故川邉エノログを偲ぶワイン会
先日は中野にて高畠ワイナリーの元エノログで、日本のワイン業界に大きな影響を与えながらも2022年に惜しまれながら他界された、川邉久之氏を偲ぶ会に奥様のさち恵さんよりお誘い頂き参加しました。
6人でのこじんまりとした会でしたがメンバーが凄い、メルシャンのエグゼクティブワインメーカーの安蔵光弘さん(実は安蔵さん、いばらき大使や東京大学の非常勤講師もされているようです)、映画「ウスケボーイズ」を撮られた柿崎ゆうじ監督(実は監督、元俳優さんで千葉真一さんのJACにいられたそう)、日本ワインのアンバサダー的存在のヒロミ・ローソンさん、さらにソムリエ協会の執行役員でもある大滝恭子さん、そして今回の発起人である川邉さち恵さんという豪華メンバーで、それぞれワインを持ち寄り、川邉さんとの思い出を語ったりという素敵な会でした。
乾杯は柿崎監督が持参された高畠ワイナリーの30周年記念で造られた「プリ・デ・ムース」、カーボネーション(炭酸ガス注入方式)で造られる「嘉」とは一味違う、シャンパーニュ方式による奥深い旨味と繊細な泡立ちが心地良い感じ。
こちらは僕が持参したアルザスの鬼才マルセル・ダイスの「ピノ・ダルザス」、メンバー的にも日本ワインが多いと思っていたのでエッセンスとしてフランスワインを持参、こちらはピノ系4種(ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オーセロワ)の混植混醸による白ワイン。
実は先のソムリエ協会機関誌に安蔵さんの自然派ワインの特集記事があったので、いわゆる「ちゃんとした自然派」のサンプルとして持参、僕も安蔵さんに近い考えなので共感しながら意見交換。
こちらも柿崎監督が持参された高畠ワイナリーの「フニクリフニクラ」のシャルドネ。斜度の有る畑で登山電車が欲しいという所からこの名前がついたとか。
川邉さんが手掛けた頃のヴィンテージで、カリフォルニアのイメージが強い川邉さんのワインでありながらも、ブルゴーニュのような繊細で柔和な旨味の余韻が印象的で本当に美味しい。
そして本日の主役、奥様のさち恵さんが持参された熊本ワインの「菊鹿ナイトハーベスト」、実は川邉さんが熊本ワインをコンサルしていた時のワインでヴィンテージは2005年!(ひゃー)、色合い的にもだいぶメイラードが進んでいたけど、味わい的には健全で、繊細でスリム印象ながらもしっかりとした芯の通った味わいで、どこか凄味を感じさせる。
最後はこれまた柿崎監督持参(何本もってきてるの?)高畠ワイナリーの「アルケイディア」、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティヴェルドのブレンドで今回は赤ワインはこの1本だけ。
フルボディーとは言いながらも大柄なワインではなく、目の詰まった味わいでタンニンも滑らかで緻密、デザートにザッハトルテが出たけど、ビックリするほどのマリアージュで久しぶりに感動した。
実はもう1本、安蔵さんがシャトー・メルシャンの「鶴岡甲州」を持参されたんだけど、見事に単体の写真撮り忘れました。(苦笑)
偲ぶ会ではあったけど、決してしんみりと飲んでいたわけではなく、川邉夫妻の出会いにとどまらず安蔵夫妻の出会いまで踏み込むは、柿崎監督の生い立ちや東京ラブストーリーに俳優として出ていた話など、まあまあ話題の尽きない会でした、また是非ご一緒しましょう!
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