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金言915:資産はないけど負債もない

昔々、アメリカで普通なら持ち家は無理な低所得層が、住宅価格が上がり続けるという神話のもと、ローンで不動産を購入しました。古来より上がったものは下がります。「住宅バブル」崩壊とともに買った家の評価額が急落し多くのアメリカ人は借りたカネが返済できなくなりました。ブッシュパパが元凶だったかもしれない米国発のサブプライムローン危機です、これで世界同時大不況が始まりました。

昨今の我が国では、働き方改革と中華由来の疫病感染対策のおかげで、残業代をあてにして組んだ長期ローン返済の目途がたたなくなってきた中高年の勤め人が増えているはずです。金融業者への返済が滞るとローン契約にしたがって、マイホームパパは債権者から残額の一括返済を求められます。返済できなければ金融業者は不動産屋ではないということで担保物件を競売にかけます。当然、返済額と競売落札価格との差額がでます。落札価格+差額=残額なのですが、債務者としては金融業者に不動産は差し押さえられ競売、それでも足りない分はさらに金融業者に払わなければならないので損した気分になります。中古物件の仲介業者を介すれば競売より高く処分できるはずです。長期ローンで不動産屋から家を買い、ローンを払えなくなると不動産屋の仲介で家を売ります。

1億マイホーム時代、今でも当時の姻族の一言を忘れません。
「持ち家か賃貸かで、商いの信用が違う。持ち家でないと取引先に信用されない。」
当時は外資勤務でしたので、5年以上同じ収入を得るということがどれだけ難しいことか理解していました。ましてや、現在の年収を基礎に換金性に難ありの不動産を長期ローンで購入するというのは、まことにハイリスクでありました。身内からの強い勧めで住宅購入した血のつながりのない姻族は、おそらく不動産神話崩壊と景気後退・残業代消滅で苦労したことでしょう。

他人の意見を聞かないというわけではありませんが、100%自分が負うリスクは100%自分のタイミングと判断で意思決定しないと後悔します。幸いにも、「借りられる額と返せる額は違う」とか「働き方改革で残業が激減してローンが払えない」とか「リストラ、転職、投資失敗」などという失敗事例とは無縁であります。二度の大震災と何とかショックとか複数回の世界同時大不況で都度稼ぎを吐き出しながらも、一度も債務返済地獄を見ることなく他人事だと平常心で口にすることができたというのは間違いなくラッキーであります。負債はありません、ただし遺す資産もありません。無借金が財産といったところであります。

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