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金言427:それぞれの人生

1960年代の東大安田講堂の落書。
「連帯を求めて孤立を恐れず
力及ばずして倒れることを辞さないが
力を尽くさずして挫けることを拒否する」
この落書が存在する1年前に、若者たちが桜満開の三鷹市大沢のキャンパスで笑顔あふれる学生生活をスタートさせました。それぞれの人生が始まりました。


国産大手ウイスキーメーカーの創業一族の令嬢
大学の講堂で学長と学生自治会の団交があっても、キャンパスがバリケード封鎖されても、いつものとおり運転手付きの車で授業に出席し、卒業していきました。在学中は、夏の軽井沢で優雅に過ごす令嬢たちのひとりとして週刊誌に登場していました。


大手トイレタリー商品のメーカーの重役の子息
全共闘の闘争委員長になりましたが検挙される前に前線を離脱。卒業後は大手企業でエリートサラリーマンとして余生をしたたかに過ごしています。


単身上京してきた地方の神童
紛争には距離をおき、大手銀行の外為部門に就職し、その後外資に転職しました。
そして米国市場で活躍中に、思いがけなく911で殉職。


航空会社に就職
有名都立高校から大学に進み、高給の航空会社に就職。残念ながら45万円の年金受給には就職時期が5年弱遅かったようです。リストラとチャプターイレブンで終わりよければ全てよしとはいきませんでした。


バブルのときはバブルの甘い蜜に群がり、バブル崩壊、リーマンショックでは荒波をもろにかぶり、まさに時代と同期して暮らしてきた、しがない勤め人。

この人たちが安田講堂の落書に再会したとしたら、何を思うでしょうか。
大きなお世話でしょう。

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