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東大数学受験体験記

 こんにちは、たまちゃんです。今回は合格体験記を書いていこうと思います!共通テストと二次試験を合わせて、最も合否を分けたと僕が感じる試験が二次試験の数学でした。だから、二次試験の数学に焦点を当てて書いていきたいと思います。(最後におまけもあるよ)ちなみに僕は理科Ⅲ類です。

前提知識:数学は勝負だ!!
 東大の数学は20点/問×6問です。二次試験の合計が440点ということを考えると、1問あたりの配点がとても高いのが特徴です。また、数学以外の教科は本番に大失敗するということはめったにありません。油断しない限りいつも通りの点数が返ってくることが多いです。しかし、数学は違います。当日の集中力・注意力・精神状態etcによって点数は大きく変動します。たとえ本番までにどれだけ多くの問題を解いてきたとしても、本番でミスをするだけで、またはあと一歩のところで解法が思いつかないだけで、それだけで一気に20点を失いうる大変不気味な教科です。そのため、本番一発勝負の数学で入試の合否は左右されるといっても過言ではありません。僕は一つの教科に特化しているわけではなく、まんべんなく点数を取るタイプだったので、数学が失敗したからといってそのまま即不合格というわけではありませんでした。しかし、数学で普段の模試通りの点数(90点くらい)が取れれば余裕をもって合格できるかもしれないが、失敗すると(想定60点くらい)合格最低点と1点2点の勝負をせねばならないことになります。これはできれば避けたい。加えて、直前期になってから数学は高得点が出続けており、数学が得点源になっていました。そのため、本番でも数学は絶対に点数を取りたい教科でした。

前日:緊張

 そのような思いもあって、前日は翌日の試験の中で特に数学に対する緊張でおなかが痛くなり、苦しかったです。早く試験が来てほしいと思っていました。これはすでに別の記事に書きましたが、夜は緊張で全然寝付けませんでした。

当日午前中:国語を無難に終える

 朝起きると少し眠かったので不安になりましたが、とりあえず試験会場へ。会場に入ると試験が始まる実感がわき、眠気も吹っ飛びました。国語の試験はつかみどころがないまま、無難に終わります。ほとんど緊張しませんでした。

当日昼休憩:外でリフレッシュ

 昼飯を食べて少し目をつむって頭を休めてから、本郷キャンパス内を歩き回り緊張をほぐしました。外の空気に触れて頭を冷やすとリフレッシュになるのでおすすめです。ただし、知り合いとはなるべく話さないようにしました。万一試験の答え合わせとかが聞こえてきたら困りますからね。

当日午後:数学試験開始!

 数学の問題用紙が配られてから、開始の合図があるまでにどんどん緊張していきました。試験が始まるとまず、ぱっと見て方針が分かった1番を解きにかかり、目標(25分)を少し超えて30分で解き切りました。解答に書く一字一句すべてにおいて、ミスしたら減点されうると考えると過度に慎重になっていました。

 その後、別の問題を解いていくのですが、ここで思わぬ事態が。問題が全然解けないのです。途中までは解き進められるのですが、途中であり得ない結果が出てきたり行き詰ったりして答えが出ません。何が何だか分からなくなり、パニックにより落ち着いた思考ができなくなりました。

 計画では4問は完答するつもりでした。しかし、100分(全体の2/3)が経過した時点で完答できたのは1番だけで、半分ほど解けた6番を除いてその他はまるで全く解けていませんでした。このままの割合では1.5×3/2≒2となり、2問(40点)くらいしか解けないことになります。ほかの教科での僕の実力を考えると確実に落ちます。

 ここで、試験中にもかかわらずあきらめモードに入りネガティブになっていきました。「僕は不合格になるのだなぁ」「落ちたら親も悲しむのかなぁ」と関係ないことばかり考えて数分ほどボケーっとしていました。

 浪人した自分の気持ちを想像してみました。今まで苦しみにたえて勉強し続けてきました。前日はおなかが痛くて吐きそうにまでなっていました。それなのに、当日少しパニックになりあきらめたがためにもう一年同じ苦しみを味合わねばならない。絶対に嫌でした。浪人中に後悔しないためにも、とりあえず今はベストを尽くそう。そう思えました。

 そこで、今まで解いてきた問題を振り返ってみました。あり得ない結果が出ていた3番は、単なる途中過程の計算ミスだったと気が付きました。途中で行き詰っていた5番は、もう一回微分してみたら解けることが分かりました。慎重に計算を進め、後は2,4番を部分点狙いでそれぞれ簡単な(1)だけ解きました。

 この時点で残り10分。今まで解いたところがすべて合っていればまだ合格できるかもしれないと判断し、残りは見直しにあてました。そして、試験終了。これでどうにか合格の可能性を明日につなげられたと胸をなでおろしたのでした。

