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ドイツでお笑いライブを見た①スタンダップコメディ

2022年9月からドイツのケルンという街に住み始めました。
住み始めた頃から思っていたこと。それは

ドイツのお笑いライブに行ってみたい…!

ドイツのお笑いライブは日本のお笑いライブとどう違うのか、実際に体験してきました!


ドイツでスダンダップコメディを見ました

BOING!というケルンのバーで毎日やっているライブに行ってきました。

ケルンは人口109万人(ドイツでは第4位)で、日本でいうと福岡のような立ち位置の都市です。
わたしが見たお笑いライブはトリの方でもInstagramのフォロワー500人くらいと、比較的駆け出しの芸人さんが出演していました。
若手4~6組がネタ披露という、無限大ならワラムゲ、K-PROならブレナイみたいな劇場の定番ライブです。

バーの一番奥にL字型の舞台がある

水曜夜でしたが50〜60名くらいの集客があり、かなり賑わっていました。
キャパはマックス100名くらいで、日本の小劇場と同じですね。

直前に着いたら最前列に案内されてしまい「やばい、客イジリされる…!」と思ったのですが、そこまで客イジリきつい芸風の人がいなくて助かりました。

MCの人がロービジョン

まず最初にMCの人が登場。
白杖をつきながらも一人で舞台を右往左往して会場を盛り上げていて、バイタリティがめちゃくちゃ高かったです。
濱田祐太郎さんが毎日MCでぶん回してる劇場があると思ったら、めっちゃ豪華ですごくないですか?

「ライブハウスに行ったときにトイレがめっちゃ混んでて1つの小便器をシェアするはめになり、自分は見えないのに相手には自分のチ○コを
見られた」
みたいな話をしてた気がします。

10分尺のネタが3人+トリが30分ネタ

休憩込みの1時間45分公演でした。ちょうどいい。

1人目:Melina Göb

ずんぐりむっくりな体型で「ご覧のとおりベルリン出身です」と言っていて、何がご覧の通りなのかわからなすぎてみんなウケていた。

トップバッターということもあってかお客さんとの交流多め。
「どこ出身?」「ケルンの名物は?」「地域のサッカークラブは?」とか、営業ライブみたいにいろいろ質問。
答えに応じてご当地あるあるをイジってウケてました。

2人目:Gabriel Kos

出典:Instagram @gabriel.kos_

29歳、哲学科出身。
両親と実家のキッチンではち合わせて、一緒に教会に行くかどうかでモメたというエピソードトークをしてました。

3人目:Ibo Devici

トルコ出身の移民の方。
トルコ文化の話、トルコとドイツとの違いなどのエスニックトークでウケてました。

4人目:Johannes Steuding(トリ、30分)
最初の3人は明るくハキハキ!って感じだったのですが、この方は1番舞台慣れしてるからなのかローテンションでぼそっと喋る芸風。
「聞き取りにくいよ〜涙」って思いながら聞いてました。
でもツカミが誰よりも早くてさすがでした。

いろんなエピソードトークをどれから話そうって感じで、試してウケたらそのくだりをメモってみたりと自由。

芸人「「学校、絵文字、じゃがいも」のテーマの中でどれがいい?」
観客「じゃがいも!」
って即答してたのがめっちゃドイツでした。
(ドイツの主食といえばじゃがいも)

  • レコーダーを取り出してみんなの歓声を録音する

  • 突然横にジャンプする

  • インスタントフィルムカメラを撮り出して写真を撮る

など、トークだけでなく動きもいろいろ取り入れてました。

「最後にこの話だけするね」と言った後に、1番最初に話したエピソードをもう一度話し出してウケて終了。
きれいですね。

オチで置いてかれる

初めてお笑いライブに行ってみた感想としては、「思ったよりわかった」ということ。
ただ、フリの部分はわかってもオチでちょっと変わったワードとか、ドイツ人ならわかる固有名詞とかが出てくるので「よくわかんね〜」ってときもまぁまぁありました。

写ルンですで写真撮ったあとに
「6週間後にDM(ドイツの最大手の薬局)で印刷できるよ」
って言われたのが面白かったです。
全ての手続きにありえないくらい時間かかるのがドイツ。

スマホで撮って当日中にインスタのストーリーにあげてくれよ。

ドイツのお笑いと日本のお笑いの違い

平場がない

平場のトークはなく、ネタ後はMCの人が都度出てきて間を繋いでくれます。
MCの人の仕事量多め。

お客さんと会話する

これはドイツのお笑いというよりスタンダップコメディ文化ですが。
日本でネタ中に舞台から客席に話しかけるときって、返事がこないことを前提にしたお笑いが多いです。
返事や反応が本当に必要なときも「え・・・?いいのかな・・?」ってなってからぱらぱら拍手をするとかもよくある。
スタンダップコメディでは、舞台からフられたらお客さんも躊躇せずめっちゃ喋ります。

