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駆け寄る…の聲

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1頭の狼が駆け寄ってくる。
足元に触れて座っている。
温かい感触があるけれど…。
急いで来たようだった。
なんだかわからないけれど
可愛いと思った。
今まで見てきた狼と色が違う…。
今日も星空ひとり見上げる。
やっぱり降ってきそうにたくさん見える。

…イマハモウ、ナニモミエナイノ…
…カナシクテ、ツラクテ、コミアゲル
ニクシミヲ、ドウシタラオサエラレルカ
ワカラナイノ…
…涙で滲む星を見上げる夜に。
こんな思いをするのなら、
今すぐに…………い。
そんな湧き上がる思いを抱えてる。
だけど、なぜだろう…優しいあの手が
引き戻すように引っぱる。
ただ穏やかに凪ぐように在りたい
そこにあの手があれば…と
星を見上げて思う。
「やっぱり何度生きてもひとり。」
呟くと温かい感触が纏う。
眼を閉じる。
「あぁ、そうして幕をひくのですね。」
重ね呟く。
涙が頬を伝うが涙の理由は……言えない。
「…あなたはもうひとりではないの」

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