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金言1099:鶏口牛後

いまではありえないことが団塊の世代の少年時代にはたくさんありました。
ある中学高校一貫校では、中学1年のときの成績上位者40名ほどでベストクラスが編成され高校3年までの5年間続きました。担当教師も授業内容も学内の待遇も違いました。中学1年の1学期の最初の学力テストでは全員の点数と氏名が成績順に廊下に張り出されました。今なら人権問題になるかもしれませんが、これから始まる高校大学受験戦争の戦線布告のようなモノでした。受験して入学した中学校ですから文句を言う父兄はいなかったはずです。
そして中学2年になると学年に1クラスだけベストクラスが編成され、残りのクラスは成績がかたよらないよう編成されます。ベストクラスの生徒は毎年1割程度入れ替わります。下位グループは普通クラスから上がってくる生徒と入れ替えです。箱根マラソンのシード権争いのようなものですが、普通クラスに落ちた元ベストクラスの生徒が再びベストクラスに戻るケースはありませんでした。ベストクラスで最下位であっても普通クラスにいけばベスト5のポストは楽に手にはいります。居心地の良さがわかります。
疫病感染拡大中、3年開催されていなかった同窓会の幹事が文集を編成しました。連絡がつく同窓生に400字程度の近況を求め、それを文集にして配布してくれました。大学教授を引退したとか、公認会計士をやっているとか、パイロットだったとか。そのなかにベストクラスに縁がない地味だった生徒が弁護士をやっているというのがありました。5年間鶏口を楽しみ、無名な大学で鶏口、ニューヨークでは牛後で注目を浴びている人もいますけれど。
無病息災、年金生活で身の丈に合わせておだやかに暮らしている者にとっても、鶏口牛後は健康寿命延長に効果が期待できる環境であります。

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