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Weekly Pick UP! 2022/2/1

医療技術は進化しているのか?
新型コロナウィルスに手をこまねく世界を見たとき、疑問が生じてきます。
ただしかし、依然課題は山積みですが、テクノロジーは確実に進化し、医療の貢献に寄与しています。今回はそんなニュースを取り上げてみます。

1. 日常の網膜スキャンが心疾患スクリーニングに変わる
2. 家庭用性感染症検査キットを提供しSTI検査の敷居を下げる TBD Health
3. 慢性心不全治療用アプリ、CureAppが開発を開始

1. 日常の網膜スキャンが心疾患スクリーニングに変わる
英リーズ大学のグループは「網膜スキャンで心筋梗塞を予測する研究」を主導しており、その成果がNature Machine Intelligence誌に公開されました。

成果は、網膜スキャン画像から「1年以内の心筋梗塞発症リスク」の高い患者を特定する深層学習モデルを構築したというもので、本研究では網膜画像と最小限の臨床データを組み合わせ、左室心筋重量と左室拡張末期容積を推定し、心筋梗塞発症を予測しています。AIシステムの精度はAUC 0.80・感度 0.74・特異度 0.71で、その後の精査につながるスクリーニング用途として利用できる可能性が示されました。

放射線を用いず、また血液検査を行わない網膜スキャンであれば、より日常的かつ早期の心筋梗塞を発見できる可能性があります。この研究に限らず、AIに寄る画像分析技術の活用により、検査を日常的に、恒常的に行う流れは加速して行きそうです。

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出典:The Medical AI Times  Link

2. 家庭用性感染症検査キットを提供しSTI検査の敷居を下げる TBD Health
STI(Sexual Transmitted Infection、性感染症)は、米国では5人に1人がSTIに罹患しています。特に女性にとっては、生殖機能への影響は大きく、不妊症の原因にもなっているという側面もあります。その一方、予防、そして治療の可能な疾病も多く、早期に発見、治療することは非常に重要です。しかし、あまり公言出来る疾病ではなく、病院での検査へのモチベーションは高くありません。そして検査が遅れる結果として、感染が拡大する悪循環に陥ります。

TBD Healthは「Vagina-Haver(女性器所有者)」のために、自宅で検査を行うサービスを展開しています。同社は、自宅で検査ができる「Check Yourself Out」キットを提供しており、HIVや梅毒など、血液を用いた主なSTIの検査を5種類実施できます。

この製品は、一種のフェムテックであると同時に、広義には不妊治療にも関連しています。STIは一見、主要な疾患とは一線を画すように見えますが、予防、治療が社会に果たす役割は大きく、医療機器、診断薬メーカーとしても注目すべき領域です。

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出典:Techcrunch  Link

3. 慢性心不全治療用アプリ、CureAppが開発を開始

CureAppは、慢性心不全治療用アプリの開発を開始しました。同アプリは、自宅にいながら適切な治療介入を受けられるようにすることで、より多くの慢性心不全患者へ心臓リハビリテーションを届けることを目指しています。

スマートフォンなどを通じ患者の個別情報をもとに最適化された運動プログラムや疾病管理をオンラインで提供すだけではなく、画像解析技術やIoTを活用した非監視下での在宅運動モニタリングシステムが搭載される予定です。

その他、服薬管理、疾患教育などの包括的心臓リハビリテーションをオンラインで提供する他、再入院予防、QOL向上、全死亡率の減少など慢性心不全患者の予後改善を目指します。

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出典:Beyond Health  Link


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