 結論:数学は模試と本番では大違い

 いかがだったでしょうか。数学の試験を受けてみて僕が強く感じたことは、数学に関して言えば模試と本番は全く状況が異なるということです。僕が模試を受けるときのスタンスとしては、点を取れるだけ取ってやるという気持ちでした。見直しもそこそこにどんどん問題を解いていきました。このやり方はリスキーなのですが、リラックスした気持ちで解いていたからか大きなミスをして20点を失うことはあまりなく、100点を超えることもありました。そのため、自分は数学が得意なのだと勘違いしていました。自分の取るべき目標点を高くしていました。また、同時に自分のリスキーな解き方で稀に生じる20点を失うミスに不安もあり、自分のやり方に自信が持てなくなってもいました。それらが結局、試験本番においてはプレッシャーとなりました。

 本番の数学の試験において、合格するためにすべきことは圧倒的な高得点をたたき出すことでは決してありません。極度の緊張の中で、平均的な点でよいから確実に取り、他の受験生に大きな差をつけられないことです。模試では後者の練習はできません。本番の緊張状態を再現できないからです。

 矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、たとえ不可能であるとしても、普段の模試から後者の練習をしてみようと努めるべきです。僕はそれを怠っていました。模試の数学で高得点を取っても、それで満足するだけで終わってはいけません。模試と本番は違うのだから点数自体は全くあてになりません。そうではなく、緊張しない模試においても確実に点を取る方法を選択していたか、仮にその模試が本番であったとしても同じことができたか、これを自問してください。

練習と本番は大きく違います。それでも、「練習は本番のように、本番は練習のように」という気持ちを絶対に忘れないでくださいね。では、ばいばーい。

おまけ

 最後に各教科の二次試験対策の勉強法を簡単に書いておきます。ただし、僕は11月まで京大志望でした。

①数学

 高3に入ってから直前期まで成績がぐんぐん上がったので、勉強法自体は正しかったのでしょう。高2までは様々な分野の難しい問題ばかり解いて思考力を高めていました。高2の夏ごろから本格的に受験勉強を開始しました。まず、基本となる定石をおさえるために基礎的な問題集(僕の場合は「一対一対応の演習」、「新数学スタンダード演習」)をそれぞれ2,3周こなしました。ただし、もちろん2,3周目は間違えた問題だけ解きます。以下”~周”と出てくるものはすべて同じです。また、数学に限ってですが、2,3周目は計算はせず答えまでの方針を完全に構築出来たら正解としていました。高3に入ってからは、時間は計らずになるべく自力で全部の問題を解くつもりで、2~3年分/週のペースで京大模試の過去問を解きました。解くのに時間がかかったら、何がいけなかったのか、どのように考えるべきだったかなども軽く分析しました。東大に志望を変えてからは東大模試・入試の過去問で同じことを直前期まで続けました。

②英語

 京大は英語の配点が高いので特に力を入れて勉強していました。高2までに単語集(すべてCDで聞いて文・文章と一緒に覚える形式)や長文読解のテキスト(国公立の過去問を集めたもの)を何冊かこなし、高2春から夏にかけて東大、夏から京大の過去問演習をしました。まず、単語集の使い方を説明します。単語集はunitや章に分かれていることが多く、毎週こなす量をそれで適宜調節します。例えば、毎週1章進むとします。まず1週目は1章の単語を覚え、2,3週目にその章の文・文章をCDを聞きながら毎日シャドーイングします。一方、2週目は新たに2章の単語を覚え、同じことをします。結局、3週目は1,2章のシャドーイングと3章の単語を覚えることになります。このようにすると一つの単語を結局3週間触れられるので記憶に定着します。次に、長文読解の勉強法についてです。まず普通に問題を解きます。次にわからなかった単熟語に印をつけ、その意味を推測します。そして辞書(はじめは英和辞典、慣れてきたら英英辞典)でその意味を調べてメモしておきます。その後何度も英文を読みます。CDがついていたらシャドーイングしてもいいと思います。リスニングも同じ勉強法です。ここで気を付けてほしいことですが、英語は定期的にやらないと鈍ります。僕は直前期に時間がなくて英語の勉強が疎かになりました。それが本番で失敗した一因だと思います。最後に東大受験で最も役立った単語集を挙げておきます。「DUO 3.0」です。語彙レベルが東大の英語に合っていました。ここに載っている単熟語をすべて覚えたら、東大の英語で分からなくて困る語彙はありません。また、英作文にも役立ちました。

③国語

 正直、勉強法はよくわかりません。学校の先生の授業を真面目に受け過去問を添削してもらい、直前期に古文単語や漢文の句形を暗記しました。

④物理

 高2夏ごろから本格的に勉強を開始しました。まず微積分を使って物理の原理・法則を理解します。ここは塾に頼りました。次に基本の問題集を2,3周してそれらの扱いに慣れました。また、基本原理・法則導出集を自作して、模試前に自力で導出していました。「難問題の系統とその解き方」を一周してから、高3秋から化学とセットで模試・入試の過去問演習を直前期まで続けました。

⑤化学

 化学も高2夏ごろから始めました。無機・有機の基本知識集を自作して模試前に確認していました。塾で配られる大量のプリントをこなし、「重要問題集」を3周しました。「化学の新演習」は理論の部分を時間を計って確実に合わせる訓練をしました。その後、模試・入試演習に入りました。「化学の新研究」で反応のしくみなども確認しておいた方がよかったのかもしれません。

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写真の出典:写真AC https://www.photo-ac.com/main/detail/4328368?title=%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8&searchId=731658928

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