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彼氏/彼女が分からない

45歳なんだけど彼氏というものが分からない。

男性と付き合ったことがないわけではない。ただし、彼ら(一応複数いる)とは6月の誕生日もクリスマスも一緒に過ごしたことがないほど長続きしなかったし、私の感覚では冷淡に扱われていた。


そもそも「付き合っている」と呼べたかどうかわからない。彼らは私を「彼女」として他人に紹介してくれなかったし、誰一人愛していると言った人はいない。十中八九、もっと真剣な関係の相手が他にいたのだと思う。では私は何だったのか。(嫌いな言葉なので言わなくていい)


世間様を見ると中高生くらいから彼氏/彼女がいるのは当たり前…というか、「彼氏/彼女がいるのが当たり前な人」には当たり前だし、いない期間がほとんどなく誰かと付き合うものらしい。その感覚が分からない。


今はもうどうでもよくなってしまったのだけど、以前は恋愛感情を持つとかなり相手との距離が短い状態を維持していないと気が済まなかった。むしろ「距離なんてあっちゃダメ」だった。おそらくそれがいけなかったのだろう…というのはわかる。じゃあ適切な距離ってどんな感じなんだろう。
「当たり前な人」たちは当然周囲にいて、悩みを聞くこともあるのだけど、彼らは嫉妬したり文句を言ったり相手の好きなところをのろけたりしていて、別にそれが私に理解できないわけではない。だけど、誰かと別れて次の人と付き合うまでの、縮まっていく人間同士の距離と時間感覚がよくわからない。


こんな人間なので、思い返すと「あっちは付き合っていると思っていたんだろうな」というケースもいくつかある。つまりそれは私にとって「付き合っている」という距離感覚ではなかったということだ。


であれば、私が「付き合っている」と思った距離はあまりにも近すぎ、「付き合っていない」と思った距離と「付き合っている」と思った距離との「付き合っていない」寄りあたりに最適の距離があるのだろう。


とはいえ恋愛はめんどうくさくなってしまったので自分がその距離を見つけることはもうないと思う。
他人はどう良い距離を見つけているのか、は依然として興味の対象ではある。


※写真は2020年7月、コロナ禍で客が減って困っていると聞いた松島温泉に泊まりに行ったとき撮ったもの。このあたりも震災時は漬かったのだと思う。

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