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カスタマーサポートと利用規約はもっと近くて良い

久しぶりに書きます。

カスタマーサポートの仕事をしているなかで、プライバシーポリシーや利用規約に直面することってありませんか?
思い返してみると、クレーム対応や理不尽ともとれる要求を含む問い合わせ対応の際、こういった文章とにらめっこすることが過去にあったなあと思い。

例えばECやフリマなどのtoCサービスを運営していると、

「欲しいと思った商品が買えなかった、どうしてくれるんだ!通信量と労力を返せ!」

といった問い合わせは時折あるかと思います。
もちろんこういった問い合わせに対して、欲しいと思った商品をこのお客様だけに特別にお渡しすることはできないでしょうし、購入に使った通信費をお渡しすることもできない、という形になりますよね。

一方、toBサービスでこういったEC等のプラットフォームを運営している場合はどうでしょうか。
例えば超人気アーティストのグッズや、人気のアパレル等の商品を売っているサイトで限定販売を行った結果、プラットフォーム側のアクセス集中等の問題でサイト自体が落ちてしまった。。という場合。

この場合は購入側の「買えなかった」「購入ボタンを押せたのに結果購入できなかった」のほか、

商品の販売元からも
お怒りイメージダウン販売機会の消失に対する苦情

といったお声をいただくこともあるかと思います。

こういった場合、カスタマーサポートの担当者は解決策(逃げ道)を探すために、時に利用規約とにらめっこするわけです。そもそも購入者も、販売事業者もそれぞれ利用規約に同意してサービスを利用しているわけですので。。

※この利用規約を各々が事細かく読み込んだ上で同意しているかどうかはサイトの作りの話なので今回は割愛します。

このような対応にもスムーズに対応できるように、(前述の例においては)ひいては購入者や販売事業者、そして運営側の三方よしのサービスとなるように、カスタマーサポートも利用規約の作成や更新に関わるべきだと思う、というのが今回の趣旨です。(前置き長過ぎましたね。。)

多くのカスタマーサポート担当者は、利用規約に書いてあることの理解からスタートすると思いますが、まれに現在提供しているサービスと利用規約が噛み合っていない(≒記載に不足がある)という場合があったりします。

特にスタートアップでは、プロダクトの進化スピードに対して、「利用規約はとりあえず書いて配置したもの」という、プロダクトと共に進化せず、文章だけ置いてきぼりになっているということも往々にしてあるのではないかと。

スタートアップは、少数精鋭ですすめていることも多く、明確な担当者もいないため手が足りずにこのあたりが置き去りになってしまうことも致し方ない面もあります。しかし、逆に言えばこういった記述を実情に合わせたしっかりしたものにしておけば、結果として調査や回答のラリーの手間を防ぐこともできます。

とはいえ、「利用規約を書く」というのは文面の感じからしてもハードルが高く感じると思います。私もそうです。
が、カスタマーサポート目線に限っていうと、実際に必要とされる内容は、実はそこまで難しくないのです。
例えば、サービスを運営していく中で「こういったクレームが来たら苦戦するだろうな(または苦戦した)」というものを思い浮かべてみてください。
ECであれば「買えなかった」、予約サイトであれば「予約できていなかった」、CtoCであれば「相手とトラブルになった」など。。FAQを考えるようなイメージです。サービスをローンチする時に思いつかなかったようなクレームが実運用後に発生するのは、利用規約を作成したときに実運用における予想がつきにくいから、というのが1つの理由です。

このようなクレームに対して正しく対応できるように、運用時に発生した実例を法務担当者(または記載いただく弁護士)にインプットすることが大事です。このインプットこそが実運用を担当するカスタマーサポートの得意分野ですよね。このあたりのサービスの実運用の状況は、実は法務担当者があまり詳しく知らない、ということもあります。だからこその出番ではないかと。
ハードルが高く感じるのは文面の難しさだと思うので、そこはその分野のプロにおまかせしましょう。大事なことは実例を利用規約に活かすことです。

ちなみに当たり前ですが、利用規約はサービス運営側に都合の良いようにすればよいということではなく、、あくまで想定できるトラブルの責任範疇はどこなのか、ということを明確にしておくようにするべくものです。

このような取り組みもカスタマーサポートがプロダクトへの貢献できることの1つであると思います。問い合わせ対応だけでなく、問い合わせにまつわる周りの課題に向き合って行けるのは、何より多数のお客様と向き合ってきているからだと思います。

長くなりました。。それでは。

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