別に政治を斬ったりしてない

外国のお笑い・スタンダップコメディといえば
政治を斬る・過激な下ネタ・ブラックジョークみたいな
イメージがあるかもしれません。

でもこの日あったネタは家族との日常エピソードやご当地あるある、自虐など全然平和な感じでした。
笑いの構造は日本と同じ。

言語を理解しない状態で触れられるお笑いって、ステレオタイプにしかならないのかもしれません。
ドイツ人には「日本のお笑いは体を張ったドッキリが多い」と思われてるし。
言語や文化がわからないと「外国のお笑いはようわからん。自国のお笑いが1番レベル高い!」ってなるの、なんかもったいないな〜って思います。
レベルってなんだよ。

芸人ではなくアーティスト

芸人=コメディアン(Komödiant/Komiker)だと思ってたのですが、MCの方が紹介するときは「次のアーティスト(Künstler/in)は…」って言い方してました。
ドイツではお笑いだから特別というのはなく、クリエイティブなことをやってたらみんなアーティストって扱いなのかもしれないです。

ドイツのお笑いライブと日本のお笑いライブの違い

飲食店で行われることが多いが、飲食しなくてもいい

ドイツでお笑いライブが開催されるのは、バーが多いです。
公演中も飲食ができるロフト形式で、休憩もあります。
日本人はあまりお酒を飲まないので、ロフトでは1オーダー500円以上が設定されています。
ただ、ヨーロッパではライブハウスもお笑い劇場も特に飲食ノルマはありません。
人さえ集めてしまえば勝手にガバガバお酒を呑んでくれるので、利益を上げるハードルは低そうです。

全国ツアーでめっちゃ小さな町もまわる

お笑いの単独公演で日本全国をまわるのは、かなりハードルが高いです。
全国ツアーがあったとしても、東京、名古屋、大阪、福岡、仙台の5都市+α
20ヶ所以上をコンスタントに回っていた東京03さんはみんなの憧れです。

一方、ドイツで人気のコメディアンAlain Freiさん

なんとドイツ国内だけで60都市以上まわってます。

出典:Instagram @aleinfrei 
赤ラベルがついている日程が完売。
この方自体はスイス出身。

人口10万人くらいの都市にまで訪れて、しかも売り切れてます。
(日本でいう香川県丸亀市茨城県取手市岡山県津山市ぐらいの規模)

ドイツの方が、小さな街にもお笑い文化が根付いているのかもしれません。

会場チケットの値段が自分で選べる

ライブのチケットを買おうとしてびっくりしたのが、会場チケットの種類がたくさんあったこと。

1€=140~145円くらいです(2023年3月現在)

日本でも配信では応援チケットがあったり、追加で投げ銭するオプションがあったりします。
しかし、会場のチケットで全く同じ内容なのに値段が違うというのはあまりありません。
日本のように「高いチケットを買えば、前の席が確約されたり特典がつく」わけではないです。
払える人は多めに払って芸術を応援しよう」という文化が根付いてるのかもしれません。

当日券が安くなる

集客に空きがある場合、当日が近づくと割引価格になります。
わたしが行ったライブの場合、正規価格は1800円ですが、ギリギリだと700円で見られます。
よくよく考えれば、どうしても見たい常連さんは早く買ってくれるわけで、ふらっと来る新規客向けに割引するのはフツーのことです。
でも、日本だと大体当日券は値段が上がります。
上がらなかったとしても、前売価格より下がるということはありません。

よしもとの常設劇場の公演では、「Twitterクーポンを見せると当日券200円引き!(実質前売り価格)」と割引があったり。
その他のライブでも、規模が小さければ「ギリギリまで置きチケ待ってます!(前売り価格)」とかもありますね。

規模が大きいライブで売上を把握しやすくするための前売価格なので、
規模が小さいライブで当日価格を上げる意味って実はあまりないんじゃないか?と思います。

整理番号はない

ヨーロッパでは、イベントの入場チケットは整理番号がありません。
これはお笑いだけでなく音楽も同じです。
どんなイベントも当日来た順
規模の大きいイベントだと、ガチ勢がコミケの始発組のように朝から並びます。
わざわざ整列させて、番号順に呼んで…なんて行儀のいいことができるのは日本くらいです。

ガチ勢がいるのかどうか不明

日本だと「少しでも前で見たい!」とチケ取りに情熱をかけたり、「たくさん見たい!」と1人でお笑いライブに通い詰めることはよくあります。
ただ、ドイツではお笑いライブは友達や恋人と一緒にふらっと来てゆるく楽しむ場所という感じです。
1人で来てメモってレポ書くみたいな人がいるのかどうか不明。
まだ出会ってない。
また、前述のようにヨーロッパツアーで回る箇所が多いので、「推しのライブは全部行く!」みたいな人がいるのかも不明。
バンドだと複数都市追っかけてる人はいました。
ただ、全世界まわるので全公演行くのは金銭的にも物理的にも不可能ですね。

まとめ

街の大きさは仙台ですが、お笑いライブは東京のようにいろんな場所で開催されてるみたいです。

学校の近くにも別のライブ会場があった

また別の会場のお笑いライブもチャレンジしてみたいですね!

イギリスのお笑いライブを見たレポも書きました。

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