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金言366:百年に一度の困難の中に好機を見て

昔、南フランスに1週間ほど独りで出張したことがあります。週末は予定がないので、気楽に食事をどこでしようかと、街のなかを歩き回りました。フランス料理は、店による外れはほとんどありません。どこのレストランでもおいしい料理にありつくことができます。ある日の午後、南仏の日本料理屋に入ったときは違和感を覚えました。

お品書きが、フランス語と英語と日本語なのですが、お新香となるところがキムチになっていました。従業員は全員日本人と同じ顔をしていたので間違えました。日本語で話しかけたら通じなかったのです。老舗日本料理店のような看板を掲げたレストランは、半島の人たちの職場でした。日本人が欧米で中国料理店をやるようなものですね。キムチをメニューに見つけ、ウェイターが日本人でなかったので、出てきた料理もいわゆる和食ではないような感じがして、居心地がよくありませんでした。当時、海外での和食は割高でしたが、この店は価格については割高感はありませんでした。

ホテルに戻って、ふと思ったのは、なぜ、南仏の目抜き通りの和食屋が日本人ではないアジア人がやっているのかでした。母国の料理ではなく、隣国の料理を商売のネタにしている理由は、和食のほうが高単価で利益率がいいからだろうと思いました。しかしながら、そのとき疑問を持ったのは、人口が日本の半分程度なのに、海外での露出度が日本を上回っていることでした。日本人が負けている。日本人は内需だけで十分なので、苦労して海外に職場を求める必要がなかった時代であったのかもしれません。当時の日本人ビジネスマンはジャパンアズナンバーワンとかいわれ、壇ノ浦で敗れる前の平家のような勢いがありましたから。

時が移り、アメリカ合衆国の圧倒的な経済的優位性がなくなってしまったような今日、団塊の世代のジュニアに、彼らの父親が若い頃頑張ったように、活躍してもらいたいものです。団塊の世代の親たちは、第二次世界大戦で負け、団塊世代自らは経済戦で、現役後半に欧米に負け越してしまいました。現下の疫病感染拡大の百年に一度の困難を好機としてとらえ、ジュニアたちには、敗者復活で勝ち残ってほしい。

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