カタンの開拓者 序盤編

連載第2回です(入門、序盤、中盤、終盤、応用編の全5回)。今回は序盤にどうすべきかについて書いていきます。
(長いです。それだけ重要でもあります。)

1.初期盤面の置き方

 これが一番重要です。最も重要です。マジで重要です。もう一回言います。この項が最も重要です。初期盤面の資源がかみ合ってなかったり、展開力が無かったり、資源を引けなかったりすると、十中八九勝てません。また、相手プレイヤーに良い場所へ家を置かせすぎると圧勝されます。ゆえに、初期盤面は勝利の5割以上を握っています(と筆者は思っています)。
盤面に家を置く時、人によっていろいろ考えていることはあると思いますが、必ずやらなければいけないことは、最終的にどのようにして10点を取るかとタイルへの置き方(盤面の資源や出目)をセットで考えることです。ゴールまでの道のりを知っているマラソンランナーは目的地まで一直線で無駄なく進むことができますが、そうでないランナーは無駄な道を走ってしまうことになります。カタンは盤面のランダム性ゆえに、いろいろなシーンが出現しますが、勝ち方(10点の取り方)自体はそう多くはありません。ゴールから逆算した盤面の置き方を心がけましょう。以下は、某所において28試合のリーグ戦を行った中の代表的な10点の取り方です。

※資源の枚数は、その点数を達成するのに必要最低限の枚数を掲載。得点や道王、リッター王もそれを取得するのに必要最低限のカードを引いたと仮定したときの資源枚数です。

大きく分けて4パターンに分類されます。

画像1

ゴールの4分類
A:土建カタン
家4~5軒 + 街1軒 + 道王(リッター王) + ポイント(1点 ~ 2点)の勝ち方。序盤が早いが、家を5件、道王を取ったところでスピードが落ちる。鉄をどう取得して街を立てるか、カードを引くかが勝負のカギ
例(赤:家5軒+増築1軒+道王+ポイント1点の勝ち方)

土建1


B:バランス型カタン
家3~4軒 + 街2軒 + 道王(リッター王) + ポイント(1点~2点)の勝ち方。ある意味王道の勝ちかた。ただ、初期盤面でこれを選べることがそもそもすくない。また、終盤に木や土が余るので、それの燃やし方を考えておく必要がある。
例(オレンジ:家3軒+増築2軒+道王+ポイント1点の勝ち方)

バランス1


C:増築カタン
家0~1軒 + 街3~4軒 + リッター王(道王) + ポイント(0点~2点)の勝ち方。序盤が死ぬほど遅い。鈍足。豚。けど、家を1軒立てることさえできれば、そのあとはかなり早いことが多い。これのスピード見極めを誤ると負ける。
例(青:増築4軒+ポイント2点の勝ち方)

増築1


D:カードカタン
家 + 街 + リッター王(道王) + ポイント3点の勝ち方(ただし、ポイント3点以外は種類が数多ある)。 ポイント3点は狙えるものではないが、3ポイントさえ引ければ勝率がかなり高い。運ゲー。これで勝つ奴は死んでほしい。俺がこれで勝ったら生きる。
例(赤:家5軒+増築1軒+ポイント3点の勝ち方)

カード1


おまけ
E:道王&リッター王
道王&リッター王 + 家2軒 + 街 or ポイントの勝ち方。周りがマークしなさすぎ。カタンを分かってないか、止められないくらいにサイコロが暴れてこいつが馬鹿勝ちしたかのどれか。基本的にこれを許してはならない。世界の恥。
例(黒:道王&リッター王+家1軒+増築2軒+ポイント1点の勝ち方)

