祖母 ブラジル 

「俺は母親から愛情を受け取ってない。」

市役所への就職祝いに、初めて父と二人で夕飯に行くことになった。

父は昔から何を考えてるか分からない人だった。寡黙で、研究者気質(実際仕事もそんな感じ)、謎にライトノベルや韓ドラ好き、私が小さい頃はビール造りにハマっていた変な人。一方で意外と人付き合いも良く、テニスや登山を職場の友人と楽しむところもあった。

そんな父との関係は、互いにこいつ何考えてるか分からないな、かと言って仲が悪いわけでもなく、趣味も合うというもの。

そんな父から、初めて心の内を晒してくれた、数少ない出来事。

正直私は、就職前に変なこと言い出しやがってという、謎の冷や汗。

父の母、私にとっての祖母は破天荒な人だった。

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