見出し画像

ReplicantWoofer feat.花奏かのんβ

この街は、有り得ない事が起きる街だ……ロボットが歌うぐらいだからな


■歌詞

跳ね上がり揺れる車体 冷却水が沸き立つ
ハンドルにしがみ付いて 朝日が昇る前に
油膜色に光るグリッチが チリチリと音を立てた
踏みとどまるタイヤの跡 パーティクルの煙を上げ
絞り込んだばね仕掛けを解き放つように
震えるエンジンルームの中で火がまだ燃えてる
燃料タンクの水面はまだ波打つか

刻むビート174 スピーカーのホーンが沸き立つ
速度計のハンドサイン 夜はまだ終わらない
首筋から伸びるケーブルが バチバチと火花を上げた
排気音と混じり合ったシンセサイザーの叫び
それは回路に飛び込んだ私自身
震えるハートは鈍色 もうすぐ止まってしまうなら
ワイヤーフレームの枠を一つ飛ばして

プログラムされた破滅 蝶の翅を紡ぐために
本物に成れない造り物の命たち
遠くで光る幾つもの声を見た
最後の狼煙を

踏みとどまるブーツの跡 パーティクルの炎を上げ
絞り込んだばね仕掛けが放たれるように
今宵もまた流星が降る 消えゆくぼくらの命だ
それが凶兆とはならんことを

■概要

元画像は以前制作した、音源御本人のファンアート

VOCALOID β-STUDIO、そしてVX-βも今月まで。最後の一曲もボカムンベース(VOCALOID×ドラムンベース)となりました。未来の可能性ともしばしお別れです。私たちが出会うかわからない未来と。

体験版の数日に賭けて書かれた曲の話。第三世代VOCALOID時代の景品に配布された、起動期限が付いた音源の話。企画完了を前に次世代が登場してしまった子の話。デモ曲を超えられなかった子やユーザーをあまり得られなかった子の話。まともに歌うことなくHDDの底に沈んでいった子の話…水面の上からでは分からない、様々な記憶を込めて。

次があるかわからない子に、誰かの代わりで無い歌を。

■SoundCloud

■VX-β制作物一覧

全部で4曲制作しました。

並べて見るとわかりますが、最後だしキャラクタをサムネ前面に出しました。