道王&リッター王

 実はこの4パターン程度しかないです。枝葉末節、細かい差異はありますが、大きく分けるとこんな感じです。注目すべきは、Aタイプの特定の勝ち方(Aの1)を志向しない限り、どの勝ち方を選んでも鉄と麦が大量に必要になってくる点です。なぜならば、家は最大で5軒しか置けない以上、残りを必ず増築、ポイント、道王、リッター王のいずれかで取得しなければならないからです。土建カタンを行ったとしても、家5軒、道王に続く残りの三点を増築やポイントで取りに行かなければなりません。しかし、Cの増築カタンとDのカードカタンは木と土をある程度捨てても勝てます。麦、鉄、を使って取れる手段がカードと増築の選択肢よって豊富にあるからです。初期盤面で木か土のどちらかにかまなくても勝てる選択肢は多いですが、鉄や麦を捨てた場合、それらを調達するための何らかの手段(具体的には、2:1の貿易港)を持ってないと、終盤に速度負けして勝てません。初期配置を決めた時に、上記の4パターンのどれかを目指すのに効率の良い盤面になっているか、鉄と麦の獲得方法のめどは立っているか、これを重視しましょう。また、Aタイプは勝ちにくいです(と考えています)。序盤の速度が速いため、リッターでのマークを受けやすいことと、増築をしにくいことにから産出力の期待値が上がらないことによる終盤の速度負けがあるからです。自身がマークされてカードを引けない間に、CタイプやDタイプに横をすり抜けられていくことがよくあります。

※速度の概念は中盤編で詳しく説明します。今は、10点を少ないターンでとれる度合いだと思っていて下さい。

2.資源の理論上の価値について

 以上のことを考えると、盤面に依存しない資源の価値は同じではなく差があり、
1位タイ:鉄、麦
3位  :羊
4位タイ:木、土
と筆者は考えています。

3.盤面上における資源の価値


 鉄の上の出目が2,3,4で価値が異様に高かったり、逆に木の出目が5,6,8,9と安かったりすることがあります。この場合、特定の資源を捨てるということを積極的に考えましょう。例えば鉄が安い場合、誰も高効率で引きに行くことができないので、木の2:1港で代用したり、産出力の高いタイルに置く+3:1港に置く等の戦略を取った方が資源効率が良くなることがあります。また、土が高い場合、他のプレイヤーのだぶついた資源を交換してもらうということもできます。Cの増築カタンとDのカードカタンを目指す場合は、木と土はそれぞれ2枚~6枚程度取得できればいいので、誰かからそれらを交換してもらって、自分のかむタイルはなるべくカード資源という方が圧倒的に効率が良いのです。

4.着順における家の置き方

 1着(1番目に家を置ける人)は2件目の家をどこに置けるか予想することが難しいですが、難しいからと言って、産出力の高い適当な場所に脳死で置くとだいたい負けます。盤面を見て、自分だったら置きたい7つの場所を必ず考えましょう。カタンの初期配置において、自由度はそんなにありません。おかれるところは 6,8,5,9の周りを中心に限られています。それをしっかりと考えた上で1件目を置きましょう。

5.貿易港の価値

 とても高い。めっちゃ高い。いいから手に入れろ。手札に同一資源が4枚並ぶことは、終盤に増築された町がない限り、なかなかないレアケースです。少しでも手札の余剰資源をなくすために、3:1港を取れる一位置に家を置くことを心がけましょう。

6.家の置き方 ~展開力を考えた家と道のおき方~

 家を置く際は展開力を考えましょう。いいところに家を置いても、周囲を他のプレイヤーの家で囲まれてしまった場合、点数の伸びしろがありません。また、初期配置の道が1本無駄になってしまいます。初期配置の道1本+道2本で家を2軒立てられるのが非常に理想です。3:1港に家を置くケースを考えても、道2本を伸ばして家を立てに行くケースは効率が悪いです。常に他のプレイヤーの行動を織り込んで、なるべく初期の道を無駄にしない行動と家を将来的における場所を確保することを心がけましょう。

7.主張を通せる盤面か ~トレードオフを考える

 以上のようなことを考えて1軒目の家を置いたとき、2件目に置く家に対して人間は楽観的になりやすいものです。いくつか候補を考えていおいて、どのタイルが残ったとしても、自分はこれで10点を取るんだという主張が残る1件目の置き方をしましょう。上記で説明したことを全て満たす盤面に巡り合うことはほぼないので、何を取って何を捨てるかを天秤にかけなければいけません。あくまでも、自分の設定したゴールへの近道となるように、盤面を設定しましょう。産出力が高くても、資源がかみ合ってなく、貿易港も取得しづらい位置にいると、何をやっているか一貫性がありません。

終わりに
「波よ聞いてくれ」が面白かったです。

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