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『コンビニ人間』感想

コンビニ人間
村田沙耶香著

読書期間 2016年8月頃

【本について】
・あっという間に読めた本だった。読みやすかった。
・久しぶりの小説。いつも自己啓発系の本を読んでいて、ちょっと疲れたから?
・2016年芥川賞受賞とレビューを見て、高評価だったので、この本にした。
・集中して読むあまり、え!?ここで終わりなの?という感じ。

【あらすじ】
(商品説明より抜粋)
・36歳未婚の主人公「古倉」。コンビニオープン当初からアルバイトで働き18年目。これまで彼氏もなし。ある時、新人にこれまでの人生を「恥ずかしくないのか」と突きつけられて…

【感想】
・どこか「無機質」な主人公「古倉」に共感できる部分が多かった。
→「同じ「制服」をきて均一な「店員」になる」

・「その時私は初めて世界の部品になることができた」
→自分もそうだったのだろうか?

・「皆、変なものには、土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている」
→「皆」=マジョリティーにいることでの一体感…どうだろう私はあまり好きではない…?
→「土足で踏み入られるで変なもの」は、権利を持たないのだろうか…

・「みんなが足並みを揃えていないとダメなんだ」
→恋愛をしたことがないとダメ。実家暮らしじゃダメ。正社員じゃないとダメ。結婚しないとダメ。子供産まないとダメ。

・「コンビニに居続けるには「店員」になるしかない。制服をきてマニュアル通りに振る舞う。」

・バイト先の男性(新人)が帰る場所がないと家にきた時に、妹に電話。「お姉ちゃんおめでとう」「こんな簡単なことでいいならさっさと指示を出して欲しかった」
→路頭に迷った時、指示を求める。その指示は正解かどうかわからない。大学を出て就職するまではレールがひかれていてよかった。マジョリティーに生きることが正解なのか…。答えはきっとNOで自分の生きたい場所で生きるのが、正解なのではないだろうか。そもそも正解を求める必要もないのかもしれない…。自分がどう思うか、どう感じるかが大事な事なのではないだろうか…。就職するまでの人生はレールが敷かれていたが…高校、大学、アルバイトや就職先、全部自分で選択してきたはずだ。仕事を変える決断、辞める決断、結婚する決断…。実際に使う言葉も選択から決断へ…。責任の重さが出ている気がする。

・「結婚して子供を産むか、借りに行ってお金を稼ぐか、どちらかの形で貢献しない人間は異端者である。」

・「コンビニ店員にとって、130円の唐揚げ棒が110円のセールになる事より、店員同士のゴシップの方が優先されるなんてありえない事だ」

・「普通の人間っていうのは、普通じゃない人間を裁判するのが趣味」

・「お姉ちゃんお願いだから、普通になって」
→身内の人さえも普通を望む

・「18年間やめていく人を何人か見たが、あっという間にその隙間は埋まってしまう。自分が居なくなった場所もあっという間に補完され、コンビニは明日からも同じように回転していく」
→共感できた。私も丸5年ショップ勤務で、何人の人を見送っただろう。私もこうして忘れられるのかな。

・「何を基準に自分の身体を動かしていいのかわからなくなった」
→共感

・「コンビニはお客様にとって、ただ事務的に必要なものを買う場所でなく、好きなものを発見する楽しさや喜びがある場所でなくてはいけない」
→共感。プラスアルファの価値を見出したかった。

・「コンビニのために、また身体を整えないといけない」
→たとえ多くの人が怪訝そうな目で見る正解ではない道を選んだとしても、自分自身にとって「この場所」と思える事が大切なのだろうか。

1477文字


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