金言282:フラッシュバック

1)フラッシュバックflashbackとは
映画で、物語の進行中に過去の出来事を挿入すること。
回想を表現するための技法。
驚きや衝撃などの心理表現などに使用。
過去の記憶や情景がはっきりと思い出される事。

2)フラッシュバック=ストレス障害
ストレス障害は、ふとしたきっかけで、その光景を何度も繰り返し鮮明に思い出す、悪夢にうなされる、ひどく不安・緊張の強い状態が続くなど様々な症状がみられる病気です。生命の危険に絡んだ怖い体験などが原因で、そのときの恐怖感や不安、危機一髪のシーンがはっきりと頭の中でよみがえり、今まさに再び同じ体験が起きているかのように感じる病気です。意外にも、仕事の失敗や失恋は含まれないそうです。

3)過去の失敗や辛い思い出のフラッシュバック
このようなことはありませんか。
外傷後ストレス障害などという深刻な症状ではなさそうですが、何のきっかけもなく、頭のなかで鮮明にいろいろな「思い」がよぎります。外の風景を見ていて、高価な乗用車、美しい人やそうでない人などが、すっと目の前を通過してふとよぎる「思い」のようなものです。現実に見る風景と違うのは、頭のなかで回想させられるのは過去の失敗や辛い思い出が中心なのです。
過去に起きたことの回想なのですから、古き良き時代やラッキーだったこと、うれしかったことなどを多めに含めてほしいのですが、そうはまいりません。いつも、あの時こうすればよかったとか、何であんなことをしたのだろうと一瞬暗くなります。ときには、思いが高ぶり攻撃的な心理状態になり、こんどは勘弁しないぞと内心叫んだりします。そして、現実に何かうめくような声を発すると、回想シーンは終わり頭の中から消えます。

4)そういえば
40代前後の数年間、うそつきで、違法なことはもちろん不適切なことも平気で実行する「悪いひと」の部下でした。この人のおかげで、短期間に、多くのことを学習することができました。法律違反は時効まで逃げ切り、信義誠実とか禁反言の原則には無縁の、公私ともに本当に悪いひとでした。当時の取引先の経営幹部は、このひとの「悪さ」を知っていながら、自分たちにとっての損得を比較較量し「だまされたふり」をしていたそうです。この悪い上司が悪さをする現場に立ち会うことが勤務時間の大半の部分を占めていました。そういう中で、このひとが、独りでうめいたり頷いたりするプライベートなシーンをよく見ました。当時は、このひとの奇行が理解できませんでした。この上司の当時の年齢になったためでしょうか、外面的に同じような行動をしている自分に気がつきました。そうです、きっと、このひともフラッシュバックと戦っていたのです。ただし、この人の場合、あの時こう言えばもっとうまくだませたとか、こうすればよかったとか、儲け損なったとか、懲りずに欲をかいていたはずです。

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