イザヤ書を読む(2)


第一編 第一イザヤ(1-39章)

表題と導入(1章)

表題

アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世にユダとエルサレムについて受けた啓示。

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イザヤの名前の意味は、「ヤーウェは救い」「ヤーウェは救いを与える」などであるという。
ヤーウェとは勿論、天地創造の唯一神、私達の父なる神のことである。
その名が表すように、イザヤの数々のメッセージも、その核心は「ヤーウェは救い」「ヤーウェは救いを与える」というところにある。
神こそが救いであり、神のみが救いを与える、というのが預言者の基調(キーノート)である。

エルサレムは南王国ユダの首都。
元はダビデが征服した町であり、イスラエル全部族の首都となったという。
この象徴的な町と神との間には、古来より強い絆があり、それはまた契約とも呼ばれる。

神とユダの民との契約は、しばしば婚姻関係にもたとえられる。
神が夫で、ユダの民が妻である。
神とユダの民との会話は、すべてこの契約(婚姻関係)を前提としたものである。

「啓示」と訳されているハゾーンはアラム語からの外来語で、多くの場合「幻」と訳されるものであるが、ここでは記録され書かれたもの、の意味で使用されているとのこと。

ハゾーンと同語根の動詞ハザーは通常「見る」を意味し、特に預言者が神から示しを受けるときに使われる言葉とのことである。
そのため、預言者は普通ヘブライ語でナビーであるが、他に「見る者」「先見者」と訳される「ホゼー」も使用されるという。

啓示であれ幻であれ、それは人には予期せぬ形で、見えないところから、上から、外から、非日常の力を持って、迫ってくるメッセージである。

そしてそれを「見る」預言者の瞳には、賛美と感謝の光が輝いている。

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