遠くに住む一人暮らしの親父が認知症になった話。忘備録。2。

※なんとなく吐き出したいなと思って書いています。結構自己中な考えだと思いますのでお気を付けください。

 LINEを送った後、親父はまぁ考えておく、といった感じで返信が来た。
さぁ、ここからどうするか、ということで弟と相談を開始。とりあえず、夏前に一度親父に会いに行くことにした。

 余談だが、その合間に大好きな母の大きな病気が見つかって余命宣告が出たりと落ち着く日がなかった。

 ひとまず、夏前に弟と二人で親父に会いに行くと、意外と普通に喋れていたし、本人は全然大丈夫だよ~。心配しすぎだから、と言っていた。東京行きにも前向きのように見えた。

だが…気づいた。

 5分前に話したことを覚えていない。そして、同じことを繰り返し聞いてくることに。弟と二人で親父が寝たころに「これやばくね?」と話をした。状況が祖父の時と全く一緒だったからだ。祖父は病院が大嫌いで、物忘れがひどくなったころから部屋にこもりっきりになり、認知症とは診断されていないものの、同じ状況になっていることでこれはまずいと感じた。進み具合がわからないが、確実に症状が出てると。

 親父自身は一人暮らしで、他人とかかわることを嫌っている。脳の病気が判明してから、徐々に地域とのかかわりもなくなり、家でじっと過ごしていたようだ。

 その時は2泊3日で、過去、僕や弟、妹や母が残していたものを処分するので精一杯となり、病院に症状などを聞きに行くことに頭が回らなかったのもよくなかったかもしれない。

 ひとまず親父の状況を確認し、ここからは怒涛だった。親父を呼ぶなら住む場所どうする?という話になり、夏に知人の不動産相談し、賃貸だとお父さんのライフスタイルからも大きく離れそうですよね~という話から、中古でもいいから家を買うか…!という話に。

 正直、自分の収入は年齢の割に多くない。何せ就職氷河期真っただ中。大卒での就職を避けてフリーターになり、東京に来てアラフォーになった数年前に初めて就職したくらいだ。自分の人生プランでも家を買う予定はなかったし、家を買うことで転職先の選択など大きなデメリットを生じることにもなった。

 しかし、親父の状況を考えると少しでも早いほうがいいだろうと考え、不動産と連携してなんとか、2023年秋には購入のめどが立った。前の記事でも書いたが、親父の今後は正直どうでもよい。でも、最低限、義理と、長男としての義務と、これまでの感謝を込めてできることはやったつもり。ここまではよかった。

 2023年夏の終わり、9月中旬ごろか。親父が自分が所有している農地や、家の売却の方法、家の片付けが終わらないから助けてほしいと連絡が来た。だから、僕はなんとか予定を開け、将来の楽しみのためにとっていた有休を使い、11月に戻って各種手続きを終わらせようと思った。

 そしていざ帰ると…

「なんで帰ってきたとや?」

 …目が点になるとはこういうことか、と初めての感覚。助けてほしい、手伝ってほしいと言っていたことを全く覚えていない。農地の売却の手続きを代わりに処理しに帰ってきたんだがといったら、「お前にはわからないから無理だ。俺がやる」と。

おいおいまじかよ、と愕然とした。やり方がわからない、といっていたのはなんだったんだ?何のために時間を作って帰ってきたんだ…?と非常に悲しい気持ちになった。
 家の購入についても親父に助けてもらう部分があったため、そのこともすべて説明し、伝えていて了解をもらっていたこともすべて忘れている…。そして再度説明をしても、数時間後には同じことを聞いてくる。これはきついぞ、と思った。表面上では普通に話せているように見えるし、理解しているようにも見える。しかし、記憶に残らない。

 この時点で正直、もうこの話全部放り投げたいな、と思った。

 とにかく難しい話は親父にとって難易度が高い。しかし本人は理解できる、普通の人と同じだと思っている。
関東に来る時期も急いで決めずに、全部自分に決めさせてくれと言っている。これはどうしたらいいんだ?尊重して、何もわからなくなるまで放っておけばいいのか?それとも無理やりにでも連れて行ったほうがいいのか?

 ひょっとして、僕がやっていることはすべて親父にとって迷惑なことなのか?

悩みは深まるばかり。

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