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始まりは「冗談でしょう?」でした

物が二つに見えるのです
つまり、少し離れた時計なら2つに見える
ふた昔前のアニメの分身の術のように、物が2つに見える

始まりはそこでした…
年の瀬も押し迫った12月、そんな頃でした

調べると「斜視」という症状だと思って、近所の眼科へ
そこでテストをすると、そこでは手に負えない斜視
大学病院への紹介状をもらって、それが全ての始まりでした

大学病院で手術かぁ…
目の手術って、大丈夫なのかな?
失敗して何も見えなくなったり、そういう世界なのかな?
入院するのかな?イヤだなぁ…
そんな不安を持ちながら、大学病院へ紹介状を持って出かけました

唯一の救いは、大学病院行く前日に行った精神科で話したところ「大げさですよ。大丈夫です。目薬打たれてぼやけている間に手術は終わりますからね。入院と言っても1日2日、心配なんていりませんよ?」と言われたことだけでした

そして迎えた大学病院でのテスト結果は「ひどすぎる斜視」

とりあえず手術は確定として、飲み薬と、大丈夫だとは思うけど、一応MRIを受けましょう。

…それが、まさかこんなことになるとは…

MRIを受けて、それで会計を済ませて帰る…。9時くらいに来院して、10時30分くらいですかねぇ?ずいぶん簡単に終わった…と思っていたら、担当が来て一言
「もう一度眼科の先生に会ってから、帰ってください」とのこと

眼科の先生はMRIの写真を見ながら「これはね、脳にできた出来物が、視神経を圧迫してこうなっていると思われます。緊急の救急外来を取っておきますから、脳神経外科の先生と話して帰ってください」とのこと

自分の中では「冗談でしょう?」としか思えず、そのまま緊急の救急外来の待合いへ

当時はまだコロナが猛威を振るっていて、目の前をベビーカーの如くガチガチにビニールで固められたおばあさんが通り過ぎるのを、ぼうっと見ていました…

救急外来に呼び出されると、メガネをかけた先生が一人

「これはねえ、この出来物を取らないと、斜視は治らないんだよ…。そこまで出来物が大きくなっているからねぇ…。詳しくはこれから調べるから、年明けに来てくれませんか?」と言われて、その日は解散

9時に来て、帰りは18時を過ぎて、師走の寒い風が自分の肌に突き刺さるような感覚だったのを、昨日のように思い出します…。

ただ「これじゃ年明けは楽しめないな…。やだなぁ…。」という気持ちが、心の中を支配して、自分を暗い気持ちにさせていった…。そんな感じでした…。

もし、気が向いたなら…