は片側2車線区間が多い
やはり1車線ずつしかないD915のトラブゾン側

72.リゼ 0464
トラブゾンの東に位置する黒海沿岸の県です。
エルドアン大統領の故郷と見なされていますが、田舎者のイメージを避けるためかあまり大々的に宣伝されているわけではないようです。
トルコ最大のお茶の生産地として知られています。

73.アルトヴィン 0466
黒海沿岸ジョージア国境に隣接したカフカス山中の県です。
ただしこの地域でジョージア国境を越える幹線道路は、アルダハン経由のものかバトゥーミに向かう沿岸のものしかありません。

アルトヴィン市街地

特に密度の高い森林に覆われた山岳地帯にあり、チョルフ川沿いの深い峡谷にはダムがいくつも建てられています。

ダム湖沿いのカバレッジも多い

74.アール 0472
クルディスタンの高原とカフカス山中の中間に位置する県です。
トルコの極東部に典型的な木々の少ない草原が広がり、農地としてよりも牧草地として使われている土地が多いようです。

草の生え方はレソトによく似る

東部ドウバヤズトは県名の由来であるアララト山(トルコ語でアール山)の南麓に位置し、北東方向にはっきりとその姿を見ることができます。
イスハークパシャ宮殿にはカバレッジがありません。

さすがの風格を誇る霊峰アララト山

75.カルス 0474
トルコのカフカス地方の中心的な県です。
トルコ極東部に典型的な場所が多く、カフカスの険しい山々に囲まれた高原地帯が広がっていますが、起伏は案外緩やかです。
第一次世界大戦でカフカス戦線の趨勢を決した戦闘が発生したサルカムシュがありますが、公式のカバレッジはありません。

アルダハン県境の湖は要チェック

76.ウードゥル 0476
アルメニア国境に位置する小さな県です。
南東方向にアララト山を望み、植生も特徴的でわかりやすいです。

ウードゥル市街から望むアララト山
ウードゥル周辺の典型的な道の風景

イランとナゴルノ・カラバフに向かうD80沿いの細い領域がなぜかよく出るので、的中させるのは難しいですが頭に入れておきましょう。

アララト山と認識できれば位置関係から特定は容易

77.アルダハン 0478
ジョージア国境の内陸部を占めるカフカス山中の県です。
トルコ極東の中でも起伏が激しめで、ジョージア国境をまたぐD955の国境付近の緑豊かな山中がよく出ます。
逆にアルダハン市街地にはカバレッジがほとんどありません。

ジョージア国境をまたぐ幹線道路2本のうちのひとつ

78.マルディン 0482
トルコ南東部の乾燥地帯にある県です。
実は大都市自治体で、アルトゥクルとも呼ばれています。
市街地は高台の岩山の上に位置し、南部の旧市街地からはシリアへと続く乾燥した平原を見下ろすことができます。

トルコで砂漠地帯は南東部に多い

79.スィイルト 0484
ビトリスの南に位置する県です。
クルディスタン寄りの山岳地帯の中に位置し、どちらかといえばヴァンやビトリスに似ている場所が多い気がします。
ほとんど見ないですが市外局番がマルディンの次なので注意です。

80.シュルナク 0486
マルディンの東に位置する乾燥地帯の県です。
県都シュルナクにはカバレッジがなく、カバレッジのある街としては西部のジズレが主要都市になります。
ハッキャリに向かう東部の幹線道路は険しい山中を通っています。

81.バトマン 0488
トルコで市外局番が最も大きい数字の県です。
近郊に油田があるため石油関連施設が多く、南東部の他県と比べても県都の規模はむしろ大きい部類に入ります。


地域ごとに案外特徴があることがわかりましたが、実際やってみると同じような高原や平地ばっかりで難しいです。
植生や地形と合わせて遠景の山を見るのが大事な気がします。
まだまだ覚えることがあるので次回に続きます。


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