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名古屋弁辞典2

 前回執筆した名古屋弁の記事が予想外に好評だったので、第2弾です。今回は前置きは特に無しで、本編どうぞ。

 この記事は約3分で読めます、1,629文字。


あ~さ行

おぼわる

 意味は「覚えられる」です。可能の意味合いで「~わる」という語尾が存在します。例えば「鍛えられる」という可能の意味合いで「鍛わる」と言います。文字数省略につながるのでちょくちょく使ってたんですが、あんまり伝わらず… ら抜き言葉の次はこれがはやるんじゃないですかね。知らんけど。
 ちなみに、否定形だと「おぼわらん」のようになります。
例:「教科書の内容おぼわった?」


ご飯をつける

 ご飯をつぐ、という意味です。
例:「家族のご飯を順につける」


こわす

 破壊の意味ではありません、両替の意味です。共通語で言うところの「崩す」でしょう。紙幣→小銭の両替で使われがちです。
 例:「コンビニで一万円札こわしてくる」


車校

 自動車学校の略です。免許を取るために通う、アレですね。方言としては比較的新しい言葉です。この言葉は名古屋を中心に東海地方で広く使われていますが、他に九州地方や鳥取でも使われているので純粋な名古屋弁と言って良いかは微妙なところ。自動車学校を意味する略語は地方によってまちまちですが、他勢力としては教習所、自車学が多いらしいです。
 例:「今日の午後は車校に行く予定」


~しんといかん

 「~しないといけない」という意味になります。禁止の意味はありません。その意味合いから多少強い口調で言われることが多いことばです。
 例:「テストにむけて勉強しんといかん」


た行~わ行

電信棒

 電柱のことです。初期のころは電気通信用のケーブルも通していたことからこう呼ばれています。東海地方だけでなく関西圏でも言われるらしいですが、あっちの方は「電信柱」というらしい…? よく分かりませんでした。わりと普通に使っていたので、伝わらなくてびっくりした単語の一つです。
 例:「あそこの電信棒までかけっこだ」


パーパー

 意味は「開けっ放し」、擬態語っぽい感じがします。個人的にはちょっとバカっぽくて好きな言葉です。
 例:「エアコンをつけているのに、窓がパーパーだった」


B紙

 読み方は「びーし」、模造紙のことです。方言として割と有名な部類だと思います。模造紙のうち、つやがある方を「A模造紙」無い方を「B模造紙」と区別したのが、省略された結果B紙になったと言われています。なので、厳密には「B紙=模造紙」ではないんですよね。非常に細かい話ですが。
 例:「今日の図工の授業でB紙を使った」


ひやかす

 決して漢字で書いてはいけません。意味合いとしては、モノ、特に飲食物を物理的に冷却することです。漢字で書くと、皆さんご存じの「からかう」という意味になります。
 例:「お客さん来るからお茶ひやかしておいて」


真っ黄っ黄い

 おさるのジョージの黄色い帽子のおじさんのことです。共通語では「真っ黄色」にあたります。共通語も赤は「真っ赤っ赤」なのに、なんでなんでしょうね。ちなみに、青の時は名古屋弁も「真っ青」です。
 例:「隣のお猿をつれた人はいつも真っ黄っ黄いだ」


~まるけ

 ~だらけ、あるいはそのものがいっぱいあることを意味します。周囲に囲まれたようなイメージがあり、割と気に入っている表現です。ただ、どちらかというと悪いものに対して使うことが多いように感じます。
 例:「ホコリまるけの部屋を掃除します」


んだって

 多分、例文を見てもらうのが一番手っ取り早いです。
例:「今日、部活だったんだって。めっちゃ疲れた。」

 いやあなたが部活行ったかどうかなんて知らんし!、と思われるかもしれません。確かに共通語においてはそのことを知っている前提で使われますが、名古屋弁の場合は単なる繋ぎのことばとして使われます。相手が知っているかどうかは関係ありません。そういう意味では、三河弁の「じゃん」と近い用法と言えるでしょう。


参考文献


記事中の写真は全て筆者が撮影。

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