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小指二列がキツいのは「遠い」のではなく「高い」せいだった
ということに気付いたのでご報告いたします。
この記事で書いた自重分散の問題があって親指が疲れる、あとvial試したいとかもあって、5列化できなかったCorne GLPにvialファームを焼いてテストしていた。
で、サムクラスタにアサインしていたキーを小指の外側列に振り直して試用したら、どうにもしんどい。慣れの問題も大きいにせよ、単純に打ちづらい。
かつて僕は片手6列のwings42をメイン機にしていたのだが、色々あってcool640をメイン機にしたあとはすっかり5列に慣れてしまい、真剣に6列を考えてこなかった。
改めて使ってみると、小指外列がマジでキツい。人差し指外列(T列とY列)よりも明らかにキツい。
それはまあ、小指は短いし弱いのだから当たり前なのだが、それにしたってなんというか、もっと根本的に他のキーと違う気がする。
そこで自分の動作をよく観察してみると、小指外列を打つ時、小指を上げているということに気付いたのだ。
肘の回内と回外、小指MP関節の伸展
肘から前腕を捻る動作のことを、回内または回外と呼ぶ。
肘を自然に垂らした状態では、手首は内側を向く、いわゆる「小さく前へならえ」の形が自然だ。
ここから掌を下に向ける動きが回内、上に向ける動きが回外ということになる。
従って、タイピングする時、肘は常に回内している。これを避けて「小さく前へならえ」のままタイピングしようというのが縦テンティングだ。
なので、今回は全部「縦テンティングすれば解決!」という話ではあるのだが、それができない場合もあるし、踏み打ちのほうが速いので、水平状態のキーボードを前提とする。
当たり前だが、回内するには筋肉を収縮させなければならない。よって、手が回内している時、常に回内を緩和しようとする本能が働く。
さらに、踏み打ちで5列を前提とした場合、回内が緩和される(水平より回外している)ほうが、T/Y列に対して人差し指を下ろす動きをしやすい。
この二つの理由から、タイピング中の僕の手はわずかに回内を緩和している。
この状態で小指外列を打つには、小指を上げる、つまり小指の根元の関節(MP関節,第3関節)を反らせる(伸展)必要がある!
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つまり、小指外列は「遠い」のではなく「高い」のだ。
前回の記事でさんざん書いたように、僕は手指を上げる運動を嫌っている。疲れるし、自重を利用するためにはノイズになるからだ。
この「指を上げる」というのは、MP関節を自然な状態より伸展させることを指している。
PIP関節(第2関節)とDIP関節(第1関節)については、ほぼ「戻る伸展」しかできないので、そもそも伸展によっては大した負荷がかからない。
5列の踏み打ちでは、フィンガー(親指を除く指)を「上げる」必要がない。
しかし6列目が加わった途端、「上げ」なければ打鍵できないキーが出現するのだ。
この「上げる」運動自体がしんどいということもあるのだが、基本的に「下げる」動きしかしていないのに、そこだけ「上げる」運動が混じるのが、どうにもストレスであるらしい。
さらに、前回の記事で書いたように手全体を移動させるのが難しいフォームであるため、この問題はますます大きくなってしまう。
Q/P列を2キーにする代わりに外側に1キー追加したレイアウトもけっこう作例があって、興味を覚える反面、曰く言い難いナンカチガウ感も覚えていた。コレだ。踏み打ちだからだ。
Keyboard: Osprette
— Nat//睿嵩 (@sodium_tritide) November 20, 2022
Switch: Cherry MX Silent Red (Gateron Whiteのスプリングに変更した)
Keycaps: Kbdfans Blue White XDA (廃番品)#KEEB_PD #KEEB_PD_R123 #自作キーボード pic.twitter.com/8pKK4V1xWJ
ここまで考えて気付いた。だから小指外列を「上げる」レイアウトがあるのか、と。
小指外列を「上げる」配列
ここでいう「上げる」は、「奥にずらす」という意味だ。
カラムスタッガード系で片手6列、つまり小指が2列を担当する前提のレイアウトで、外側の列を内側の列に比べて奥にずらしている設計をいくつか見たことがある。
昨日まで全く意味がわからなかったのでメモしておらず、具体例を挙げられないのだが(見付け次第追記するつもりだ)、mc2s lpの作例画像でいいものがあったので引用する。
ま ま いうたらコレよ! 小指外列を上げることで、小指を「上げる」のを避けて「伸ばす」で取れる! >> mc2s lp - a bit keys - BOOTH https://t.co/RBtJz4wqRX pic.twitter.com/MToPb7L9XR
— もりやん/豆苗わかば (@catfist) February 17, 2024
このようなレイアウトであれば、小指を「上げる」のではなく「伸ばす」、つまりDIP・PIP関節の伸展のみでキーを捕捉することができるではないか!
サムクラスタをフィンガーより高くしている、Thumbs Upレイアウトの意味に気付いた時以来の衝撃だった。
これ最初に見た時マジで意味わかんなかったんだけど、フィンガーの屈曲が下の時親指の屈曲は横と考えたら、撫で打ち前提の設計なんじゃないか >> Unsplit Thumbs Up https://t.co/5yJ6YbsYXJ
— もりやん/豆苗わかば (@catfist) March 14, 2023
パッと見意味わからんが、手の動作をちゃんと考えれば合理的なデザインだったのだ。
というかよく見たら小指も上がっている。なるほどThumbs Up。すごいぞThumbs Up。
だから小指には頼らない
じゃあ小指外列ずらしますか……となるかというと、それもちょっとなーと思う。
当たり前だが水平面上では遠くなってしまうし、そもそも小指の可動範囲自体が小さいのだ。
これまた当たり前だが、5列より6列のほうがキーボードは大きくなり、持ち運び前提では好ましくない。
ちなみに縦テンティングでも、キーボードに対して水平方向の動きには通常とは比較にならない制限がかかり、特に「沈む」方向はチョコっと小指を動かすことしかできないので、やっぱり6列目は厳しい。
あくまで僕の打ち方にとっての話だが、5列でなんとかする方がハッピー高そうに思われる。
というわけで、フィンガー活用はやっぱり同時押し(かtapdance)しかなさそうなので、そっちを考えていきます。
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